mieki256's diary



2014/12/27() [n年前の日記]

#1 [dxruby][ruby] ayame.soをビルドしようとしてハマり中

環境は、Windows7 x64 + RubyInstaller 1.9.3 x86(mingw版) + DevKit(MinGW/MSYS)。

ayame.so 0.0.3 のソースファイル群の中に extconf.rb があるので、まずはソレを使って Makefile を作ろうと試みる。
> c:\DevKitインストール場所\devkitvars.bat
> ruby extconf.rb

checking for main() in -ldsound... yes
checking for main() in -lole32... yes
creating Makefile
Makefile ができたように見えた。

make を実行。
> make

generating ayame-i386-mingw32.def
compiling ayame_ruby.cpp
cc1plus.exe: warning: command line option "-Wdeclaration-after-statement" is valid for C/ObjC but not for C++
cc1plus.exe: warning: command line option "-Wimplicit-function-declaration" is valid for C/ObjC but not for C++
In file included from AyameManager.h:13:0,
                 from VoiceElementAyame.h:10,
                 from ayame_ruby.cpp:11:
Ayame.h:12:20: fatal error: dsound.h: No such file or directory
compilation terminated.
make: *** [ayame_ruby.o] Error 1
「dsound.h なんて無いよ」と怒られる。

dsound.h は、おそらく DirectX SDK のインストール場所/Include に入ってる予感。ヘッダファイル(.h)の他に、ライブラリファイル(.lib)も必要になるのかな。以下に入ってそう。
C:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/Include
C:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/Lib
この2つの場所をどこかで指定してやらないといけない気がする。

extconf.rb の中で実際に仕事をしてくれているのは、mkmf というモジュールらしい。 _library mkmf を眺めたら、--with-opt-include=DIR、--with-opt-lib=DIR を指定することで、ヘッダファイルとライブラリファイルの場所を教えてやることができる、と書いてあった。試してみる。
> ruby extconf.rb --with-opt-include="C:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/Include" --with-opt-lib="C:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/Lib"

checking for main() in -ldsound... yes
checking for main() in -lole32... yes
creating Makefile
> make

compiling ayame_ruby.cpp
cc1plus.exe: warning: command line option "-Wdeclaration-after-statement" is valid for C/ObjC but not for C++
cc1plus.exe: warning: command line option "-Wimplicit-function-declaration" is valid for C/ObjC but not for C++
In file included from Ayame.h:12:0,
                 from AyameManager.h:13,
                 from VoiceElementAyame.h:10,
                 from ayame_ruby.cpp:11:
C:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/Include/dsound.h:13:17: fatal error: sal.h: No such file or directory
compilation terminated.
make: *** [ayame_ruby.o] Error 1
今度は「sal.h が無いよ」と怒られた。dsound.h の中で #include <sal.h> と書かれてるようだけど…。

sal.h はどこにあるんだろう。たぶん、Visual C++ のインストール場所かな。
C:/Program Files (x86)/Microsoft Visual Studio 9.0/VC/include
C:/Program Files (x86)/Microsoft Visual Studio 9.0/VC/lib
この2つをさらに指定すればいいのかな?

でも、どうやって複数の場所を指定すればいいんだろう…? extconf.rb の使用例をググってみたけど、コマンドラインオプションで指定する方法は見つからない。

とりあえず、Makefile を直接書き換えてみた。
 CPPFLAGS =  "-IC:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/include" "-IC:/Program Files (x86)/Microsoft Visual Studio 9.0/VC/include" -DFD_SETSIZE=2048 $(DEFS) $(cppflags)
 LIBPATH =  -L. -L$(libdir) -L"C:/Program Files (x86)/Microsoft DirectX SDK (June 2010)/lib" -L"C:/Program Files (x86)/Microsoft Visual Studio 9.0/VC/lib"

make したら大量のエラーと警告が。ダメだあ〜(Undercover Cops のノリで)。

もう少し分かってきた。 :

  • DirectX SDK、Visual C++ の、ヘッダファイル・ライブラリファイルは、MinGW と互換性が無い。Visual C++ 用のライブラリファイルは、拡張子が *.lib。MinGW 用のライブラリファイルは、拡張子が *.a。だから、上の方でやってた作業は頓珍漢。
  • 実は MinGW の中に、DirectX用のヘッダファイルが含まれてる。d3d9.h がソレ。DirectX9相当らしい。
  • しかし、MinGW の中に、dsound.h は無い。
  • ところが、MinGW 用ライブラリファイルの中に、libdsound.a はある。どゆこと?

