mieki256's diary



2007/03/20(火) [n年前の日記]

#3 [anime] 円谷プロ作品って命の扱いがアバウトな気がしてきた

考えてみたら、「私は命を2つ持ってきた」という台詞からして凄い。TVゲームも無かった時代に、命を、乾電池か何かのように、代わりが存在する『モノ』として扱ってしまうその感覚。…まあ、個人的に、そういう豪快さは嫌いではないのですが。

円谷英二が軍関係のフィルム制作に関わっていたあたりも関係していたりするのだろうか。軍にとっては、兵は駒。兵の命が失われたら、どこぞからまた持ってくればいい。代わりはいくらでもある。 *1 そんな感覚の人達と接することもあったのであろうから、そういう感覚が知らず知らずのうちに染み付いてもおかしくない。そしてその感覚は弟子達にも受け継がれてしまい、最終的には「心臓さえ残っていれば自爆しても復活可能」とか「怪獣に食べられた人達も全員生き返る」てな話作りに。とか。

考えすぎっつーか無理あり過ぎ。

_名言集 :

「ウルトラマン、目を開け。私はM78星雲の宇宙警備隊隊員ゾフィー。さあ、私と一緒に光の国に帰ろう、ウルトラマン。」
「ゾフィー、私の体は私だけのものではない。私が帰ったら一人の地球人が死んでしまうのだ。」
「ウルトラマン、お前はもう充分に地球の為に尽くしたのだ。地球人も許してくれるだろう。」
「ハヤタは立派な青年だ、犠牲には出来ない。地球には私が残る。」
「地球の平和は人間の手で掴み取る事に価値があるのだ。ウルトラマン、いつまでも地球に居てはいかん!」
「ゾフィー、それならば私の命をハヤタにあげて地球を去りたい。」
「お前は死んでもいいのか?」
「構わない、私はもう2万年も生きたのだ。地球人の命は非常に短い。それにハヤタはまだ若い。彼を犠牲にはできない。」
「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったか。よし、私は命を2つ持ってきた。 その一つをハヤタにやろう」
「ありがとう、ゾフィー」

名言集 より

途中までは結構命を大事にしてるかのようなやり取りなんだけど、最後の最後で信じられない展開になってるような気がするのは私だけでしょうか。

ふと思ったけど。「光の国」って呼び方は、なんだかあの世っぽいような気もしてきた。異界。異界の力。異界の扉。…あやかしあやし? いや、鋼の錬金術師?

ウルトラマンって結構ヒドイ扱いを受けてるような気もしてきた。 :

昔、富野監督が、イデオンというアニメを作ったのですが。ジェノサイドアニメと称されるほどアレな作品で、とにかくキャラが次々と殺されますが、その都度、そのキャラの恋人や友人などが悲しみのあまり泣き叫ぶのであります。富野監督自身はキャラの命をモノ・駒として扱ってるわけですが、映像中に、周囲のキャラが泣き叫ぶ姿を挿入することで、「人の命って、モノじゃないんだよね」と、視聴者に対して最低限記号としては伝えているわけで。<あくまで記号だろうけど。

で。ウルトラマンですが。ウルトラマンが命を失ったとき、周囲で泣き叫んでるキャラって居たかなと。例えば、科特隊員が、「なんでだよ…なんでだよ! ウルトラマン! こんな結末、俺は認めない!」と叫びながら号泣したりとか。…そんな画、あったかなぁ。記憶がない。 *2 ペットが死んだら、飼い主は泣いたりもするわけですが。それを考えると、ウルトラマンは下手するとペット以下の扱いなんだろうかと。<んなアホな。…劇中において、ウルトラマンは人類にとって一体どんな存在なんだろう。たぶん、人類の上のほうに位置する存在、上司とか社長とか総理大臣とか政府とか神とか、そのへんなのかなという気もするわけですが。

その点、メビウスは上手いなと。科特隊員に正体が知られてる ―― 科特隊員の一人が変身してることを皆知ってるから、ウルトラマン=仲間。…でも、昔のウルトラマンに見られた上下関係ではなく、水平・フラットな関係に変化してると言えるような気もしたり。…昨今、日本において、敬語の使われ方が変化してきたのは、上下の人間関係が重視されるのではなく、人間関係が水平な場面が多くなってきて、かつ、各人の心理的距離のほうを重視するようになったから、てな説があるけれど。そういった時代性がウルトラマンにも反映されてるのかしら、とも。

*1: 実は各個人に各種ノウハウが蓄積されていき、それが戦績に関わってくるので、即座に代替可能ではないのだけど。そこがちっとも判ってなかった旧日本軍と、多少なりとも判っていたアメリカ軍。そりゃ日本負けるわ。物量がダメなら質で勝負しなきゃいけないのに何をやってるのかってこのへんは別の話だからアレだけど。
*2: 一応似たようなシーンはちょこちょこ脳裏に浮かぶんだけど、別に泣くほどではなかったような…。

以上です。

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