mieki256's diary



2022/11/22(火) [n年前の日記]

#1 [cg_tools][ubuntu][linux] Linux + Wine で六角大王フリーソフト版が動いた

Ubuntu Linux 20.04 / 22.04 LTS + Wine 7.0.1 / 6.0.3 上で、六角大王フリーソフト版 5.25 Windows版が動いてくれたので、そのあたりをメモ。

以下、証拠画像。六角大王フリーソフト版 5.25 WIndows用が、Ubuntu Linux 20.04 LTS + Wine 7.0.1 上で動いてる。

ubuntu2004_wine701_ss01.png


環境は以下。

Wineについて。 :

Wine というのは、Linux上でWindowsアプリを動かすためのプログラム群。DirectX を使ってるアプリにも対応してるそうで、ゲームアプリなども結構動くらしい。

Ubuntu Linux の場合、2つの版のどちらかを選んでインストールできる。
  • Ubuntu 公式リポジトリ版。バージョンが少し古いけど、sudo apt install wine だけでインストールできる。
  • Wineリポジトリ版。リポジトリの追加等が必要になるけれど、比較的新しいバージョンを利用できる。

Ubuntu Linux 20.04 LTSでWineをインストール。 :

Ubuntu Linux 20.04 LTS + xubuntu-desktop (Xfce) 上で Wine をインストールしてみた。ちなみに、この Ubuntu Linux 20.04 LTS は仮想PC上で動かしてる。

インストールの仕方は以下で解説されてる。今回は、Ubuntu公式リポジトリ版の Wine ではなく、比較的新しい版の Wine をインストールしてみた。

_Ubuntu WineHQ Repository - WineHQ Wiki
_Ubuntu20.04 Wine | ろっひー

アーキテクチャについて何かを設定しないといかんらしい。よく分からんけど。現在のソレと、選べるソレを確認。
$ sudo dpkg --print-architecture
amd64

$ sudo dpkg --print-foreign-architectures
i386

アーキテクチャを追加。
sudo dpkg --add-architecture i386

Wine のリポジトリを追加。Ubuntuのバージョンによって記述するURLが違ってくるので注意。以下は Ubuntu 20.04 LTS 用。
sudo mkdir -pm755 /etc/apt/keyrings
sudo wget -O /etc/apt/keyrings/winehq-archive.key https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key

sudo wget -NP /etc/apt/sources.list.d/ https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/dists/focal/winehq-focal.sources

winehq-stable というパッケージをインストールする。
sudo apt update
sudo apt install --install-recommends winehq-stable
バージョンは 7.0.1~focal-1 だった。2〜3GBほどのファイルがインストールされた。結構大きい。

Wine の設定は winecfg というコマンドで行うけれど、32bit版のアプリを動かせるように環境変数を設定しておかないといかんらしい。

_64bit 機で 32bit のWine を使用する - memomuteki

以下を実行して、設定フォルダ等を作成。体感で数分ほど時間がかかる。途中で、Wine Mono インストーラ等々、アレコレをインストールするかと尋ねてきたので「Yes」だか「はい」だかを選択。
export WINEARCH=win32 winecfg

念のため、~/.bashrc にも環境変数の設定を追加しておいた。
export WINEARCH=win32

設定ファイルその他は、~/.wine/ に保存されているらしい。また、WindowsのCドライブやディレクトリ構成を再現する場所として、~/.wine/drive_c/ が用意されていて、中には以下のディレクトリが入っていた。
$ ls ~/.wine/drive_c
'Program Files'   ProgramData   users   windows

今回は、drive_c/ 以下に Prog というディレクトリも作って、その中に各種アプリを入れておくことにした。

Wine 関連のコマンドは、以下が参考になった。

_Linux PC環境構築[23]:Wine 4.0の導入 | クロカワ工房 - 楽天ブログ
_Linux環境設定/Wineをコマンドで操作する - Linuxと過ごす

六角大王フリーソフト版を動かしてみる :

rkw525.lzh を入手。Ubuntu Linux 上で解凍。解凍には lhasa (0.3.1-3) を使った。 *1
sudo apt install lhasa
lha x rkw525.lzh

解凍すると rkw というディレクトリが出てきて、中には roku32.exe その他が入ってる。1ファイルだけ ―― 「ご案内.txt」という日本語ファイル名がおかしなことになるけれど、「goannai.txt」にでもリネームすればよいかと。

実行には _olemfc3.lzh も必要だった。これも解凍。
lha x olemfc3.lzh
中に入ってる .dll を六角大王の実行バイナリと同じ場所(rkw/)にコピーしておく。ただし、一部のファイルはリネームする。
  • MSVCRT20.DLL は MSVCRT20.w9x にリネーム。
  • MSVCRT20.NT は MSVCRT20.DLL にリネーム。

