2006/04/17(月) [n年前の日記]
#2 [anime] 作画が崩れてるのを「放送事故」と称してしまうお子さんたちをどうしたらいいものか
ネットをさまよってたら、放送事故情報を集めてるサイト、の掲示板に、たまたま流れ着いたのだけど。プリキュアSS1話の作画の崩れを「ハプニング」「放送事故」と称してる人を見かけてしまって、困惑してしまったり。最初は冗談で言ってるのかと思ったのだけど、その後の発言を眺める限り、どうやら結構本気で言っちゃってるらしい。頭を抱えてしまった。
どう説明すれば、その手の人種にも違いが理解できるのだろうか。彼(彼女?)を椅子に縛り付けて、真っ暗な部屋でポケモンショックのシーンを256回ほどループ再生したら、真の「放送事故」というものが身に染みて判るだろうか。 *1 あるいは、金田パースの映像をコマ送りで256回見せ続ければ、アニメにおいて動いてる最中の一コマを抜き出して事故と称することの馬鹿馬鹿しさも理解できるだろうか。などとアホな妄想を。
どう説明すれば、その手の人種にも違いが理解できるのだろうか。彼(彼女?)を椅子に縛り付けて、真っ暗な部屋でポケモンショックのシーンを256回ほどループ再生したら、真の「放送事故」というものが身に染みて判るだろうか。 *1 あるいは、金田パースの映像をコマ送りで256回見せ続ければ、アニメにおいて動いてる最中の一コマを抜き出して事故と称することの馬鹿馬鹿しさも理解できるだろうか。などとアホな妄想を。
◎ 仮に、「作画面の事故」と言うものが本当に存在するならば。 :
個人的には、おそらく以下のような定義になるのかなと想像してみたり。…あくまで、「自分」が「想像」する定義、でしかないけど。
この定義に従えば、プリキュアSS1話のソレは、単に「作画が崩れてるだけ」という話になるし。EVAのTV版最終回や、ザブングル劇場版は、動画無し・彩色無しであっても、監督・演出が意図的にそういう映像を挿入してるので、事故のカテゴリーには入らない。しかし、 _「ヤシガニ屠る」 や _ガンドレス や、「火垂るの墓」劇場公開時の一部の動撮は、これは事故と呼んでも差し支えない範疇に入ってくる。ような気がする。
や、仮に「作画面の事故」と呼称する必要があるなら、の話だけど。個人的には、それらの現象に対して、「ヤシガニ」とか「nガンドレス(単位)」という呼び方でいいじゃん、みたいな感も。
- 動画が入ってるはずのシーンで動画が入ってない。
- 彩色されてるはずのシーンで彩色されてない。
- 監督・演出が、意図的に「動画無し」「彩色無し」にしていない。
この定義に従えば、プリキュアSS1話のソレは、単に「作画が崩れてるだけ」という話になるし。EVAのTV版最終回や、ザブングル劇場版は、動画無し・彩色無しであっても、監督・演出が意図的にそういう映像を挿入してるので、事故のカテゴリーには入らない。しかし、 _「ヤシガニ屠る」 や _ガンドレス や、「火垂るの墓」劇場公開時の一部の動撮は、これは事故と呼んでも差し支えない範疇に入ってくる。ような気がする。
や、仮に「作画面の事故」と呼称する必要があるなら、の話だけど。個人的には、それらの現象に対して、「ヤシガニ」とか「nガンドレス(単位)」という呼び方でいいじゃん、みたいな感も。
◎ でもまあ、言葉を覚えたばかりの赤ん坊が犬でも猫でも豚でも牛でも「ワンワン」と呼んでしまうのと同様に。 :
自分が見かけた人も、「放送事故」という覚えたての言葉を口にしてみたい年頃なだけかもしれんと想像したりもするので目くじら立てるのもアレかもしれんのだけど。数年立てばそういう人も、「ニャーと鳴くのは猫」ぐらいは判ってくるのかもしれんし。たぶん。
と書きつつも。「4本足で歩くものは『ワンワン』なんだ」と独自の定義を主張してみるのも一つの手ではあるかもしれん、というか議論を深めていくキッカケにはなりそうだなと思ったりもする。どういう議論なんだかよくわかりませんが。…何にしても、第三者にも判る「物差し」を提示することなく、感覚のみで「これはワンワンだ」と固持されても困るなと思ったりもして。
どうでもいいことを考えてるなぁ。>自分
