mieki256's diary



2007/07/07() [n年前の日記]

#1 [tv][movie] シックスセンスを鑑賞

TVをつけたら流れてたので見てみたり。とても面白かった。以下ネタバレあり。

観客の心理を誘導するその手管に感心。例えば、 少年の考えてることを主人公があててみせる、というシーン。最初は主人公が どんどん正解していくわけだけど、そのことによって観客側は、理想的な二人の状態 ―― そのシーンにおけるハッピーエンド的な光景、 少年の信頼を勝ち得た主人公という光景を予測・イメージする。ところが実際は、その後どんどん 失敗してしまうわけで。一旦、観客側に夢を見させておいて、しかしそれを 裏切る結果を提示することにより、主人公が感じた 失望感、前途多難さを観客にも追体験させることに成功してるように思う。また、このシーンは、人物の 心理的な距離を、実際に目に見える 物理的な距離として観客に伝達しているわけで、そのアイデアにも感心したり。

似たような部分は、中盤の ビデオ映像鑑賞シーンにも言える。最初、 人形劇を観客に見せることで、観客の中に「この ビデオはこういうことを父親に伝えようとしてるのだな」と予測をさせる。しかし、その直後、 娘が本当に伝えたかったことを見せることで、 予想外の事実を知ってしまった父親と同じ心情を、観客に感じさせることに成功している。

そういった見せ方は各所で一貫しているなと思ったけれど、その手管を示唆するのであろう、 コインが消える手品のシーンを本編中に入れてるあたりも、なんだか作りが秀逸だなと。 手品のシーンは、少年の、「見ようと思うものしか見ない」という台詞にも繋がってるのだろうし、主人公側のオチの伏線にもなっているわけで。

そんな感じで、映画というメディアを使っていながら、質の高い手品を見せられているような、いや、手品と映画の共通点を披露されたような、そんな印象を受けた。とにかく感心。観客に、見せたいソレを、ただ漫然と見せているだけではダメなのだな。…いや、ダメってことでもないだろうけど。こういうやり方もあるんだな、みたいな。

それはともかく、少年の設定だけを使ってドラマシリーズとか作れそうな。…と思ったが、ソレって「百鬼夜行抄」か。

以上、1 日分です。

過去ログ表示

Prev - 2007/07 - Next
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

カテゴリで表示

検索機能は Namazu for hns で提供されています。(詳細指定/ヘルプ


注意: 現在使用の日記自動生成システムは Version 2.19.6 です。
公開されている日記自動生成システムは Version 2.19.5 です。

Powered by hns-2.19.6, HyperNikkiSystem Project