mieki256's diary



2007/11/05(月) [n年前の日記]

#3 [tv] 人形劇三国志の一話を途中から見た

深夜、NHKアーカイブスで流れてた。

色々と感心。
奥行を意識した映像。
舞台セットが広めに作ってあるのか、奥行を意識した映像になってたような。実写よろしく、カメラのフォーカスで画面手前・奥の人形に対して視線を誘導したり。奥から歩いてくる・奥に去っていくような人物の動きをつけたり等。人形劇は基本的に平面的な移動、てな自分の思い込みを打ち壊された。素晴らしい。
作品世界の説明に気を配っていた。
新しい登場人物が出てくるたびにテロップを出すのはもちろんのこと、ここは抑えるべき、てな場面になると、筆で文章を書いた解説カットが挿入される。筆で書かれてるあたりが、雰囲気を醸し出していてグー。しかも、説明カットのその前を、人形が走ってたりして。異種の情報を並列して提示・ある種複数レイヤーを用いた画面作りに驚いた。結構昔の作品なのに、なんと斬新な。また、若かりし頃の島田紳助+松本竜助が素顔で登場して、時代背景・情勢について解説するシーンもあり。「説明」に関して試行錯誤してるなと。
特に後者は、最近、「彩雲国物語」アニメ版のあまりの気配りのなさに呆れていたので、実に感心してしまったり。 *1 視聴者が作品を楽しむ上で必要となる知識 ―― 当時の状況や、地名・地形の説明、その作品世界独自の用語等をどのように伝達するのかという点が、娯楽コンテンツ制作時においてはクリアすべき問題として出てくるのだろうけど。そういった部分は、娯楽コンテンツにおいて、いわば足腰に相当するのかなと自分などは思っていて。そこらへんを、人形劇三国志はちゃんとやってた・やろうとしていたのだなと。「原作があるんだからそっち読めばいいだろ」的にそれら作業を放棄するのではなく、何か良い手はないだろうかと模索していた当時のスタッフの姿勢・意識の高さに、なんだか感銘を受けてしまったり。 *2

放送終了後の解説によると、本物の水を使ったり等、TV放映用の人形劇としては初の試みを色々やっていた、との話で。いやはや、気合入ってたんだなぁ…。 *3
*1: いや、彩雲国物語アニメ版は、少なくとも脚本レベルではアレコレやってるんだけど…。たとえば、登場人物が、自分の企みなどを延々と独り言で喋ってたり。「お前、誰に話してんだよ!」的ツッコミを入れたくなるけれど、もちろん視聴者に対して説明してるわけで。そのように、脚本レベルでは、それなりに説明しようという意思が見える。<方法がベストかどうかはまた別の話だけど。しかし、コンテ担当が「説明」に関してはほとんど意識を払ってないのか、あるいは監督の方針が悪いのか、テロップは出さないわ、漢字で提示する必要がある独自用語・人名を音声のみで平気で流すわ、地図はめったに出さないわ…。原作未読の人間がおいてけぼりになってしまう・必然的に理解不能に陥る場面があり過ぎるという…。いや、模索はしてるけど未だ力及ばず、なのかしら。どうもよくわからん…。
*2: や。意識の高い作り手なら「そんなの当たり前のことだろ」と思うんだろうけど。当り前ではない作品も見かけちゃったので…。
*3: もちろん、近年の人形劇番組も、ビデオ合成の多用、3DCGの活用等、新技術を導入して新しい表現を模索してたりするわけで。今も気合入ってる、と思うです。

以上です。

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