2013/07/08(月) [n年前の日記]
#4 [anime][neta] CG特撮は日本人向き
今一つ考えがまとまってないけど思考メモ。
ものづくりは、失敗する場面まで考えながら行うもの。らしい。
要するに、トライ&エラーが多ければ、その分野は進歩するのだと思う。
大昔の日本が、特撮分野で評価を得ていたのは、ミニチュアの精巧さによるところが大きい。つまり、「作り込み」に関して、日本人は強い。
しかし、ミニチュアや着ぐるみを撮影する時は ―― 特に破壊シーンは、一発勝負。トライ&エラーが許されない。「作り込み」ができない場面と言える。
これが、日本におけるアナログ特撮の限界。一発勝負は現場ではウケがいいだろうけど、しかし「作り込み」「トライ&エラー」ができない。日本人が持つ強みを活かせない。
その点、CG特撮は、常にトライ&エラーの繰り返し。そして、「作り込み」が必須。モデリングにしろ、カメラワークにしろ、レンダリングにしろ、一発で決まることはまずない。
故に、日本人が強い「作り込み」を活かしながら、トライ&エラーを繰り返せるCG特撮は、極めて日本人向きだと思う。
前例・実証例として、アニメがあるようにも思える。
CG特撮も、おそらく同様。日本人が持つ職人気質を活かせるやり方・作り方ではないだろうか。
でも、前述のソレが仮に正しいなら、ミニチュアや着ぐるみその他のアナログ特撮も、一発勝負を極力排除できる工夫が盛り込まれていけば、復権できる・生き残れる…?
ものづくりは、失敗する場面まで考えながら行うもの。らしい。
- 宇宙兄弟の主人公も言ってた。「ものづくりは失敗することを前提にして」云々。
- パナソニックがポータブルDVDプレイヤーを開発した時も、何度も破壊実験を行って各部品の性能を高めていった。
- アイアンマンのモデリングだかCGだかを担当した日本人の人も、「ハリウッド映画では1カットを何十回も作り直す」と言っていた。
要するに、トライ&エラーが多ければ、その分野は進歩するのだと思う。
大昔の日本が、特撮分野で評価を得ていたのは、ミニチュアの精巧さによるところが大きい。つまり、「作り込み」に関して、日本人は強い。
しかし、ミニチュアや着ぐるみを撮影する時は ―― 特に破壊シーンは、一発勝負。トライ&エラーが許されない。「作り込み」ができない場面と言える。
- 予算や時間があるなら、一発勝負を何回も繰り返せるが、日本は貧乏なので何度もそんなことができない。
- 失敗が許されないから、以前に使った、「そこそこ」実績がある手法を再利用する。
- 作品ごとに要求される画はそれぞれ異なるのだから、毎回、手法も、その都度違って当たり前。
- なのに、失敗が許されないので、作品にとってベストな手法ではなく、今一つ合ってないがとりあえず出来上がる手法を選んでしまう。
- 結果、技術的に進歩しない。手数を増やせない。せっかく作り込んだミニチュアがあっても、時代遅れの画しか出来上がってこない。
これが、日本におけるアナログ特撮の限界。一発勝負は現場ではウケがいいだろうけど、しかし「作り込み」「トライ&エラー」ができない。日本人が持つ強みを活かせない。
その点、CG特撮は、常にトライ&エラーの繰り返し。そして、「作り込み」が必須。モデリングにしろ、カメラワークにしろ、レンダリングにしろ、一発で決まることはまずない。
故に、日本人が強い「作り込み」を活かしながら、トライ&エラーを繰り返せるCG特撮は、極めて日本人向きだと思う。
前例・実証例として、アニメがあるようにも思える。
- 原画マンが1本線を引くたびに、美術の人が筆で1点色を足すたびに、そこでは「作り込み」が行われてる。
- 監督や演出家が、上がってきた原画にリテイクを出すたびに、そこでは「トライ&エラー」が行われている。
CG特撮も、おそらく同様。日本人が持つ職人気質を活かせるやり方・作り方ではないだろうか。
でも、前述のソレが仮に正しいなら、ミニチュアや着ぐるみその他のアナログ特撮も、一発勝負を極力排除できる工夫が盛り込まれていけば、復権できる・生き残れる…?
◎ 全然関係ないようで関係ありそうな話。 :
ちなみに。そういう視点で見ても、原発は日本人向きじゃない。アレは失敗が許されないモノの代表例だから。本当なら、もんじゅの爆発実験が許されるぐらいの社会じゃないと進歩は得られない。でも、そんなの無理。
失敗することが許されないなら、失敗が許される別のやり方を検討したほうがいい。太陽光発電にしろ、風力発電にしろ、失敗してもトンデモなことにはならない。つまり、トライ&エラーが比較的許されるので、進歩が早い。実際、原発事故後、他の発電分野では新技術がいくつ産まれたか・発見されたかチェックしてみれば、進歩する速度の違いが分かるはず。発電分野に限らず、節電技術も同様。失敗しても大惨事にならないから、新技術が生まれやすい。
将来モノになるかどうかの賭けをしなきゃいけないなら、「ソレは失敗がどの程度許されるか」「トライ&エラーがしやすいか」を判断してから賭けたほうがいい。失敗が許される分野は、成長も早い。「今、実用になるか」ではなくて、「成長しそうか」を見抜くには、「失敗することが許されているか」を見るべき。
もっとも、原発だって、失敗が許される状況を実現するための基礎技術 ―― 例えば放射性物質の半減期を短くする技術などが発見されたら状況は全く変わってくる。湯川秀樹が言っていた、「原子力には『急がば回れ』があてはまる」てのは、そういう面も含まれていたはず、と勝手に想像しているのだけど。
失敗することが許されないなら、失敗が許される別のやり方を検討したほうがいい。太陽光発電にしろ、風力発電にしろ、失敗してもトンデモなことにはならない。つまり、トライ&エラーが比較的許されるので、進歩が早い。実際、原発事故後、他の発電分野では新技術がいくつ産まれたか・発見されたかチェックしてみれば、進歩する速度の違いが分かるはず。発電分野に限らず、節電技術も同様。失敗しても大惨事にならないから、新技術が生まれやすい。
将来モノになるかどうかの賭けをしなきゃいけないなら、「ソレは失敗がどの程度許されるか」「トライ&エラーがしやすいか」を判断してから賭けたほうがいい。失敗が許される分野は、成長も早い。「今、実用になるか」ではなくて、「成長しそうか」を見抜くには、「失敗することが許されているか」を見るべき。
もっとも、原発だって、失敗が許される状況を実現するための基礎技術 ―― 例えば放射性物質の半減期を短くする技術などが発見されたら状況は全く変わってくる。湯川秀樹が言っていた、「原子力には『急がば回れ』があてはまる」てのは、そういう面も含まれていたはず、と勝手に想像しているのだけど。
*1: もちろん実写も、役者の演技等であればトライ&エラーができるけど、例えば車がひっくり返るようなシーン、セットを燃やすシーンなどは、失敗できない。
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以上です。