2005/06/23(木) [n年前の日記]
#1 [movie] 『雲のむこう、約束の場所』を見た
『ほしのこえ』を作った、新海誠監督の最新作。という紹介でいいのかしら。
妹がレンタルビデオ屋で見かけて借りてきたとかで。…もうレンタルが始まってたのか。知らなかった。さておき、お相伴(?)にあずからせてもらったり。
ため息しか出てこない。美しい。全てが美しい。なんという美しさか。
話の内容、設定、そしておそらくはターゲットとして想定してるであろう層を考えると、 *1 とても万人にオススメできる作品ではないだろうとは思う。現に妹は、「どうも今一つ…」と首を傾げてたし。人によっては、怒り出してしまいそうでもある。…でも、自分は、こういう作品・映像がめっちゃ好みで。コレはいい。この作品は、素晴らしい。
妹がレンタルビデオ屋で見かけて借りてきたとかで。…もうレンタルが始まってたのか。知らなかった。さておき、お相伴(?)にあずからせてもらったり。
ため息しか出てこない。美しい。全てが美しい。なんという美しさか。
話の内容、設定、そしておそらくはターゲットとして想定してるであろう層を考えると、 *1 とても万人にオススメできる作品ではないだろうとは思う。現に妹は、「どうも今一つ…」と首を傾げてたし。人によっては、怒り出してしまいそうでもある。…でも、自分は、こういう作品・映像がめっちゃ好みで。コレはいい。この作品は、素晴らしい。
◎ 結構スタッフが多いのだな :
てっきり、キャラ作画の人が増えたぐらいかと思い込んでたけど。スタッフロールの動画・彩色等に、アニメ制作スタジオの名前が見えて少し驚いた。が、これだけの内容を作るとしたら、やはり最低限でもこのぐらいの人数は必要になるよなとも思ったり。というか。これを2,3人で作られた日には、大変なことになってしまう…。
◎ 細部の描写がとにかくスゴイ :
傘から滴り落ちる水が点字ブロックの上に広がっていく描写とか。線路の上でかすかに反射する電車のライトとか。車内の中を走る外光の点とか。どうしてそこまで執拗に描くのかと不安になるぐらいに凝りまくり。現実の風景を、絵で描き直すことで、自分達が普段はまったく気にも留めていなかった、現実の風景の中に存在する美しさを認識させてくれる、そんな映像がラストまで続く。…なんだか、高畑監督作品を連想してしまった。無謀だ。無謀だけど、この監督・スタッフはやり遂げてしまった。もちろん、いかにして作業量を減らすか、計算しながら組み立てていったはずだけど。にしても、よくぞここまで。恐ろしい。
◎ 以下、ネタバレ :
展開とか構成とか見せ方とか。ちょっと気になる点もいくつか。
構成は 『オネアミスの翼』に似ているなと思ったり。 ためてためて、ラスト近くで盛り上げる構成というか。それ自体は正解(?)だろうと思ったり。が、しかし、冒頭と中盤に、 多少は派手目な映像を配置して、観客を引き込む・飽きさせない工夫が必要な感じもした。というか、それは 『オネアミス』ですら意識してやってたことなのだけど。…それができなければ、もっと時間を短くするか。何にせよ、30分未満の作品ならいざしらず、この長さでその手の工夫をしていないのは、ちょっとよろしくない気もする。
フェードアウトで場面転換する箇所が多く、そこは少し気になった。これは妹の言なのだけど、フェードアウトをすることで、観客の、映像に対する没入が強制的に遮断されてしまうと。もっとも、おそらく何かしら意図があってフェードアウトを多用してるのだろうとは思うけど。そのまま次の映像を流しても話は判るだろうと思える箇所がほとんどだったし、フェードアウトを無くすことで尺も短くなる=観客を飽きさせずに済む場面が多少は増える可能性もあるだろうと。…まあ、個人的には、場面転換時、次のシーンの台詞を被せるとか、時間軸が錯綜するとか、少しぐらい観客を混乱させるほうが好みだったりもするのだけど。そもそも冒頭でそういうことをしているのだから、そういう手法を織り交ぜることに問題はないだろうと思えるし。
