mieki256's diary



2015/10/19(月) [n年前の日記]

#1 [anime][neta] ラノベ原作本の絵柄とラノベ原作アニメの絵柄

思考メモ。

_「ヘヴィーオブジェクト」 というラノベ原作アニメを一応毎週視聴しているのだけど。台詞回しが洋画ノリでなんだか面白いなと思いつつ、しかしキャラデザインが、ハーレムラノベ原作っぽい萌えキャラのソレなので違和感を覚えていたり。この組み合わせ、ちとクラクラするなと。

なんとなく思ったけれど、例えば、これがもし、 _「GANGSTA.」 のようなキャラデザとか、あるいはせめて _「鉄血のオルフェンズ」 のようなキャラデザだったら、しっくりきたんだろうなと。

もっとも、世の中には、「まどかマギカ」や「がっこうぐらし」のような、この内容をあえてこの絵柄で、という天邪鬼な作品もあるわけで。もし、「ヘヴィーオブジェクト」も、そんな天邪鬼な姿勢でああいったキャラデザにしたのであれば、それはそれで。

でも、たぶんそうじゃないような気もしていたり。原作者・イラストレーター・編集部からこういう路線のキャラデザを強要されたとか、原作ファンから叩かれるのを恐れたとか、そういった後ろ向きな理由でこうなってしまったのではないかなあ、などと邪推していたりしますが。

まあ、既に作ってしまったのだから、しょうがない。仮に後ろ向きな理由でこの絵柄になったのだとしても、「いや、俺達、天邪鬼ですよ? あえてこの絵柄にしたんですよ?」と嘯き続けるしか道はないよなと。

ラノベに求められる絵柄とアニメに求められる絵柄。 :

今更ではあるけれど、考えてみれば、ラノベ原作に求められる表紙・挿絵の絵柄と、アニメに求められる絵柄って、おそらくは違ってしかるべきで。

ラノベ原作本は、例えば書店で平積みされた時に、「おっ? なんだコレ?」とお客さんに思ってもらわないといけない。そのためには、キャッチーな絵柄で表紙を描いてもらうしかなくて。たとえソレが内容と著しく乖離した絵柄であっても、お客さんの足を止めて、手に取ってもらうためには仕方ない。

原作の内容を一切顧みることなく、そういう絵柄を持ってくるなんて、ある意味作品に対して大変失礼極まりない話ではあるのだけれど。しかし、売れなきゃ原作者も編集部も困り果てるわけだから、だったらもう諦めて、ズキューンと来そうな絵柄をひたすら追求していくしかないだろうなと。

だけどアニメの場合、その絵柄で、30分 x 13〜26話ほど、延々と映像を見せ続けなければいけない。内容から乖離した絵柄では、視聴者は「なんじゃこりゃ」状態になる。本来であれば内容と一致した絵柄・キャラデザを新規に考案しないといけないはずで。

だけど…。
  • ラノベ原作者はあくまで小説家だから、アニメのことなんてさっぱり分からんし。「俺はこの絵師さんの絵柄が好きだ。だから、この絵柄でやってほしい」と、自分が書いた作品の正体も分からずに平気で言ってくることもあるだろうなと。
  • 原作本の表紙を描いたイラストレーターさんは、自分の絵柄がそのままアニメ化されたら当然嬉しいから、「できれば俺の絵柄に近い感じで…」と言い出すよなと。
  • 編集部は、この絵柄を採用したことでこれだけ本が売れたという実績が既にあるわけだから、ここは同じように実績のある絵柄で、と要求するよなと。
  • 原作ファンは、原作本の絵柄を見て「これが正解」と思い込んでるから、当然原作本と同じ絵柄になることを期待してるし、アニメ版で別の絵柄になったら狂ったようにアニメスタッフを叩き始めるよなと。
  • アニメスタッフは、自分達のオリジナル作品ならともかく、他人の創作物を押し付けられてさあさあコレをアニメ化しろと言われてるだけなんだから、「この絵柄は、このアニメ向きではないですよ」等、親身になって教えてやる義理も道理もないわけで。原作サイドと喧々諤々して下手すりゃ険悪になるのは面倒臭いし。キャラデザ原案レベルから新規に考案・検討するとなれば時間も予算もかかるし。言われたとおりに、その絵柄にしちゃうのだろうなと。

かくして、原作者も、イラストレーターも、編集部も、原作ファンも喜んでいるけど、ソレ以外の視聴者は「なんじゃこりゃ」「内容と一致してねえ」と思ってしまう、そんな絵柄のアニメが次々に、ということがあるのかもしれないよなと。

でもまあ、アニメ化をキッカケにして、原作本に手を伸ばす人も居るかもしれないし。それはつまり、商売としてはちゃんと回るということだから、それもそれで別に問題はないのか。

アニメの作品数もべらぼうに増えてしまったので、「内容と乖離してるけどキャッチーな絵柄」がアニメ作品においてもメリットになる場合だってあるかもしれないし。だけど、それをずっと見続けるとなると、ちと厳しいものがあるんだよな…。何かいい手はないのかな。

昔の国際映画社作品のように、OP・EDだけ本編とは違う絵柄で、とかどうだろう。冗談ですけど。

スターザンスみたいに、カッコイイ台詞を吐くときだけ絵柄をガラリと変える、とか。…む。これは意外とイケるんじゃないか。ていうか監獄学園はちょっとそんな感じだったような。…考えてみたら物語シリーズはソレを多用してる気も。場面によって絵柄をバンバン変えたって構わないんだよな。

ラノベ原作アニメのキャラデザのバリエーションはどうして少ないのか。 :

ラノベ原作アニメを見てると、どのキャラも同じに見えて区別がつかないのだけど。顔のパーツが全部同じだし。違うのは色と髪型ぐらいだし。しかし、これもまた、原作の表紙絵に準じたキャラデザにする限り、仕方ないことなのだろうなと。

ラノベ原作本の表紙絵を見て、道行く人に「おっ」と思ってもらうためには、そのイラストレーターさんが習得している絵柄の中で、もっともベストな絵柄・キャラデザを繰り出していくしかなくて。

しかし、イラストレーターさんは、その「ベストな絵柄」とやらを何種類も持ってるわけもなく。大体は、自分が得意な絵柄なんて、一種類しかない。その最強の一種類の絵柄をひたすら繰り出して勝負するしかなくて。

だから複数のキャラを描く場合も、そのキャッチーな一種類の絵柄・キャラデザで描き上げるしかない。結果、キャラの判別が難しい状態の表紙・挿絵がずらりと並ぶ。

そんな状態で描かれた絵を元に、アニメ用のキャラデザを起こすのだから…。アニメ版も、誰が誰やら分からないキャラデザになってしまうのは、これはもう仕方ないことだよなと。

もっとも、そんなこと言い出したら、漫画作品はどうなるの、てな話にもなるのかな。例えば、車田正美作品とか、あだち充作品とか…。アレでもしっかり売れてるという事実を考えると…。「髪の色が違うだけでもラノベ原作アニメは恵まれてるだろ! 漫画なんて白黒だぞ?!」とか言われちゃいそう。

オチはないです。只の思考メモです。

以上です。

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