mieki256's diary



2013/10/06() [n年前の日記]

#3 [unity][cg_tools] ゲーム制作用画像編集ツール ShoeBox が凄かった

_etc:ShoeBoxでビットマップフォントを作る - devlog [naru design] という記事で、 _ShoeBox という、ゲーム制作用に特化した画像編集ツールの存在を知ったのだけど。試用してみたところ、機能は充実してるわ、簡単に使えるわで、感動してしまったり。

とりあえず把握できたところでは、以下の機能がイイ感じ。 他にも色々な機能があるようだけど、ひとまず自分がここ数日気にしていたアレコレが、全て満足できるレベルで実装されていて…。素晴らしい。

それぞれについて、少し解説が必要かも。

スプライトシート/Texture Atlas用画像について。 :

スプライトシート/Texture Atlas用画像の作成には、 _TexturePacker というソフトが使われることが多いのだけど。これは本来有償ソフトなので、無料版として使う場合は制限があるそうで。
  • 画像の詰め込みアルゴリズムは Basic のみ。MaxRects を選ぶと、ウォーターマークが入る。
  • 画像の不要な部分を trim する機能は使えない。使おうとすると、これもウォーターマークが入る。
*1 結果、無駄が多い詰め方になってしまう。

その点 ShoeBox は、無料で使っても trim をしてくれるし、詰め方も賢い。さすがに TexturePacker ほど対応ライブラリは多くないけれど、それでも cocos2D等のメジャーどころは対応してるので、これで充分という場面も多そうだなと。

Bitmap Font画像について。 :

Bitmap Font 画像は、 _BMFont (Bitmap Font Generator) を使って作れるのだけど。このツールは文字をべた書きするだけなので、グラデで塗ったり、Outline(縁)をつけたり、Shadow(影)をつけたりはできなくて。

一応、 _Hiero という、Java製の Bitmap Font画像生成ツールも見つけて、試用してみたのだけど…。
  • グラデ塗り、Outline、Shadow をサポートしてる点はグッド。
  • しかし、各文字のサイズについて自動計算してくれないので、人間様が目視で確認しながら padding を増やしてサイズ確保しないといけない。とても面倒臭い。
  • Outline の描画処理がなんだかバグってるようで、あちこちにゴミドットが入る。
と、ちょっと残念な感じで。

その点 ShoeBox は、「フォント画像の作成作業は Photoshop や GIMP でやってくれ」と完全に割り切っていて。その代わり、「他の画像編集ソフトで作ったフォント画像を、上手に切り出して配置してみせますよ」てなツールになっていて。

考えてみれば、どんな見た目のフォント画像を欲しているかは、制作者や企画によって全く違ってくるなと。だから、そこをこの手のツールがサポートしようとしても、絶対に限界が見えてくる。であれば、そこは Photoshop 等で自由にデザインしてもらって、その後の処理に特化しよう…と考えたあたりが賢いなと。

作業手順としては…。
  1. アイコンをクリック。 → クリップボードに文字列がコピーされる。
  2. Photoshop 等の文字ツールで、文字列を貼り付け。横一列にずらりと並んだフォント群の見た目をデザインして、png画像で保存。
  3. png画像をアイコンにD&D。 → 文字と文字の間の隙間を見つけ出して、切り出して、配置し直して、画像と配置情報ファイルを出力してくれる。
たったこれだけ。

ただ、注意点が。
  • 各文字の間にちゃんと隙間が無いと分割してくれないので、そこは注意。どうせ ShoeBox が切り出してくれるので、たっぷり隙間を入れたほうがヨサゲ。
  • 出力する際にTAB文字 ―― ASCIIコードの9番も含めて出力するので、Unity の Customo Font の Ascii Start Offset には 9 を入れておかないと正常表示できなかったり。

1枚絵からタイル上のマップを作る機能について。 :

一般的な2Dマップ作成ソフトは、タイルを並べてBGマップを作っていくわけですけど。時には、1枚絵を先に描いてしまって、それをタイル状に分割してマップを作る ―― 作業の順番を反対にしたいときがあるわけですよ。

例えばですけど。
  • ガラケーみたいな容量の少ない機器向けのゲームを作ろうとしていたり。
  • スマホのような非力なハード上ではテクスチャ領域をこの範囲に収めないとパフォーマンスが確保できない、てな事情があったり。
そういう状況では、タイルを並べてBGを作る必要が出てきたり。でも、今時の絵描きさんにタイル並べて背景画作ってくれとお願いしても作業に慣れてないだろうから難しいですし。なので、そのへん気にせず描いてもらって、タイル状に分割して圧縮する作業はコンピュータにやらせましょうと。

ただ、PC用ソフトの世界では、そういう機能を持ったツールが全く存在しないのです…。それはまあ、当たり前で。ゲーム専用機は、背景(BG)をタイルの並びで表示するハードウェアだったけど、PCはそうじゃないので、ゲーム制作以外の場ではそんなツールの需要はゼロなわけで。

てなわけで、自分も以前そういうツールを自作しちゃったこともあるんですが…。ようやく見つけた、とうとうこの機能を持ったツールに巡り会えた、てな印象だったりするのでした。

しかも、デモ動画を見た感じでは、Tiled Map Editor に持っていってマップの再編集ができるようで。完璧じゃないですか…。素晴らしい。

ちなみに、昔、某社が社内で作ってたCGツールにも、そういう機能が実装されてました。コンシューマは最初にタイル描いて並べて作っていかないとROMに収まらないけど、アーケードはROMに余裕あるから最初に背景画をグイグイ描いちゃってツールでタイルに分割し直すんだ、と絵描きさんが言ってた記憶があります。

*1: 詰め方は2種類のアルゴリズムから選択できるけど、Basic は Next-Fit法で、MaxRects はBLF法に近い処理じゃないかと想像。

この記事へのツッコミ

Re: ゲーム制作用画像編集ツール ShoeBox が凄かった by 名無しさん    2014/06/04 22:32
こんにちは。
このツールにはスプライトシートとフレームシートの2種類がありますが、両者の違いはなんでしょうか?
あと、フレームシートはデフォルトだとたて並びになりますが、カラムのようにしたいのですが、どこから設定できるのでしょうか(´・ω・`)
Re: ゲーム制作用画像編集ツール ShoeBox が凄かった by mieki256    2014/06/05 11:53
> スプライトシートとフレームシートの2種類がありますが、
> 両者の違いはなんでしょうか?

おそらくですが、
スプライトシート : 各画像の透明部分をできるだけ削って、一枚の画像にミッチリと隙間無く詰めたもの。
フレームシート : フレーム全体をそのまま、フレーム数分、ずらずらと並べたもの。
じゃないかと思います。

> フレームシートはデフォルトだとたて並びになりますが、
> カラムのようにしたいのですが、どこから設定できるのでしょうか

画像をD&Dして開いたウインドウの、右下の「Settings」ボタンを押して、
width(横幅)を大きい値にすればいいのではないかと思います。
(アイコンを事前に右クリックすることでも、setting ダイアログが出てきます)

以上です。

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