mieki256's diary



2005/06/09(木) [n年前の日記]

#6 [anime][neta][ore_xxxxx] 若い女性博士は飽きた

『デカレンジャー』しかり、『平成ライダーシリーズ』しかり、『鋼の錬金術師』しかり、『ダイガード』しかり、『ガンダム0083』しかり、『EVA』しかり。娯楽映像作品において、「博士(or メカニック担当) = 若い女性」てな設定ばかりな昨今。それら設定は個人的に嫌いじゃないというか、むしろ大好きだけど。さすがに、ちょっと飽きてきた。ということでココは一つ奇をてらって「博士 = お爺さん」という画期的な設定はどうか。

…アレ?

「博士 = ○○○」 :

昔の漫画・アニメ・特撮では、「博士 = お爺さん(or お父さん)」がデフォルトだったけど。年長者 → 知識量が豊富 → 博士になれる → 巨大ロボットもスーパーコンピューターも作ってしまう、という流れだったのだろうなと。捻りも何もないけれど、世間の「お爺さん」に対する印象からすると自然な流れだったのかな。

対して、「博士 = 若い女性」という設定。これはもしかすると、逆の効果を狙ってるのかもしれないと。根拠の無い勝手な想像だけど、おそらく世間には、「女性はメカに弱い」という印象がはびこっていて、それを逆手にとってみせた設定なのかもしれないと。メカに弱い人達が大半の中で、メカに強い人が居ると、これは目立つわけで。…まあ実際は、そのへん関係なく、「お爺ちゃんより若い女性のほうが絵的にええやろ」という話なだけかもしれないし、女性の社会進出が当たり前になったことでそれら設定が使えるようになったのかもしれないけど。…まさか、世間における「お爺さん」の信用が昨今ますます無くなってきたという状況があったりするのかも…ってその可能性はあまり考えたくないけど。

何にせよ、世間が持ってる、女性 or お爺さんに対するイメージがあるからこその、それら設定なのかもしれないと。そんな気もちょっとだけしているわけですが。まあ、設定するにあたって、「当たり前になったから、自然と設定した」「違和感があるから、わざと設定した」の2つがありそうだなと。

てなことを考えていて思い出したライダーヒビキの設定 :

ライダーヒビキはそのあたりの設定だけみてもかなり特殊かもしれないなと。男性と女性のメカに対する強さが、世間の、女性に対するイメージとは完全に逆転してる。例えば、ヒビキおじさんの周りの女性の設定を列挙してみると…
  • ヒビキおじさんのアッシーとして車というメカをかっとばすお姉さん。
  • PCで集計・統計だのをとって敵の出現を予測してしまうお姉さん。
  • 新玩具、じゃなかった、強力な新兵器を次々と開発してしまうお姉さん。
  • ついでに、タクシー運転手として、日々、車というメカを走らせてる少年のお母さん。
等々。女性陣は皆、メカの扱いに強い。

対して、ヒビキおじさんは、「なんか知らんが触ってるうちに破壊してしまうぐらい、とにかくメカの扱いに弱ヨワなおじさん」。つまり現実世界のソレとは逆転してるわけで。ヒビキおじさんに残ってるのは、もはや「鍛える」ことだけ。しかもその「鍛える」ことすら怪しくなりつつある。イブキくんの弟子の女子高生が『鬼』になれるかもという状況なわけだから、ヒビキおじさんが、というよりあの番組の中に登場する男性たちが、女性陣に対して唯一優位性を持てたかもしれない部分も、やがて女性が見事に進出を成し遂げ、制覇することがほぼ確定してる。

と、そういうことを考えたときに、自分があの番組を面白いと思う理由の一つがなんとなくわかったような気にもなったのでした。そのへん徹底して、「男性と等しく能力を発揮できる女性」「男性と女性の間に能力差があることを肯定しない光景」を描いてるから、なのかもしれないなと。 *1

で。そういう作品を見て育った子供達は、もしかすると女性に対する印象の持ち方が、おじさん達とは違ってくるのかもしれないなと、なんとなく。いや、既に違ってきた世代が作り手になったからこそ、ライダーヒビキのような設定がポンポン出てくるのかも、などと妄想してみたけどそのへんは考えがまとまらず。 *2

などと書いてみたけど、そもそも :

