2005/12/23(金) [n年前の日記]
#9 [tv] ここ数日、「チャングムの誓い」なる韓国ドラマを見てるのだけど
感心するところが多々。サザエさんみたいなカメラワークで、よくまあここまで。脚本の力、なのだろうな。上手い。
気にしながら見ている点が、数点。
気にしながら見ている点が、数点。
- 「恨み」「復讐」のリピート頻度。あるいは、念の強さ。
- やはり韓国の民族性が若干滲みでている、と見るのはちょっとフィルタがかかってるだろうか。…まあ、例えばハリウッド映画でもそういう設定はよく使うから、韓国作品特有というわけではないんだけど。ハリウッドなら、銃を撃ったり、日本刀を振り回して直接的に復讐しちゃうところ、だろうけど、この作品はそのへん間接的というか、陰湿というか。いや、そのあたりは映画とTVの違いなだけかも。時間の長さが全然違うし。
- 主人公が「嘘」をつく・「盗み」を行う。
- 「正義」の側として描いてるはずの主人公がときどきそういうことを行うあたり、韓国では肯定されているのだろうかと疑問が湧いたりもして。もっとも、主人公がそれらの行動を行う場合にはルールがあって。「自分以外の誰かの境遇を改善するのであれば、嘘も盗みもOK」みたいな。師匠の名誉回復とか、彼氏の生命を助けるとか。自己保身のための嘘・盗みはしてないように見える。
- 稀に混ざっている、日本批判。
- 「詫びるなら行動で示せ」等の台詞は、煽動なんだろうなぁ。そんな映像がNHKで流れてる状況自体が興味深い。日本人は懐が深いのか。それとも何も考えてないだけか。まあ、面白いからどうでもいいけど。
- 登場人物の愚行の多さ。
- 愚行が目立って興醒めしてしまうところが多々。もっともそれについては日本のドラマも同様なわけで。やはりドラマを作るためには愚行が必須なのだなと再認識。でないと話が動かないし。…でも、何か上手なカモフラージュを考える必要がありそう。感情面を考えると納得できる、とか。あるいはキャラ設定を生かすとか。
- 「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「大岡越前」あたりとの類似性。
- 結局のところ、絶対的な権力を持つ「上様」の指示で事態が好転する展開ばかりなわけで。水戸黄門と同じ。たぶんそのあたりに視聴者が喜びそうなカタルシスが ―― おそらくはアジアに共通する何かが埋め込まれていそうな。とはいえ日本のソレとは違う部分も。最終的には「上様」の指示で好転するとしても、そこに到達するまでの過程で、主人公のアクティブさを必ず見せている点とか。また、日本の場合はえてして「上様」が主人公になるけど、あちらの場合、「上様に仕える人」が主人公になるあたり、ちと興味深い。水戸黄門を見ている視聴者が感情移入するのは、誰か。黄門様か、それとも黄門様が救うはずの人々か。それを考えたとき、この作品の巧みさが見えると同時に、かの国の矛盾点も垣間見える気がする。
◎ 「水戸黄門」との類似をどうして意識するかというと。 :
以前どこかで、韓国の映画監督の来日インタビュー記事を読んだのがきっかけだったり。
韓国の映画監督曰く、
まあ、自分で事態を改善するのではなく、優秀な君主の登場を望む ―― 要するに他力本願を望むあたりは、おそらくアジアに共通した特有の性質じゃなかろうかと思ってるので、別に悪いことでもなんでもないんだけど。
韓国の映画監督曰く、
- 「ホテルで水戸黄門を見た」
- 「面白いとは思ったが、水戸黄門は韓国人にはウケない」
- 「登場人物が受動的過ぎる」
まあ、自分で事態を改善するのではなく、優秀な君主の登場を望む ―― 要するに他力本願を望むあたりは、おそらくアジアに共通した特有の性質じゃなかろうかと思ってるので、別に悪いことでもなんでもないんだけど。
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以上です。