mieki256's diary



2015/06/08(月) [n年前の日記]

#2 [anime] 色調整とデジタル制作

昔、ピクサー映画の「Mr.インクレディブル」のメイキング映像を見ていたら、「色も演出に使ってるんだよ」「憂鬱なシーンは無彩色で、ワクワクするシーンは原色で見せてるのさ」という説明があって「ほほう、そんな手が」と感心したことがあって。また、その後作られた「カールじいさん」も同じテクニックを使っていて、そこでもやっぱり感心したのだけど。

で。日本のアニメってそういうことをあまりやってなかったよな、てな印象があったのですが。 *1

しかし、数日前に、ちと昔に作られた、日本のとあるアニメ映画も色を演出に使ってたと知りまして。なるほど、やってる作品はちゃんとやってるんだなあ、と。

その、ちょっと昔の映画は、当時としては珍しくデジタル撮影で作られた映画らしいのだけど。そこで自分はピンと来たのでした。アニメの場合、デジタル撮影が使えるかどうかが、色を演出として使えるかどうかに結構関わってるんじゃないのかなと。…あくまで素人の勝手な想像ですけど。

フィルム撮影時代は、撮影段階で色の調整なんて不可能に近かったのだろうなと。いや、色のついたセロファンを載せたり等、あからさまに色味をバキッと変える手管なら色々あったと思うけど、微妙な調整は無理だったろうと。現像されたフィルムを見て「あちゃー」となったら、また1コマずつ再撮影しなきゃいけないのだから、絶対に撮影さんから嫌がられるよなと。

となると、素材レベルで、あらかじめ色を調整しておくしかないわけで。

色指定の人と相談して、このシーンはこういう色調にしたいから色指定作ってください、と。その特殊な色指定でセルを塗ってもらって、背景を描く方には「こういう色で」と指示を出す。要するに、「未来少年コナン」「カリ城」の水中シーンですよ。セルも背景画も普段と色が違う、みたいな。

でも、スケジュールが厳しいのに、カット毎、シーン毎に、別の色指定を作るとか大変だよなと。仕上げの人達(セルに色を塗る人達)だって、うっかりノーマルな色で塗ってしまうかもしれない。いつもと違うことをするのは、どの部署でも嫌がられるはず。

とか考えていくと、デジタル撮影は楽だよなと。諧調が足りなくてマッハバンドが出ちゃったり等の問題はあるかもしれないけど、彩度や色相を比較的簡単に、撮影段階で変更できる。フツーに考えたら、コレを使わない手はないよなと。

もちろん、近年のアニメは撮影段階で手を加えてることが増えていて。例えば京アニ作品を見てると、撮影さん大活躍だったりするわけですが。たしか以前、彩度変更で演出してたシーンを見かけて「おお、凝ってる…」と感心した記憶もあるし。

でも、まったく何もやってそうにない作品も、たまに、というか、結構見かける印象もあるわけで。

もしかすると、フィルム撮影時代の感覚のまま演出してる方々が結構混じっているのかなと。フィルム撮影に比べて、デジタル撮影で何ができるようになったのか、そこがわからないと指示の出しようもないよな…。いや、それとも単にスケジュールの問題だろうか。今は本数多過ぎて無茶苦茶なことになってるらしいし。演出どうこう以前に、まずは放送に間に合わせないと…。

まあ、そんなどうでもいいことをぼんやり思いついたのでなんとなくメモ。只の思考メモです。
*1: やってることはやってるけれど、画面が真っ青になるとか、真っ赤になるとか、あからさまに変わる感じで…。さりげなく、てな感じではないというか。

以上です。

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