それにしても、 _ガンドレス ってスゴいわ。これは日本のアニメ史を語る上で、非常に貴重な映像資料かもしれぬ。
と書きつつも。「4本足で歩くものは『ワンワン』なんだ」と独自の定義を主張してみるのも一つの手ではあるかもしれん、というか議論を深めていくキッカケにはなりそうだなと思ったりもする。どういう議論なんだかよくわかりませんが。…何にしても、第三者にも判る「物差し」を提示することなく、感覚のみで「これはワンワンだ」と固持されても困るなと思ったりもして。
どうでもいいことを考えてるなぁ。>自分
それにしても、 _ガンドレス ってスゴいわ。これは日本のアニメ史を語る上で、非常に貴重な映像資料かもしれぬ。
*1: いや、ポケモンショックを「事故」と称するのは、なんか違う気もするんだけど。…そのへんうまく説明できない。
この記事へのツッコミ
[ ツッコミを読む(22) | ツッコむ ]
以上です。
放送事故は基本的に「コンテンツの内容によらない」もののはずです。
つまり、音声が途切れるとか映像が乱れるとか、
放送すべきものが放送されなかった事が事故ですね。
ポケモンショックはその内容の良し悪しは別にして
作者の意図どおりに放送されているわけですから
事故じゃないと思いますよ。
みたいなもんじゃないでしょうかねぇ^^;
そのうち「オマージュ」とか「インスパイア」とか(以下略)
CGはちょっとアレですが、
基本的にこういう現象はアニメでしか発生しないと思うので
やっぱり素直に「手抜き」でいいんじゃないかと^^;
「事故」っていう言葉はなんか過失のイメージがあるんですが、
ここで言う「演出事故」は故意というイメージですよね。
> ポケモンショックは〜作者の意図どおり放送されてるから事故じゃない
それだ! 膝を打ちました。
ポケモンショックを事故と呼ぶことに違和感を覚えたのは、
たぶんそのへんなんだな…
「放送すべきものが放送されなかった = 事故」という定義…
これ、判りやすいですな。物差しとしても使いやすい気が。
なるほどなぁ…。
むぅ。なんだか新しい言葉が…
ふと気になって検索したら、
なんだかプロレス関係の記事が出てきましたですよ…。
もしかして、そういう業界の専門用語なのだろうか…
いや。個人的には、「手抜き」と呼ぶのはちょっと…
それだけはどうしても避けたい…肯定できない…
というのも、アニメ制作時の状況を素人なりに想像しても、
全然手抜きなんかしてない・それどころか限界ギリギリまで働いてるのに、
そういう状態になったであろうことが容易に想像できてしまうからで…
たぶんアニメーターは、毎日会社の机の下で寝てたりするのです。
ダンボールが布団代わりなのです。スタジオの床は冷たいのです。
何日も家に帰れなくて、妙にすえた匂いがするのです。
それでも放送日は待っちゃくれない。刻一刻とその時は近づいてくる。
腱鞘炎の痛みを我慢しつつ、
座りっぱなしで痔になったけど、脂汗をかきながらそれもこらえて、
トレス台のライトで目をやられて視力は激減しちゃって、
それでも、ひたすらもくもくと鉛筆を走らせて…走らせて…走らせて…
そういう中でようやく出てきた・間に合った映像に対して、
一体誰が「手抜き」だなどと呼べましょうか! 否!
みたいな。
や、そういう状況なのではあるまいかと勝手に想像してるだけですが…。
いいや、断じて「手抜き」です。
当然それをわかってて、それでも「手抜き」です。
外部の人間には計り知れない苦労があるのは分かりますが、
アレが許されるのって「アニメ」と「漫画」業界だけでしょ?
背景にどんな理由があれ
自動車でアレやったら当然「欠陥車」ですし
ソフトウェアなら「仕様漏れ」「バグ」ですし
果物なら「熟していないモノ」ですし、
レストランなら「半生状態」ですし、
洋服なら「縫製漏れ」「染めミス」ですし、
芸術作品なら「未完成品」です。
しかし、あれが作者の意図だというのならそれでいいのです。
「結果よければすべてよし」
意地悪な言い方をすれば
マイクロソフトはたたくけどアニメならよし
っていうダブルスタンダードはいいのか、という事になるわけですね。
事故って
「基本的におきるはずのないもの」「おきないように努力するもの」
ですよねぇ?
