mieki256's diary



2006/08/18(金) [n年前の日記]

#3 [comic] 「レナード現象には理由がある」川原泉著を読んだ

妹が買ってきたので読ませてもらった。妹曰く、絵柄がかなり変わってショックを受けた、との話だったけど。たしかに、デフォルメした表情などで、揺れ幅が大きくなってる・記号としての固定がなされてない感じ。まあ、元々、絵で楽しむタイプの作家さんではないので。

とある学園を舞台に、1作品で1人ずつ、天然系のキャラが彼氏・彼女をゲットしていく話。…と書いてしまうと何か違う気がする。この作家さんの特徴だろうけど、彼氏・彼女になりそうな、かすかな予感を描いたところでピタリと止めてしまう・あからさまに「性」を感じさせる描写を極力回避してしまうので、読後感が独特というか、他の作家に比べて妙にさわやかというか。学生というキャラ設定なのに、縁側でひなたぼっこしながら茶を飲んでる老夫婦な印象が。

収録3作品目で「萌え」を、4作品目で「BL」を入れてるあたりは面白いと思った。特に3作品目は、ところ構わず「萌え〜」と口にしてる男性オタク、というかロリコン○○オタクには必読の作品だったりするのかもしれん。色んな意味で。

_少女マンガに巣食う差別主義 川原泉問題 :

ちと気になる記事だったのでメモ。世の中には一風変わった(?)視点で作品を読む人が居るのだなと。

さておき。「『花とゆめ』にこんな漫画を載せていいのか」といった文を目にして、首を捻ったり。川原泉という作家は、「花ゆめ」には、もはや商業的に載らない・受け入れられない現状があるというか。今の「花ゆめ」「LaLa」は、川原作品が掲載されてた頃とまったく違っていて、対象年齢が狭く設定された紙面づくり・ラインナップになって結構な年数が過ぎていて。川原作品が仮に載っても、読者からは異端扱いされてオシマイ、だろうなと。…つまり、仮にそこに差別があったとしても、「差別の再生産」云々はあり得ず。そもそもお子さんの目に触れるところに出させてもらえない。それは他のベテラン作家も同じだけど。

それとはまた別の話。作家の本来の主義主張に反するソレを、作品中に含ませるのは作劇上の必須テクニックであるし、また、読者側のソレについての認識からあまりに乖離し過ぎた主義主張は、商品性を損なう原因になりやすい故、「フツーは」とか「常識」てなものを想像して適度に織り交ぜつつ創作するのは当たり前だったり。といった事情があったりするので、評者にはそれらを意識・分類する能力が求められそう。てなことを想像。作品中にテロリストが登場して熱弁をふるったからといって、作家もそのキャラと同じ主義主張を持ってる、と考えるのは短絡的過ぎる。みたいな。

以上です。

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