さて、そうなると…。
  • ayame.so を、Visual C++ でコンパイル・ビルドする手順を探すか。しかし、MinGW版 Ruby で使える拡張ライブラリを作るには、Visual C++ 6.0 が必要だったような?
  • それとも、MinGW で dsound.h を使ったソースもコンパイルできる環境を整えるか。
どうしたもんか。

dsound.hの使い方が解説されてた。 :

このタイミングで、 _DirectSoundとRubyのプログラミング - mirichiの日記 という記事を公開していただけた! ありがたや。感謝なのです。

どうやら MinGW64なら、dsound.h を使ったソースもビルドできるらしい…。そのあたりから辿って、おかげで色々分かってきたり。
  • Ruby 1.8.6、1.9.3 用 DevKit は、tdmとやらが使われてる。
  • Ruby 2.0.0 32bit版の DevKit は、mingw64-32 が使われてる。-32 は、32bit版用の結果を出力するってこと? 32bit版のRubyなら32bit版のMinGWが使われてる、と思ってたけど、そうではなかったらしい。
  • Ruby 2.0.0 x64版の DevKit は、mingw64-64 が使われてる。
  • Ruby 1.9.3 用の DevKit には、dsound.h が入ってない。なので、Ruby 1.9.3 + DevKit でビルドしようとするとハマる。
  • Ruby 2.0.0 用の DevKit には、32bit版、x64版、どちらにも dsound.h が入ってる。
  • MinGW32 と MinGW64 は、ヘッダファイルその他の数が全然違うように見える。MinGW32 のほうが少ない。
つまり、この手の実験をしたいなら、MinGW64 が使われている、Ruby 2.0.0以降を使うべし。

ということで、pik で Ruby 2.0.0 に切り替えて、2.0.0用の devkitvars.bat でPATHを変更して、ruby extconf.rb や make をしてみた。
> ruby extconf.rb
checking for main() in -ldsound... yes
checking for main() in -lole32... yes
creating Makefile

> make
generating ayame-i386-mingw32.def
compiling ayame_ruby.cpp
In file included from VoiceElementMidi.h:10:0,
                 from ayame_ruby.cpp:12:
midi.h: In member function 'long unsigned int CMidi::GetRealTempo() const':
midi.h:173:17: error: 'm_nTempo' was not declared in this scope
midi.h: In member function 'long unsigned int CMidi::GetTempo() const':
midi.h:177:34: error: 'm_nTempo' was not declared in this scope
ayame_ruby.cpp: In function 'void Init_ayame()':
ayame_ruby.cpp:422:73: warning: deprecated conversion from string constant to 'TCHAR* {aka char*}' [-Wwrite-strings]
make: *** [ayame_ruby.o] Error 1
midi.h 内でエラーは出るものの、今までと全然違う感じのエラーメッセージが。ヘッダファイルやライブラリファイルの場所も指定する必要無し。こういうことだったのか…。

しかし、何故にエラーが。何かしらコンパイルオプションをつけないといかんのかしら。それともバージョン違いで起きるのかな。DevKitは、RubyInstaller で公開されてる現行版、4.7.2 20130224 なのだけど。

この記事へのツッコミ

Re: ayame.soをビルドしようとしてハマり中 by ワナベ    2014/12/28 12:47
こんにちは、はじめまして。ワナベと申します。
DXRuby Advent Calendar では勝手ながら記事を参照させていだだきました。事後報告ですみません。

お困りの箇所ですが、たぶん直前の行のコメント「分解能」が 0x5c で終わっているからではないでしょうか。
https://sites.google.com/site/fudist/Home/grep/sjis-damemoji-jp
DevKit のコンパイラは UTF-8 対応だったように思いますので、
UTF-8 に変換するか、
S-JIS/CP932 対応のコンパイラを使うか、
簡易的にコメントの後にスペース等の文字を付け足してやるか
をしてやると動くのではないかと思います。

また、Ayame.DLL 用のライブラリがなさそうなので、あらかじめ pexport と dlltool などで .a ファイルを作っておいた方がよいように思います。
http://d.hatena.ne.jp/arakik10/touch/20100504/p1

いずれも試してはいませんので確実ではありません。
解決済みでしたらすみません。
Re: ayame.soをビルドしようとしてハマり中 by ワナベ    2014/12/28 12:56
何度もすみません、追記です。
-finput-charset=CP932 -fexec-charset=CP932 というオプションで文字コードを指定するのが正しいやり方のようです。
http://d.hatena.ne.jp/hake/touch/20120505/p1
Re: ayame.soをビルドしようとしてハマり中 by mieki256    2014/12/29 02:56
ありがとうございます! まさしくそれ(S-JIS/UTF-8)が原因でした。勉強になりました…。
pexport、dlltool は知らなかったので、これも試してみたいと思います。

以上です。

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