六角大王のフォルダ rkw を、~/.wine/drive_c/Prog/ 以下にコピー。
cp -r rkw ~/.wine/drive_c/Prog

winecfg を実行。アプリケーションを追加。roku32.exe を登録。roku32.exe には、Windows95 を指定してみた。

winecfg_ss01.png


~/.wine/drive_c/Prog/rkw/ にカレントディレクトを変更してから、wine roku32.exe で実行。
cd ~/.wine/drive_c/Prog/rkw/
wine roku32.exe

ウインドウが表示された。操作もできた。ファイルを開くこともできたし、名前を付けて保存することもできた。

ただ、ツールバー上にマウスカーソルを合わせると、フォントが豆腐(黒い四角)になってしまった。文字化けを修正しないといけない。

豆腐を直す。 :

winetricks なるツールを使って、必要なフォントを導入することができるらしい。
sudo apt install winetricks

winetricks を実行。
winetricks

Select the default wineprefix を選んでから、Install a font を選択。fakejapanese その他のソレっぽいものを選択してインストール。vlgothic, ipamona, takao, tahoma 等々も選択。何度かエラーが出るけれど、何度も実行していたら、いつのまにか豆腐が直ってくれた。

ただ、GUIで操作すると、一々エラーが出てきたときにダイアログをクリックしないといけないのが面倒臭い。winetricks の後にフォント種類を指定してフォントをインストールしたほうが楽。以下のページによると、corefonts, fakejapanese, cjkfonts を入れるだけでも違うらしい。

_ubuntu20.10 でWine6.4を動かす - Qiita
winetricks corefonts
winetricks fakejapanese
winetricks cjkfonts

winetricks fonts list と打てば、インストールできるフォント種類の一覧が表示される。

とりあえず、後から以下を指定してみた。cjkfonts を最後にインストールすると、フォントサイズが小さくなってしまう。fakejapanese* を最後にインストールしたほうが良さそう。
winetricks ipamona
winetricks vlgothic
winetricks takao
winetricks fakejapanese_ipamona
winetricks fakejapanese_vlgothic

実行用のシェルスクリプトを作成。 :

六角大王を起動するために、一々フォルダを辿っていくのは面倒臭いので、~/bin/rkw というシェルスクリプトを作成して実行できるようにする。内容は以下。
#!/bin/sh
cd /home/(YOUR_ACCOUNT)/.wine/drive_c/Prog/rkw
wine roku32.exe

実行権限をつけておく。
chmod +x ~/bin/rkw

これで次回からは rkw と打つだけで実行できるはず。

Ubuntu 22.04 LTS でもインストールしてみた。 :

サブPC(実機。CPU : AMD A8-3850)上で動かしている Ubuntu Linux 22.04 LTS + xubuntu-desktop (Xfce) でも、Wine をインストールしてみた。

ただし、こちらは Ubuntu Linux の公式リポジトリ版 Wine をインストールした。

$ sudo dpkg --print-architecture
amd64

$ sudo dpkg --print-foreign-architectures
i386
sudo dpkg --add-architecture i386
sudo apt install wine32 wine64 winetricks

export WINEARCH=win32 winecfg を実行したら、Wine 6.0.3 と表示された。ちょっと古い版らしい。

winetricks を実行して、各種フォントをインストール。

六角大王フリーソフト版の解凍その他は前述のソレと同じ。wine roku32.exe で実行。

以下、証拠画像。六角大王フリーソフト版 5.25 Windows用が、Ubuntu Linux 22.04 LTS + Wine 6.0.3 上で動いている。

ubuntu2204_wine603_ss01.png

ただ、よく見ると、内部のウインドウの右上のアイコンがおかしい。最小化、最大化、閉じる等のアイコンではなく、謎の文字が表示されてしまっている。

Wineのバージョンが古いせいだろうか。公式リポジトリ版の Wine 6.0.3 ではなく、比較的新しい版、7.0.1 を使ってみる。

公式リポジトリ版 Wine をアンインストール。設定フォルダも削除。
sudo apt purge wine wine32 wine64 winetricks
sudo apt autoremove
rm -rf ~/.wine

比較的新しい版のインストールは以下。

_Ubuntu WineHQ Repository - WineHQ Wiki

UbuntuのバージョンによってURLが違ってくるので注意。以下は Ubuntu 22.04 LTS 用。
sudo dpkg --add-architecture i386
sudo mkdir -pm755 /etc/apt/keyrings
sudo wget -O /etc/apt/keyrings/winehq-archive.key https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key
sudo wget -NP /etc/apt/sources.list.d/ https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/dists/jammy/winehq-jammy.sources
sudo apt update
sudo apt install --install-recommends winehq-stable

もし、アンインストールしたくなったら、以下が参考になりそう。

_Wine 5 のインストール(Ubuntu 上)

Xサーバ経由で利用。 :

サブPC (Ubuntu Linux 22.04 LTS) に MobaXterm でアクセスして、Linux + Wine 上で動いてる六角大王フリーソフト版を、Windows10 x64 22H2 の画面にXサーバを通じて表示して操作することもできた。

ただ、以下のエラーメッセージが大量に表示されてしまう。
Xlib:  extension "MIT-SHM" missing on display "localhost:10.0".