でも、この場合って
「実はおきるべくしておきたもの」
ですよね?
少なくとも現場サイドはそう感じているんじゃないかと。
そういう意味では
「制作進行事件」
といったほうがニュアンスとしては近いような気がするなぁ
JR福知山線の事故よりは耐震偽装事件に近い感じ。
or
金がない事にしておいたほうが得するやつがいるから
or
再発防止しないほうが得するやつがいるから
「火事と喧嘩は江戸の華」みたいな。
転じて「止め画と白みは作品の愛嬌」とか。
つーか、みんなでお金掛けた超大作を作るから、中途半端になるのではないかと、
昔みたいに予算のメリハリつけて、A級作品・B級作品に差別化するとか。
ちなみに、本物の放送事故ってのはこういうのでしょうな。
基本的に「放送局」の方が起こすものですな。
滑りまくりのお笑いも放送事故になるでしょう。
(放送中の技術的な問題による中断なども事故ですけどね)
もし、銀行のシステム運用や開発で1つミスって全国ATMを止めてしまったら大事故だよね…。重要度が違うとはいえ、アニメの製作が遅れて1つミスっても差し替えが利くから甘えがあるんじゃないかとは思うんだが。
(きっと、経営側は、DVDで回収するから、それまでにリテイクすりゃいいやっていう考えが横行してるんじゃないかと)
しかし、アニメ業界の人が大変なのはわかるけど、経営的に問題なのか知らないけど工数的に破綻してる?と思われる状態で受注してるのも…そして発注するほうは、それを知ってやっているんかなぁと。
放送局側での事故(音声や映像が途切れる・テロップを間違える・放送回を間違える)は
用語をわければ区別できると思いますが、
許容範囲の作画崩れと事故レベルの作画との境界はあいまいかもしれませんね。
海外ですが、こういうウィットの利いた放送局はいいですね。
http://d.hatena.ne.jp/ceena/20051120
同じ回の話を二週続けて放送された事がある。
当時の新聞にも載った、立派な放送事故。
ところでこの作品、作画監督が上手下手にものすごーく落差のある、
5人程のローテーションで構成されており、
はずれの作画監督の回はうつのみやの比ではなかった記憶が。
今の子達からしたら、放送事故だらけのシリーズに見えるのだろう。
ちなみに当時、上手と言われていた作画監督のうちには、
黄瀬和哉(のちに「イノセンス」作画監督)、
逢坂浩司(現在「獣王星」キャラデザイン。参加作品多数)、
村瀬修功(のちに「ウィッチハンターロビン」監督、現在「エルゴプラクシー」監督)
等。
が含まれる。そりゃ上手いはずだよ…。
>ダンボールが布団代わりなのです。スタジオの床は冷たいのです。
>何日も家に帰れなくて、妙にすえた匂いがするのです。
うちのアニメーターさんたちはきっちり毎日帰ってましたw
もっとも、動画と仕上げは韓国に丸投げでしたので、そちらの方が阿鼻叫喚になってたかも・・・
1週間で1万枚程度の動仕を出してた事もありましたし。
・・・辛いのはアニメーターだけじゃなく、こんな仕事を酷いスケジュールでやらされ、満足のいくものも出来ないのを見る全てのスタッフ。
一番謝らないといけないのはファンに対してですけど。
話は脱線しましたが、作画の良し悪しは合否ラインの引きようが無いので、事故ではなく、単に出来不出来ですよね。
あまりにも酷い場合は納品拒否されるでしょうけれども、現時点では局側は受理してますから、最低ラインは通っちゃってる。
視聴者の目は肥えるばかりですけど、制作側は決して資金とレベルと人員の数が追いついていないのです。
視聴者が週に5本アニメを見ているとすれば、2ヵ月半で50本見る事になりますよね。
制作側はその間、せいぜい3本、会社としても10本超える事はありませんから。
蓄積する経験値が違うのですw
どっちかっていうと、時間的にタイト過ぎるのが原因なんじゃないかと。
第1話から「止め画と白み」で押していくんなら
そんなに文句は出ないんじゃないかと思います。
最終話近辺になって「止め画と白み」が出てくるから
作画が間に合わなかっただとか言われるんじゃないかと。
アレと同じでアニメの場合も、白みで水増しして質を下げるのではなく、
質をそのままで、放送時間を減らしたらどうかな?
尺の短い分はCM二回廻しとかしたりさぁ。