mieki256's diary



2020/02/06(木) [n年前の日記]

#3 [pc] 多ボタンマウスは要らないと思ってる人達が多ボタンマウスを買っている

今まで使ってた多ボタンマウスが壊れてしまったので、次に買うマウスをググって探してるところなのだけど。各製品のレビューを眺めていて、あることに気づいたわけで。

結論から先に書くと…。「マウスの拡張ボタンなんて要らない」と思ってる人達が多ボタンマウスを買ってしまって、「誤操作で拡張ボタンを押してしまう」と大声で騒いでいる現状が間違いなくあるなと。

なので、マウスメーカの方はそれら頓珍漢な感想を真に受けて押しにくい拡張ボタンを設計しないでいただきたい。みたいな。

「そんなのとっくに知ってるよ」ということでしたら、ここで話は終わりです。

そう思った理由。 :

以下、長文。

自分は、マウスの拡張ボタンを日に100回以上はクリックしている人種で。 *1 だから、押しやすく、しかも確実に押したことが反映される、そんな拡張ボタンを持った多ボタンマウスが必須でして。

そんな条件を満たすマウスが無いか、各製品のレビューを眺めていたら、ちょっと首を傾げるレビューを見かけてしまったのです。

その人は、とあるメーカの多ボタンマウスを買ったのだけど。「誤操作で拡張ボタンを押してしまう。そもそも拡張ボタンを無くしたほうがいい」てなレビューを書いていて。

それを読んで、自分は目が点に。オイコラちょっと待て。なんで「拡張ボタンなんて要らない」と言い切れちゃう人間が、わざわざ多ボタンマウスを選んで買って文句を言ってんだよ。おかしいだろ意味わかんねえ。お前のようなヤツが居るせいでマウスメーカがどんどん拡張ボタンを押しにくい設計にしちゃってんだよ。おかげで俺の右肩は痛みでバキバキだよ。大迷惑だよ。お前いいかげんにしろよ。ふざけたこと言ってんじゃねえぞ。責任取れよ。

などと怒りすら感じ始めた直後に、ふと疑問が湧いたのです。待てよ? その人が欲しいと思う3ボタンマウスって、今の市場にあるのかな? と。

そこでようやく「あっ」と気付いたのです。無いのですよ。そんな3ボタンマウスは今の市場に無い。多ボタンマウスと同じ形状、同じ機能で、しかし、3ボタンマウス。そんな製品はまず存在しない。

考えてみたら、マウスってそういう品揃えだよなと…。「形状に拘りました」「質感に拘りました」「機能を色々つけました」「お値段も高くなりました」…そんな製品群はえてしてもれなくほぼ確実に、拡張ボタンまでついてくる。3ボタンマウスで、「(形状|質感|機能)に拘りました」てな製品ってありますか? ほとんど見かけないですよ。

こんな状況では、「拡張ボタン要らない」派は…。

「お。このマウスいいな。でも多ボタンマウスかー。これの3ボタン版は無いのかな? …無いのか。仕方ない。この多ボタンマウスを試しに買ってみるか」

そして。

「うわ! やっぱり拡張ボタンを押しちゃうじゃないか。この糞マウスが! ええい、ムカつく…。こうなったらレビューを書いて叩いてやる!」

みたいな。

更に、それらのレビューを真に受けちゃったマウスメーカが、「あの製品、『拡張ボタンを誤操作で押してしまう』と散々叩かれてしまったな…。もっと押しにくい位置や形にしないとダメなんだろう…」と次製品で改悪を加えて。

そして自分のような人間がソレを買ってしまって、「えっ。前の代はめっちゃ押しやすい拡張ボタンだったのに、なんでこんな押しにくい位置・形にしちゃったの? コイツラ一体何のために多ボタンマウス作って売ってるんだ?」てな感想を…。

ということで、「拡張ボタンを誤操作で押してしまう」的レビューを書いている方の中には、そもそも「拡張ボタン要らない」派が絶対に混ざってるよなと。そうとしか思えない。だって、「そもそも拡張ボタンは要らない」なんて意見を、わざわざ多ボタンマウスのレビューで書いちゃう人が居るわけで。月見うどんを注文しておいて、何だコレ卵が入ってるぞけしからん!と怒り始める客のようなもので。そこだけ見たら全く意味がわからない。

しかし、それも仕方ない。なぜなら、そういう人達が欲しいと思う3ボタンマウスは市場に無いですから。マウスメーカが、マウスに付加価値つけて売ろうとすると、猫も杓子も多ボタンマウスにしちゃう…。「拡張ボタンは要らない」けれど「マウスにはちょっと拘りたい」派は、多ボタンマウスの中から選ぶしかない。そして文句を言う。「なんだこれ。拡張ボタンを押しちゃう(=押しやすい)じゃないか! ふざけんな! クソが!」と。