「女性がメカに弱い」という印象こそがそもそも正しくないのだけど。今時PC操作ができない若い女性は居ないわけだし、車の運転ができない若い女性も居ないだろうし。

ただ、設計だの、技術開発だの、そういう世界では妙に女性の数が少ないみたいで…。何故だろう。例えば、 _世界初のプログラマーは女性だった のだから、そういう能力はちゃんとあるはずだと思うのだけど。女性が活躍できる場所に関して、根拠の無い制限を設けてしまう世代・風潮が、社会に根強く存在しているということだろうか。

さておき、博士の設定について :

博士=女性、の設定を更に発展させたらどうなるかな、とバカ妄想を。「あきらかに、こいつはメカの設計・修理ができないだろう」と思われるソレを博士にしてしまう方向で。

子供 or 赤ん坊が博士とか。…ランドセル背負った少女が「宿題やらなきゃ」とか言いつつ、基地の研究室で算数のドリルをパパッと片付けた後、CADで巨大メカの設計図を <なんじゃそりゃ。ていうかソレは、「見た目は子供、頭脳は大人」の『名探偵コナン』路線というか、子供達が巨大な敵対勢力と堂々渡り合ってしまう『ドラえもん』劇場版路線な感じもする…。

「人ではないもの」を持ってくるのもアレかも。犬とか、猫とか、猿とか、鳥とか。…猿はちょっとやだな。研究室でバナナ食べてそうだから。<なんですか、その貧困なイメージは…。

てなバカ妄想をしていたところで思い出したり。『メタルダー』のメカニック担当って、犬だった…。特撮作品の中には、先進的(?)なものがあったのだな。

猿も居たっけ。『猿の惑星』とかあったし。猿の博士が登場してた。しかも優秀。

鳥は…。フクロウが博士になってるのは結構見かける気もする。賢いと思われてるみたいだし。すると、その逆を狙えば…。モズ博士とか。ニワトリ博士とか。うむ。頼りにならん感じがイイ感じ。「いかん! すっかり忘れておった!」とか頻繁に言ってくれそう。…あ。ニワトリ博士は既に居た。チキン・ジョージ博士だ。なるほど。さすが楳図先生。とっくの昔に、はるか先に進んでる…。

ただ…。『猿の惑星』にしろ、チキン・ジョージ博士が登場した『14歳』にしろ、読者・観客に不安を感じさせることが目的の作品内容。故に、猿博士もニワトリ博士も、どこか作品にマッチしてた気もする。対して『メタルダー』は…どうなんだろ? おそらくターゲットとしていた視聴者層は子供だろうけど。子供にとって、犬は頼りになる存在だろうか。どんな気持ちで、「博士=犬」な光景を、子供達は見ていたんだろう。

ということでこのへん先に進めていくと、作品内容によっては逆効果なのかもとなんとなく思ったりもして。博士の設定一つとっても、「頼りになる」「頼りにならない」の境界があるというか、「信頼できそうか否か」を考慮して設定する必要があったりするのかもと。そんなことをぼんやりと。

_『漫画博士読本』レビュー :

「博士 = 女性」について考察してる記事がどこかにないものかと検索してみたら、このレビューが。こんな本があったのか。気になる。

それにしても、昔の漫画・アニメ作品には、歳をとった男性しか博士として登場していないのだな…。つまり、21世紀は「女性博士」の時代。だったりして。ていうか。アニメ・漫画・特撮に限らず、ドラマ云々でも、博士ではないけれど、女性が上司云々なんて設定はよくあるわけで。女性の社会進出と共に娯楽映像作品内における女性の役職も変わってきた、という話でしかないのかもしれないなぁ。

*1: ちょっとこじつけっぽいなぁ…。だって、他作品でもそれはよく見られる光景だろうし。戦隊モノだって、ある意味そうだし。古くは『キューティーハニー』あたりからそうなってるわけだし。
*2: なんとなくこのへん、『ナウシカ』等の、えてして少女や女性が大活躍する宮崎アニメの影響もあったりするかも。と思ったりもしたけどあんまり関係ないかも。

以上です。

過去ログ表示

Prev - 2005/06 - Next
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

カテゴリで表示

検索機能は Namazu for hns で提供されています。(詳細指定/ヘルプ


注意: 現在使用の日記自動生成システムは Version 2.19.6 です。
公開されている日記自動生成システムは Version 2.19.5 です。

Powered by hns-2.19.6, HyperNikkiSystem Project