2006/12/13(水) [n年前の日記]
#2 [anime] _アトムが「ウソの存在」なのが、どうにも解せなかったのだ。
同様に当時の子どもはアトムと鉄人に平行して接したから、当然のように「比べっこ」が始まる。同時の筆者としては、鉄人の方への興味がはるかに勝っていた。その判断基準は実に簡単。アトムが「ウソの存在」なのが、どうにも解せなかったのだ。たとえば「空を飛ぶ」能力ひとつとっても、鉄人はロケットをアタッチメントとして装備しているから科学的に根拠があるが、アトムは長靴が消えて飛行するし、腕がなくなって焔を噴射したりすることさえあって、絵としてごまかしがある。なるほどたしかに…。子供の頃はそういうところに拘って、作品全体の良し悪しを決めてしまう傾向があるような、そんな気もする。<自分の体験的にも。
この違いは子どもにとって大きい。鉄人がマジンガーZ、ガンダムと後継を生んでいるのに対し、アトムがワン・アンド・オンリーとなっている理由がもしあるとすれば、こうした部分に意外に本質がありそうだと、今でも思っている。
一般的には「映りこみ」と呼ばれているようだが、かなり後になって高校生のころ、これを説明した名表現に出逢って膝を叩く。それは『ルパン三世』の車のキャラクターシートに大塚康生さんが書いた注記だった。「圧縮された風景の投影」……なんと簡潔にして本質に迫り、納得できる文言だろうか。もしかすると、いかにもCG臭い画が子供に好まれるのはそのへんなんだろうか。表面に映り込みがあると、高級感を与えることができる…?
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以上です。