「多ボタンマウスをわざわざ買ったのだから、その人は拡張ボタンも欲しがってるはず」 ―― 自分は今までそう思い込んでいたけれど、その認識は間違ってた。現状、多ボタンマウスなんて要らない人が、多ボタンマウスを仕方なく買っている。

そのことを意識しながら各製品への意見・感想を読まないといけない。「コイツは『拡張ボタン無いと死んじゃう』派か、それとも『拡張ボタン要らない』派か」、まずはそこから見極めないと…。「誤操作で拡張ボタンを」系の感想は、本当の感想じゃないのです。そこは気をつけて読まないと…。

どうすればいいのか。 :

じゃあ、どうすればいいのか。

多ボタンマウスを発売する時に、同じ形状、同じ機能で、3ボタンマウス版もラインナップに加えれば…それが理想的ですわな。でも、そんなの無理だと言われそう。製品ラインナップを1つ増やすだけでどれだけコストがかかると思ってるんだ、金型作るのも基板設計するのもラインを確保するのも大変なんだぞ、みたいなことを言われそうな気が。

でも…。素人考えですが、他にも方法はあるよなと。
  • 拡張ボタン(のプラスチック部分)をズボッと引っこ抜ける設計にしちゃう。
  • 拡張ボタンに蓋をして隠してしまうパーツも付属させる。
  • 物理的 or 電気的なスイッチをつけて拡張ボタンの有効無効を切り替え可能にする。
  • 拡張ボタンを強制無効にするソフトウェアを配布する。
どうしても多ボタンマウスとして売らなきゃいけない、という場合でも、工夫次第で3ボタンマウスにできる余地がまだ残ってる。頭の固さには自信がある自分ですらスラスラと案が出てくるのだから、アイデアマンならもっとナイスな名案を思いつくはずで。

実は現状でも解決できる。 :

もっとも、実は現状でも、多ボタンマウスを3ボタンマウスにできるのですけど。

例えば Windows機なら、マウス関連ユーティリティをインストールして、拡張ボタンの割り当てで「無効」を設定してしまえば、それで済んじゃう。

各マウスメーカは ―― 例えば、ロジクールも、ELECOMも、BUFFALOも、拡張ボタン割り当て変更ソフトを公開してるわけで。…BUFFALO のは設定項目が少なかったから無効化できるかちょっと分からんけれど。

_Logicool Optionsをダウンロードし、作業生産性を高めましょう
_SetPointソフトウェア
_エレコム マウスアシスタント - ELECOM
_Buffalo Mouse Utility ソフトウェアマニュアル

ちなみに自分は、 _X-Mouse Button Control (XMBC) というユーティリティを使って拡張ボタン割り当てを変更してますけど。確認してみたら、拡張ボタンを無効にする設定も、ちゃんとしっかりありました。

なので、マウスを買い替えるまでもなく、「拡張ボタンを殺す」という目的は今でもすぐに果たせるのです。殺してしまえば誤操作もへったくれもないわけで…。

だから、本来、マウスメーカは、「誤操作でー」なんて文句を全てガン無視していいはずなのです。「は? ユーティリティ入れろや」と言い放って切って捨てればいい。本来であれば。

というわけにもいかない。 :

ただ…。文句を言う人達って、どうもそのあたり、全般的に無知っぽくて…。

何せ、あのへんの方々は、「マウスを買い替えたらマウスカーソルの動きが速過ぎた! この製品は糞!」てな文句を言ってる場面もチラホラ…。そんなの _OSのマウス設定弄れば 好きなだけ変更できますわな。遅いのを速くはできないけれど、速いのは遅くできる。

そんなこと(?)すら知らない人達が、その手のユーティリティを導入できるかと言うと…。これはちょっと望み薄で…。

なので、マウスメーカは、マウス自体にスペックの切り替え機能を設けることがちょくちょくあって。例えば、DPI切り換えボタンがついてる製品がありますけど。アレって、「マウス自体を買い替えないとマウスカーソルの速度は変えられない」とすっかり思い込んでる人達を相手にしてる面もあるのだろうと…。

であれば、多ボタンマウスの拡張ボタンを無効にする機能を、マウス自体につけてしまう策だってアリかもしれないよなと。 *2

まあ、何にせよ、「誤操作で拡張ボタンを」系の感想に騙されてはいけないよなと。ソレ、嘘だから。本当の感想じゃないから。真の問題は別にあるから。もちろん前述のとおり、そのユーザのせいではなく、市場の品揃えの問題で、そういう嘘の感想が出てくるわけですけど…。

*1: 拡張ボタンに、ブラウザのタブを閉じるショートカットキーを割り当てて、RSSで入ってきたURLを一旦全部開いて拡張ボタンの連打で閉じていくというアホなことをしているので…。閲覧作業前のRSS未読記事数を数えると間違いなく日に100回以上はクリックしてると思われ。
*2: それはそれでOSに関係なく設定できるというメリットも得られるから、無駄にはならない。

以上です。

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