2022/05/20(金) [n年前の日記]
#1 [gimp][linux][ubuntu] Linux版GIMPはPython-Fuが使えなくなってた
最近の Linux版GIMP は Python-Fu (Gimp-Python) が使えない状態になっていたらしい。恥ずかしながら今頃になってようやく知った。
正確には、Debian Linux 11 bullseye や Ubuntu Linux 20.04 LTS の公式リポジトリからインストールできる GIMP 2.10 は、Python-Fu (Gimp-Python)が利用できない状態で何年も放置されている模様。
理由としては、Pythonが絡んでいるっぽい。Debian も Ubuntu も、Python 2.x から 3.x への移行を進めているので、Python 2.x を利用するパッケージを切り捨てる方向で動いているそうで。そして、GIMP の Python-Fu (Gimp-Python) は Python 2.x に依存しているので、関連パッケージも公式リポジトリからあっさり削除されてしまったのだとか。
昔は gimp-python というパッケージが存在していて、sudo apt install gimp-python をするだけで使えるようになったらしいけど…。今は、そんなパッケージは存在しない。Debian 11、Ubuntu 20.04、どちらも見つからなかった。
回避策は無いのかとググってみたら、flatpak (flathub) 版GIMPなら Python-Fu もサポートしているので、「Python-Fu が使いたければ公式リポジトリ版ではなく flatpak版を使いましょう」ということになっているっぽい。
そんなわけで試してみた。環境は、Ubuntu Linux 20.04 LTS 64bit。Xubuntu関連パッケージをインストールして、デスクトップ環境は Xfce4 で利用している。ちなみに CPU は AMD A8-3850。
正確には、Debian Linux 11 bullseye や Ubuntu Linux 20.04 LTS の公式リポジトリからインストールできる GIMP 2.10 は、Python-Fu (Gimp-Python)が利用できない状態で何年も放置されている模様。
理由としては、Pythonが絡んでいるっぽい。Debian も Ubuntu も、Python 2.x から 3.x への移行を進めているので、Python 2.x を利用するパッケージを切り捨てる方向で動いているそうで。そして、GIMP の Python-Fu (Gimp-Python) は Python 2.x に依存しているので、関連パッケージも公式リポジトリからあっさり削除されてしまったのだとか。
昔は gimp-python というパッケージが存在していて、sudo apt install gimp-python をするだけで使えるようになったらしいけど…。今は、そんなパッケージは存在しない。Debian 11、Ubuntu 20.04、どちらも見つからなかった。
回避策は無いのかとググってみたら、flatpak (flathub) 版GIMPなら Python-Fu もサポートしているので、「Python-Fu が使いたければ公式リポジトリ版ではなく flatpak版を使いましょう」ということになっているっぽい。
そんなわけで試してみた。環境は、Ubuntu Linux 20.04 LTS 64bit。Xubuntu関連パッケージをインストールして、デスクトップ環境は Xfce4 で利用している。ちなみに CPU は AMD A8-3850。
◎ flatpakをインストール。 :
Ubuntu Linux 20.04 LTS 上で flatpak をインストールする手順は以前の日記でメモしてあった。
_mieki256's diary - wxPython関係をUbuntu 20.04上で試用
_mieki256's diary - wxPython関係をUbuntu 20.04上で試用
sudo apt install flatpak sudo apt install gnome-software-plugin-flatpak flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo sudo reboot
◎ GIMPをインストール。 :
基本的には以下のページに従えば良い。
_GNU Image Manipulation Program - Linux Apps on Flathub
ただ、今回は、GUIアプリ上から ―― gnome-software (ソフトウェア)経由でインストールしてみた。
インストールが終了したら、インストールしたアプリの一覧を表示して確認してみる。端末を開いて以下を打つ。
中に、以下の行がある…はず。
これで、GIMP 2.10.30 がインストールされた。
_GNU Image Manipulation Program - Linux Apps on Flathub
flatpak install flathub org.gimp.GIMP
ただ、今回は、GUIアプリ上から ―― gnome-software (ソフトウェア)経由でインストールしてみた。
- スタートメニュー(?)の検索欄に「software」と打ち込んだら「ソフトウェア」がリストアップされたので起動。
- 左上の虫メガネアイコンをクリックして、「gimp」で検索。
- リストアップされた「GIMP (GNU Image...」をクリックして詳細説明(?)を表示。
- 右上の「ソース」の項目が「Flathub」になっていることを確認して、「インストール」をクリック。
インストールが終了したら、インストールしたアプリの一覧を表示して確認してみる。端末を開いて以下を打つ。
flatpak list
中に、以下の行がある…はず。
GIMP (GNU Image Manipulation Program) org.gimp.GIMP 2.10.30 stable flathub system
これで、GIMP 2.10.30 がインストールされた。
◎ GIMPを起動。 :
実行は、端末上で以下を打つ。
しかし、一々こうして打ち込んで起動するのは面倒臭い。
本来、flatpak 経由でインストールすると、スタートメニューの類にも登録されるらしいのだけど、何故か自分の環境では、メニューに登録されなかった。
ただ、メニューに登録されるべき、.desktop ファイル (Windowsのショートカットファイルみたいなもの?)は、以下の場所に存在している。
