2018/01/04(木) [n年前の日記]
#5 [anime] 「宝石の国」8話を視聴
BS11で放送されていた「宝石の国」(制作CGスタジオ:オレンジ)の8話が、CG制作スタッフのオーディオコメンタリー付きで放送されてたので視聴。たしか去年の年末、最終回の次の週に放送してたような気がする。
興味深い話がたくさん。なかなか面白かった。覚えてる範囲で一応メモ。
興味深い話がたくさん。なかなか面白かった。覚えてる範囲で一応メモ。
- キャラの動きは、モーションキャプチャも利用してる。
- モーションキャプチャデータをそのまま使うわけではなく、下地の動きとして扱って、アニメーターさんが修正して最終的な動きにしてる。
- モーションキャプチャのアクターさん(演技をする人)は、基本的にオレンジ社内で確保。社員が演技をしてる。
- 実はオレンジの社長さん(おじさん)の演技もたくさん混ざってる。キャラが可愛く動いてても、社員にとっては、「あっ…コレ、社長の動き…」と複雑な気分に…。
- 顔などは、手描きで結構レタッチ修正をしている。1ピクセル単位で調整する場面もあったのだとか。…道理で手描きに見えたわけで。
- 割れた宝石キャラは通常時とは別モデル。ポリゴン数がとんでもなく増えて作業がめちゃくちゃ重くなる。現場から悲鳴続出。1コマ出力(レンダリング)するだけで30分かかる。
- アクションアニメーターとして名高い手描きアニメーター、松本憲生氏が、事前にアクションシーンのプリビズを描いて、それを下絵にしてCGを作っていたのだとか。惚れ惚れするカッコイイ動きが目白押しで、CG班はそれらのポーズをほとんどトレスしていく作業だったとか。
- 件の作品はプレスコで作られたが、「アニメを作るなら絶対プレスコがイイ」とオーディオコメンタリーでは力説してた。声を聴けば映像面の演技プランもイメージしやすく、また、アフレコに比べて、口パクのタイミング合わせをやり直さなくて済むのだとか。
◎ 口パク合わせ。 :
オーディオコメンタリーでは話してなかったけど、どこかでチラリと聞いた話では、口パクのタイミング合わせは自動化していたそうで。ただ、口のパターンを数百種類用意して作業してたとか…。オーディオコメンタリーで「口は手描き」と言ってた気もするけど、あらゆる角度、表情に対応できるように描いてたのかな…?
日本は、演出家さんやアニメーターさんがタイムシートを手書きして口パクを合わせるのが当たり前らしいけど、海外では「そんなの当然自動化するっしょ。手書きで合わせる? 何アホなこと言ってんのお前」てな感じだそうで、日本もCGアニメの登場で、ようやく海外と同様の作業効率化が試せる状況になりそうだなと。 *1
しかし、すると手描きはもう使い物にならないのか、用済みなのかというとそんなことはなくて、プリビズ作成では手描きアニメーターの能力が活かされてたし、顔も手描きで修正してるし…。手描きに優位性がある場面は当然ながらまだまだあるよなー、と。
自動化できることを手描きでやってたらアホだし、手描きのほうが向いてることをCGで無理してやっててもちょっぴりアホっぽいしで、つまりは双方の強みを活かしつつ合体させて一つの作品を生み出していく…てのが理想的なのだろうなーと思うわけで。
何にせよ、「宝石の国」のような作り方が出てきてくれて、なんだか嬉しいなと。しかも、作り方が興味深いだけではなく、ちゃんと本編が面白いわけで。キャラのポーズ一つ、動き一つをとっても、「チクショウ! コイツ可愛い!」「もしかしてアレか? これが萌えってヤツなのか?」てな感じだし…。色々と最高です。このアニメ。素晴らしい。
日本は、演出家さんやアニメーターさんがタイムシートを手書きして口パクを合わせるのが当たり前らしいけど、海外では「そんなの当然自動化するっしょ。手書きで合わせる? 何アホなこと言ってんのお前」てな感じだそうで、日本もCGアニメの登場で、ようやく海外と同様の作業効率化が試せる状況になりそうだなと。 *1
しかし、すると手描きはもう使い物にならないのか、用済みなのかというとそんなことはなくて、プリビズ作成では手描きアニメーターの能力が活かされてたし、顔も手描きで修正してるし…。手描きに優位性がある場面は当然ながらまだまだあるよなー、と。
自動化できることを手描きでやってたらアホだし、手描きのほうが向いてることをCGで無理してやっててもちょっぴりアホっぽいしで、つまりは双方の強みを活かしつつ合体させて一つの作品を生み出していく…てのが理想的なのだろうなーと思うわけで。
何にせよ、「宝石の国」のような作り方が出てきてくれて、なんだか嬉しいなと。しかも、作り方が興味深いだけではなく、ちゃんと本編が面白いわけで。キャラのポーズ一つ、動き一つをとっても、「チクショウ! コイツ可愛い!」「もしかしてアレか? これが萌えってヤツなのか?」てな感じだし…。色々と最高です。このアニメ。素晴らしい。
*1: 自分がちょっと前に購入した Moho というアニメ制作ツールも、スクリプトを実行するだけで、音声データに合わせて口パクのタイミングを合わせてくれるわけで…。海外では、数千円〜数万円で買えるソフトですら自動化できちゃってるわけで。また、日本のエロゲーの世界でも、音声データに合わせて自動で口パクさせてると聞くし。エロゲーは膨大な音声データを扱うから手で合わせるとかやってられないわな。こんな時代に、手書きでタイムシートを、とかアレだよなと。エロゲー以下とかどうなのよ。しかも、昨今の日本のアニメはスケジュールが厳しいので、音声収録した後に映像を作り始める状況だとか。だったらアフレコよりプレスコがいいし、プレスコなら口パク合わせの自動化も視野に入ってくるのでは…。などと素人考えでは思うのだけど、色々と大人の事情で難しいのだろう…。
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以上です。