2006/04/09(日) [n年前の日記]
#3 [comic] 親父さんとお袋さんに「夕凪の街桜の国」を読んでもらった
妹に読ませてみたら「これはいい」という感想が聞けた。…ふと、「親父さん・お袋さんなら、どんな感想を持つだろうか」と興味が沸いてきた。ということで、内容に関する事前情報は極力伝えないように意識しつつ、「とにかく読んでみて」「感想が聞きたい」と頼んでみたり。
個人的には、「比較的、万人向けの作品だろう」「親父さん・お袋さんからも高評価が聞けるのではないか」と思ってたのだけど。まったく予想外の感想が出てきた。親父さんは、「言いたいことは判るが…ストーリーがない。つまらん」と言い。お袋さんは、「グッとくるものがなかった」と言い。…あらら。
お袋さん曰く。「知人に被爆者の方が居るし、若い頃に熱心な赤旗読者だったから、散々原爆被害の話は読んだ」「こういう話を目にしても、今更な感じ」「でも、若い人向けの作品としてはいいんじゃないか」との話。
考えてみれば。「夕凪の街」に出てくる各種描写、たとえば、雑草・草履・河原等、細かい部分に関して、自分や妹の世代はある種の異常性を感じつつ ―― つまりは刺激を受けつつ読んでいると思うのだけど。高度経済成長期を過ごしてきた親父さん・お袋さんの世代にとっては、それらは「どこにでもある風景」、つまりはたいして刺激のないものであったのかもしれないと。また、「もうすぐお迎えがくる」云々を笑いながら口にしたり、同世代の友人知人が少しずつ鬼籍に入ってる年齢でもあるわけで、死に対する距離感・受け止め方が、大きく異なっているのかもしれないとも。もちろん、お袋さんの言うように、既に似たような話を目にしている場合、印象が異なるのは当たり前でもあろうし。
何にせよ。「老若男女を問わず、万人に薦められる作品」と捉えていた自分だけど、その予想は完全に外れていたのだなと。おそらくは、特定の年齢層の読者しか評価しない作品なのかもしれないと。…ていうか、漫画・小説の類は、作者より下の年齢層にはウケたとしても、作者より上の年齢層にはえてしてほとんどウケないわけで。まあ、自然な展開なのかも。
個人的には、「比較的、万人向けの作品だろう」「親父さん・お袋さんからも高評価が聞けるのではないか」と思ってたのだけど。まったく予想外の感想が出てきた。親父さんは、「言いたいことは判るが…ストーリーがない。つまらん」と言い。お袋さんは、「グッとくるものがなかった」と言い。…あらら。
お袋さん曰く。「知人に被爆者の方が居るし、若い頃に熱心な赤旗読者だったから、散々原爆被害の話は読んだ」「こういう話を目にしても、今更な感じ」「でも、若い人向けの作品としてはいいんじゃないか」との話。
考えてみれば。「夕凪の街」に出てくる各種描写、たとえば、雑草・草履・河原等、細かい部分に関して、自分や妹の世代はある種の異常性を感じつつ ―― つまりは刺激を受けつつ読んでいると思うのだけど。高度経済成長期を過ごしてきた親父さん・お袋さんの世代にとっては、それらは「どこにでもある風景」、つまりはたいして刺激のないものであったのかもしれないと。また、「もうすぐお迎えがくる」云々を笑いながら口にしたり、同世代の友人知人が少しずつ鬼籍に入ってる年齢でもあるわけで、死に対する距離感・受け止め方が、大きく異なっているのかもしれないとも。もちろん、お袋さんの言うように、既に似たような話を目にしている場合、印象が異なるのは当たり前でもあろうし。
何にせよ。「老若男女を問わず、万人に薦められる作品」と捉えていた自分だけど、その予想は完全に外れていたのだなと。おそらくは、特定の年齢層の読者しか評価しない作品なのかもしれないと。…ていうか、漫画・小説の類は、作者より下の年齢層にはウケたとしても、作者より上の年齢層にはえてしてほとんどウケないわけで。まあ、自然な展開なのかも。
◎ 年配の人が漫画を読むときは文字の大きさがネックになるみたい。 :
件の作品をお袋さんに薦めたときに、「文字が小さくて読みづらい」という苦情(?)が出た。一般的な漫画単行本より一回り大きいA5?判ではあるんだけど。それでも小さいのか。うーむ。
仮に、年配の人にも読んでもらえるような書籍を出そうとした場合は、たとえそれが漫画であっても、サイズが大きいほうがいいのかもしれないなと思ったり。紙質を落としてでも、B5やA4にするとか、そういう試みが必要なのかもしれない。
でもまあ、そもそも年配の人は漫画をほとんど読まないから、そういう試みも無駄かしら。…でも、そのへんに市場が隠れている可能性を考えると、本当に斬って捨ててしまっていいのだろうかという気も。どうなんだろうなぁ。
仮に、年配の人にも読んでもらえるような書籍を出そうとした場合は、たとえそれが漫画であっても、サイズが大きいほうがいいのかもしれないなと思ったり。紙質を落としてでも、B5やA4にするとか、そういう試みが必要なのかもしれない。
でもまあ、そもそも年配の人は漫画をほとんど読まないから、そういう試みも無駄かしら。…でも、そのへんに市場が隠れている可能性を考えると、本当に斬って捨ててしまっていいのだろうかという気も。どうなんだろうなぁ。
この記事へのツッコミ
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以上です。
ストーリーも半分の長さでいいかも。
お年寄りは長時間目を使えませんし。
テレビも新聞もみんなちょっとずつ。
お年寄りが漫画を本格的に読むようになるのは、
私の年代が現役を引退するころかなぁ。
今のお年寄りはまだまだマンガ=悪と親世代にしつけられているだろうし。
私より1つ下の世代はやっぱりゲーム機。
2つ下になると携帯電話だったりして。
私の母親は普段から漫画好きで夜遅くまで読んでたり
とか普通にしてますから「漫画」というメディアに
対してスンナリ入っていけるからかな?
先入観というか、原爆漫画は悲しくてグロくて反戦主張
じゃないとダメみたいな考えが先に立つと漫画としての
面白さを肌で感じる触角が出ないのかも。
もしかすると、そのうちお年寄り向けに特化した漫画表現が
生まれてきたりして。
目をあまり酷使しない表現…と、書いてはみたもののちと想像できませんが。
> 私の年代が現役を引退するころ
うーむ。自分の親も、「タッチ」「巨人の星」なんかは読んでたりするので、
「読めるかどうか」で言えば「読める」とは思うのでありますが、
(祖父・祖母世代は無理だけど)
ただ、本格的、というか商売になりえるほどの読者層になるかと考えると、
ちと判らなくなってきますな…。
なるほど。必ずしも年配の方だからといって
ウケないというわけではないようで…。
> 原爆漫画は悲しくてグロくて反戦主張じゃないとダメ
そのあたりを強調してない・極力入れてないのが件の作品の特性だから、
たしかにそういう直球を期待されるとアレですな…。