2005/10/21(金) [n年前の日記]
#3 [comic] _信長 - 池上遼一・工藤かずや
1986年10月15日号のビッグコミックオリジナル増刊号より戦国時代の英傑・織田信長を工藤かずや・原作で池上遼一が描き始める。池上遼一にとって初の実在した歴史上人物を扱った長編時代劇となるこの作品は、今までの映像・コミックでは表現できなかった迫力・リアル感をともなって日本史上最大の人気を誇る織田信長の生きざまを描くという、池上遼一ファンは元より織田信長ファンには堪えられない作品に仕上がっている。信長 より
_信長像はこうして創られる!
数々の名作を世に送り出している、工藤かずや・池上遼一の名コンビによって、実在した歴史上人物、しかも日本史上希代の英傑・織田信長を扱う始めての長編時代劇として、昭和61(1986)年10月15日号のビッグコミック・オリジナル増刊号より連載が開始された。こんな作品があったのか。知らなかった。
この作品は、工藤かずやの原作によって、それまでに織田信長を描いたあらゆる文学・映像作品が大いに参考され、それらの見所を巧みに取り込んでいるだけでなく、まったく新たな解釈をもふんだんに盛り込み、これまでにない別世界を豪快に展開することに成功している。
特徴 :おお。どうやら復刊できたらしい。てことは、作品の出来が良ければ後に復刊できる可能性も残されているのか。
池上遼一氏は、作画に際しては写真をもとにしたデッサン、トレース等の作業に加え、独特のデフォルメや大胆な構成、カットを使用した描写を得意としており、本作品に於いても衣装・背景・建造物などの資料を豊富に使い、織豊期という独特の雰囲気を見事に再現して見せている。織田信長を描いたコミックスの中では究極の一作と言えよう。
盗作問題及び雑感 :
城の描写に際し、参考にした資料の関連で問題が発生し、8巻目の出版(発売)が見送られ、それに伴って既存の1〜7巻も回収されることとなる。盗作との訴えを出したのは城郭関係のイラスト(挿し絵)等では名の知れた藤井尚夫氏だと言う。立場や環境は多少違うにせよ、織田信長やその時代をを絵画としてどう描き、それによって信長という人間を一般の人々に考えさせるという、同じ歴史を描写する業界人でありながら、話し合いでの解決が出来ず発刊差し止めという最悪の結果となってしまったことは、今後二度と繰り返されるべきではないと思う。(中略)
追記 :
ここへ工藤かずや(原作)・池上遼一(作画)コンビの名作「信長」を復刊して欲しいという夢を綴り、恋い焦がれてきた復刊がついに成った。それは版権をメディアファクトリーに移し、未刊行の第8巻の問題となった箇所をすべて修正することで可能となったようだ。そして運命の日、平成15年7月23日に発売となった。正式な発行日は2003年7月31日。以降毎月1巻づつ発売となる。話題集中の8巻は来年の1月23日発売予定である。
でも、キャンディキャンディの例もあるからなぁ。作者自身が自分の著作物について公開を望まないとなると、復刊の可能性も無くなってしまう。うーむ。 *1
*1: そういやキャンディキャンディの原作者・作画は、女性だったっけ。何かそのあたりでも男女の違いがあるのだろうか。ってまたそういう方向の話に。
[ ツッコむ ]
以上です。