中に、org.gimp.GIMP.desktop というファイルが存在する。これを、自分のアカウントの、所定の場所にコピーする。
これで、Ubuntu (Xubuntu) のスタートメニュー(?)の、「グラフィックス」の項に、GIMPの項目が追加された。
flatpak run org.gimp.GIMP
しかし、一々こうして打ち込んで起動するのは面倒臭い。
本来、flatpak 経由でインストールすると、スタートメニューの類にも登録されるらしいのだけど、何故か自分の環境では、メニューに登録されなかった。
ただ、メニューに登録されるべき、.desktop ファイル (Windowsのショートカットファイルみたいなもの?)は、以下の場所に存在している。
ls /var/lib/flatpak/exports/share/applications/
中に、org.gimp.GIMP.desktop というファイルが存在する。これを、自分のアカウントの、所定の場所にコピーする。
cp /var/lib/flatpak/exports/share/applications/org.gimp.GIMP.desktop /home/(USERNAME)/.local/share/applications/
これで、Ubuntu (Xubuntu) のスタートメニュー(?)の、「グラフィックス」の項に、GIMPの項目が追加された。
◎ GIMPのプラグインの場所。 :
GIMP を起動してみたところ、フィルターメニューの中に、Python-Fu が存在していた。
ということで、たしかに flatpak版GIMPなら Python-Fu が使えるらしい。
また、編集 → 設定 → フォルダー → プラグイン or スクリプト、で、Python-Fuスクリプトや Script-Fuスクリプトを置く場所が指定されているはずだけど、自分の環境では、記述が無いのに、何故か以下のフォルダの内容も読み取っていた。
この2つのフォルダは、Ubuntu公式リポジトリ版の GIMP をインストールした際に参照される場所なのだけど…。でもまあ、動いてるから良しとする。
ちなみに、 *.py や *.scm に実行権限がついてないとGIMPがプラグインとして認識しない、という話もどこかで見かけたので、一応、念のため、各スクリプトファイルに対して実行権限をつけておいた。
flatpak版GIMPを導入することで Python-Fu も使えると分かったので、以下のスクリプトが動作することも確認できた。
_mieki256/sci-fi-texture-generator: Sci-Fi bump mapping texture generator with GIMP Script-fu.
以下、証拠画像。
このスクリプトが動いたということは…。flatpak版GIMP は、pycairo も使える状態になっているようだなと。Python-Fuコンソールを開いて、import cairo と打ってみても、エラーが出ないし。
pycairo の現行バージョンは 1.21.0 だけど、それと比べると、GIMP同梱の pycairo は 1.10.0 と結構古い。
また、Ubuntu公式リポジトリ版の python-cairo は、バージョンが 1.16.2-2ubuntu2 と表示されたので *1 、flatpak版GIMP には、公式リポジトリ版とは違う pycairo が含まれているのだろう。たぶん。
ということで、たしかに flatpak版GIMPなら Python-Fu が使えるらしい。
また、編集 → 設定 → フォルダー → プラグイン or スクリプト、で、Python-Fuスクリプトや Script-Fuスクリプトを置く場所が指定されているはずだけど、自分の環境では、記述が無いのに、何故か以下のフォルダの内容も読み取っていた。
~/.config/GIMP/2.10/plug-ins/*.py ~/.config/GIMP/2.10/scripts/*.scm
この2つのフォルダは、Ubuntu公式リポジトリ版の GIMP をインストールした際に参照される場所なのだけど…。でもまあ、動いてるから良しとする。
ちなみに、 *.py や *.scm に実行権限がついてないとGIMPがプラグインとして認識しない、という話もどこかで見かけたので、一応、念のため、各スクリプトファイルに対して実行権限をつけておいた。
cd ~/.config/GIMP/2.10/plug-ins/ chmod +x *.py
flatpak版GIMPを導入することで Python-Fu も使えると分かったので、以下のスクリプトが動作することも確認できた。
_mieki256/sci-fi-texture-generator: Sci-Fi bump mapping texture generator with GIMP Script-fu.
以下、証拠画像。
このスクリプトが動いたということは…。flatpak版GIMP は、pycairo も使える状態になっているようだなと。Python-Fuコンソールを開いて、import cairo と打ってみても、エラーが出ないし。
>>> cairo.version '1.10.0' >>> cairo.cairo_version_string() '1.16.0'
pycairo の現行バージョンは 1.21.0 だけど、それと比べると、GIMP同梱の pycairo は 1.10.0 と結構古い。
また、Ubuntu公式リポジトリ版の python-cairo は、バージョンが 1.16.2-2ubuntu2 と表示されたので *1 、flatpak版GIMP には、公式リポジトリ版とは違う pycairo が含まれているのだろう。たぶん。
◎ 2022/05/21追記。 :
Ubuntu Linux 18.04 LTS 上でも動作確認してみた。Ubuntu 18.04 LTS なら、公式リポジトリ版 GIMP 2.8.22 でも Python-Fu (Gimp-Python) が利用できた。また、Python-Fuコンソール上で import cairo もできた。cairo.version は '1.16.2'。cairo.cairo_version_string() は '1.15.10'。
*1: sudo apt show python-cairo と打てばバージョンが確認できる。
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以上です。




