mieki256's diary



2005/04/22(金) [n年前の日記]

#2 [movie] 『キューティハニー』実写版を見た

アハハ。笑った。どれもこれもぶっちゃけありえない。そこが面白かった。好きであります。こういうの。

けど。どうも期待しすぎちゃってたみたい。こちらから積極的に近づいてやらないと笑えないなぁ。全体に漂うB級C級感というか、トホホな雰囲気に対して微笑を浮かべることのできる人じゃないと楽しめない予感。なんていうか…。例えば、タイムボカンシリーズ等を楽しめる人じゃないと、みたいな?

とりあえず、ミッチー最高。ミッチーを輝かせるためだけに、この映画は存在する。ってことで個人的には充分。かも。ミッチー色っぽいよミッチー。

以下、細かい感想。

ハニメーション :

自分が気になってたのは、この映像表現。最初に、その手法についてのテキスト情報のみ読んだときは、とても期待してたんだけど。予告編の映像を見て不安になってたわけで。

が。本編を見ると、戦闘シーンはテンションが高いせいもあって、それほど違和感はなかった。この手の企画なら結構使えそうな。

とはいえ。標準的というか、汎用性のある手法としては使い物にならない感も。やっぱり、アニメの3コマ撮りの感覚を実写に持ち込むのは無理があるのかな。なんとなくだけど、静止画にしたときの、一枚一枚の情報量が多すぎる・正確過ぎる気もしたり。何か処理をかけて、色なり、細部なり、画像情報を減らしたり等すれば、多少違ってくるかしら…。いや。その手の試行錯誤は既に行った上での最終的な映像であろうし。となると、やっぱりなかなか使い道がなさげではあるなぁ。

人形アニメ等で使えないかしら。NHK教育あたりで流れてるような、そういった作品で。…手間を考えるとそうそう使えないか。

時間間隔 :

テンポは速いし、上映(?)時間は短いしで。比較的飽きないうちに終わるよう作ってあるなと感心したり。また、間の取り方が上手いなと。やはり、アニメを何本も作ってきた監督さんらしい仕事振りかなと思ったり。

構成 :

冒頭近辺に戦闘シーンを持ってきたことに感心。Vガンダムですかな。

ただ、竜頭蛇尾だったなと。特に最後のあたりはキリキリと同じになってて脱力。監督としては先輩格なのに、何やってんだかな、もう。トップランナーで「芸風を変えた」とか宣言してたわりには…相変わらずEVAと似たような自己完結ぶりというか、失速具合というか。…まあ、そのへんも含めて、色々期待し過ぎちゃってたのだろう。>自分。あまり期待し過ぎてもガッカリするし、全く期待しないとそもそも見たくならないしで。そのへんなかなか難しいよなぁ。

サトエリの服装で引いた :

これは自分の側にやましい何かが潜んでる故ではないか、という気もするんだけど。冒頭の入浴シーンとか、下着姿とか、そのへんで引いてしまった。何故なんだろうなぁ…。

例えば、男性がパンツ一丁で走ってたら、引いたりせずに笑えると思うのだな>自分。しかし、女性が下着姿で走ってると、引く…。異性に対して、夢というか、ロマンチックな何かを期待してるのだろうか。かもしれん。うーん。

『CASSHERN』との比較 :

本来、他作品と比較すること自体、どうなんだとは思うのだけど。やっぱり気になっちゃうわけで。何せ、漫画・アニメを基にした実写化であり。主人公が、彼岸の世界(<なのか?)から戻ってきた系のヒーローで、かつ、スタート地点では孤独でもあり。CG技術の発展・普及無しでは実現が難しかったであろう企画でもあり。共通点はいくつかあるわけで。…もっとも。男か、女か。後ろ向きか、前向きか。暗いか、明るいか。孤独なままか、仲間を求めるか。全てを破壊するか、和で収束させるか。違いが綺麗に対になってるところもあって。そのへんなかなか興味深かったり。

あちこちの感想記事を見たのだけど、「『CASSHERN』の監督とは格が違う」なる感想を目にして首を捻ったり。お前の目は節穴か! というのは言い過ぎにしても。作品を見る限り、自分には、どっちも同種というか…格の違いなんかどこにあるねんと。庵野監督は経験年数が多いから、各種テクニックを知ってるだけというか…本質的には同じだろうと。どちらも、既存作品のコラージュ? に終始せざるをえないという、アニメオタク第二世代特有?の限界が見え隠れしてるし。それに…。最後のあたりで、どうしてどちらも語り始めることで話を収拾させようとするねんな。ヤマトなり、富野アニメなり、そのへんの重力から逃れることができてない証拠やんか。…と思ったけどなぁ。

_庵野監督がみんなに、『ズバット』を見せた時に、しまったと思ったんですよ。 :

アハハ。こっちもか。キリキリの「イデオン」が、「ズバット+安野モヨコ作品」になっただけちゃうんか(笑) にしてもその組み合わせは凄い。そりゃ、Pの頭の中でアラートが鳴り響くよなぁ…。<勝手な想像。

どこかで、「デートコースの途中で見てもらえるような映画を意識して作った」云々という話も聞いたんだけど。「デートコースで『怪傑ズバット』を見せれば彼女にも喜んでもらえる!」的な監督の発想・思考からして、狂っててイイ、と思ったり。そういうの、自分は好きであります。

庵野監督自身があちこちで口にしてることだけど。宮崎監督や高畑監督あたりの世代と違って、どうしても、既存作品のイメージというか、TVや映画の、フレームで切り取られた・デフォルメされた・編集されたイメージの呪縛から逃れられない世代だから…。このへん、開き直って、肯定して、使っていくしかないわけで。結局、素材のチョイスと組み合わせ方で差をつけていくしかないんだろうなぁ。と自分などもぼんやり思ったりする。

以上です。

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