楽器の使い方には不満が残った。というかコレもまた妹の言で…せっかく楽器を登場させたのに、それが ヒロインの目覚めと関係してこない点は惜しいと。要するに、 『飛行機』で目覚めるのと、『楽器』で目覚めるのと、どちらがイメージとして良さそうかという話で。や、『楽器』は美味しいですよ。何が美味しいかというと、女性ウケするのです。例えば、『耳をすませば』のバイオリン少年を思い出せば判る。アレが、サッカー少年とか、鉄オタ少年だった場合を想像してみれば…ねぇ? 印象が全然違うでしょ? 何? 違いが判らない? …この違いが判らないと少女漫画は読めませんぜ。<嘘つけ。
ラストは今一つ。せっかく 冒頭で時間軸を入れ替えていたのだから、また冒頭に繋げるようなシーンが欲しかった気もしたり。で。できれば、二人の関係がダメになったことを匂わせつつ。しかし、以前とは違う形で、なんだかそれなりに上手くいきそうな予感のあるカットを…みたいな。ハッキリ見せるのではなくて、あくまで予感だけ、みたいな。…と言っても、どうもこの監督さんは、『ほしのこえ』もそうだったけど、 破局を迎えるカップルじゃなきゃ我慢できないみたいだから、 ハッピーエンドを望むのはお門違いなんだろうけど。
もんたメソッド、大活躍だな…。ちなみに、この日記ページのもんたメソッドは、クリックすると該当部分を外せます。…CSSをOFFにしてたら全部丸見えだけど。
構成は 『オネアミスの翼』に似ているなと思ったり。 ためてためて、ラスト近くで盛り上げる構成というか。それ自体は正解(?)だろうと思ったり。が、しかし、冒頭と中盤に、 多少は派手目な映像を配置して、観客を引き込む・飽きさせない工夫が必要な感じもした。というか、それは 『オネアミス』ですら意識してやってたことなのだけど。…それができなければ、もっと時間を短くするか。何にせよ、30分未満の作品ならいざしらず、この長さでその手の工夫をしていないのは、ちょっとよろしくない気もする。
フェードアウトで場面転換する箇所が多く、そこは少し気になった。これは妹の言なのだけど、フェードアウトをすることで、観客の、映像に対する没入が強制的に遮断されてしまうと。もっとも、おそらく何かしら意図があってフェードアウトを多用してるのだろうとは思うけど。そのまま次の映像を流しても話は判るだろうと思える箇所がほとんどだったし、フェードアウトを無くすことで尺も短くなる=観客を飽きさせずに済む場面が多少は増える可能性もあるだろうと。…まあ、個人的には、場面転換時、次のシーンの台詞を被せるとか、時間軸が錯綜するとか、少しぐらい観客を混乱させるほうが好みだったりもするのだけど。そもそも冒頭でそういうことをしているのだから、そういう手法を織り交ぜることに問題はないだろうと思えるし。
楽器の使い方には不満が残った。というかコレもまた妹の言で…せっかく楽器を登場させたのに、それが ヒロインの目覚めと関係してこない点は惜しいと。要するに、 『飛行機』で目覚めるのと、『楽器』で目覚めるのと、どちらがイメージとして良さそうかという話で。や、『楽器』は美味しいですよ。何が美味しいかというと、女性ウケするのです。例えば、『耳をすませば』のバイオリン少年を思い出せば判る。アレが、サッカー少年とか、鉄オタ少年だった場合を想像してみれば…ねぇ? 印象が全然違うでしょ? 何? 違いが判らない? …この違いが判らないと少女漫画は読めませんぜ。<嘘つけ。
ラストは今一つ。せっかく 冒頭で時間軸を入れ替えていたのだから、また冒頭に繋げるようなシーンが欲しかった気もしたり。で。できれば、二人の関係がダメになったことを匂わせつつ。しかし、以前とは違う形で、なんだかそれなりに上手くいきそうな予感のあるカットを…みたいな。ハッキリ見せるのではなくて、あくまで予感だけ、みたいな。…と言っても、どうもこの監督さんは、『ほしのこえ』もそうだったけど、 破局を迎えるカップルじゃなきゃ我慢できないみたいだから、 ハッピーエンドを望むのはお門違いなんだろうけど。
もんたメソッド、大活躍だな…。ちなみに、この日記ページのもんたメソッドは、クリックすると該当部分を外せます。…CSSをOFFにしてたら全部丸見えだけど。
*1: ヒロインの着替えのシーンで、「これはあきらかに男性向けしか意識してないな…」と思ったり。あういうシーンで「きゅん」としてしまうのは男性だけだろう…。
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以上です。