ググったところ、SHMというのは共有メモリのことで、XクライアントとXサーバが同じPC上で動いてるときは共有メモリを利用して処理を高速化できるのだとか。しかし、ネットワークを介して処理する場合は共有メモリなんて使えないので、その場合は利用しない状態で動く…らしいのだけど、Wineは処理を高速化するために問答無用で MIT-SHM を使おうとしてこういうメッセージが出てくるらしい。

Wine関連のフォーラムでは、2009年頃から「こういうメッセージが出てくるんだけどどうしたらいいの?」と質問が出ていて、その都度「--without-xshm をつけて全部無効にしてビルドしなおせ」と冷たく返されて終わってしまう模様。

_Wine and XShm support
_[Bug 23235] If Xserver does not suppoer MIT-SHM, log get spammed

余談。 :

六角大王フリーソフト版と、六角大王Super6を比較してみたけれど。六角大王フリーソフト版の基本機能は、六角大王Super6 において、マンガモードと対称編集モードに分かれてしまったように見えた。フリーソフト版のほうが使いやすいという感想もなんとなく分かる。元々一つになっていた機能が分割されてしまったので、それぞれのモードが劣化版に見えてしまう可能性は否定できない。

とりあえず、Linux + Wine 上で六角大王フリーソフト版が動かせそうだと分かったので、「どうしてもあのモデリング感覚がいいのじゃ」という人は、そういった環境を用意して使い続けるのもアリかも。

仮想PC + Windows95/98 は、そもそも Windows95/98 が有償で、しかも今では入手困難と言うハードルがあるけれど。Linux なら無料で利用できるし、今でも入手可能なので、誰でも試せるはず。

*1: 2022/11/23追記。sudo update-alternatives --display lha と打ったら、/usr/bin/lha は /usr/bin/lhasa にリンクされてた。

#2 [linux][ubuntu][cg_tools] Linux + Wine で G.CREW 5 を試用してみた

せっかく Wine を触ってみたことだし、他のアプリも動くかどうか試してみたいなと。そこで、Ubuntu Linux 22.04 LTS + Wine 7.0.1 上で Windows 95/NT時代のドローソフト、G.CREW 5 が動くかどうか試してみた。ちなみに G.CREW 5 は、めちゃくちゃ大昔に購入したものの、ほとんど使わずに放置してた。そもそも今時のOS上では動作しないし。

_メッツ、「PAINT SHOP PRO」などソフト3種の新バージョンを発売

1997年発売ということは、まだ Windows98 すら出てきていない時代のソフトということになるのだろうか。

G.CREW 5 のセットアップCD-ROMのisoを Ubuntu Linux 22.04 LTS にコピーして、/media/iso にマウント。
sudo mkdir /media/iso
sudo mount -o loop -t iso9660 /home/pub/iso/GCREW5.iso /media/iso

winecfg を起動したら、D: に /media/iso が既に割り当てられていた。

gcrew5_on_wine_ss01.png


winecfg を終了してから、wine explorer を実行。マイコンピューター → D: → setup.exe をダブルクリックしたところ、G.CREW 5 のセットアッププログラムが起動した。

gcrew5_on_wine_ss02.png

gcrew5_on_wine_ss03.png


「G.CREW 5」というロゴをクリックすると、G.CREW 5 のセットアッププログラムが起動した。インストール作業を続行。

インストール後、winecfg を起動して、アプリケーションを追加。GCREW32.EXE に Windows95 を割り当てた。

gcrew5_on_wine_ss04.png


Ubuntu のデスクトップのスタートメニューから、Wine → G.CREW Ver5.0 を選んで起動。

gcrew5_on_wine_ss05.png


起動した。一見するとそれっぽく動いてる。

gcrew5_on_wine_ss10.png


しかし、サンプルデータを開いてみたら、ちょっと妙な結果になった。

gcrew5_on_wine_ss11.png

gcrew5_on_wine_ss12.png

表示倍率が違うだけなのに、ロゴの表示位置がずれてしまっていることが分かるだろうか…? 更に拡大表示すると、位置がますますずれて、ロゴが完全に画面外に消えてしまった。

そんなわけで、Linux + Wine + G.CREW 5 は、ある程度は動くけど、完全に正常動作するわけでもなさそうだなと分かった。

以上、1 日分です。

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