2022/03/10(木) [n年前の日記]
#1 [cg_tools] Jw_cadをまだ試用中
Windows10 x64 21H2 上で、フリーで使える 2D CAD、Jw_cad 8.24a を試用中。
なんとなく操作方法は分かってきた。
そういえば、PDFでエクスポートする機能は無いっぽい。「CubePDF のようなPDF出力できる仮想プリンタをインストールしてどうにかしましょう」的な解説記事を多々見かけた。いやまあ、それでも目的は果たせるけれど、AR_CAD のようにPDFエクスポート機能を標準実装してあるほうが助かるわなと。
なんとなく操作方法は分かってきた。
- 作業を始める前に印刷枠を書き込んでおくと都合がいいらしい。印刷ボタンを左クリック → 「プリンターの設定」で用紙サイズや向きを指定 → 「回転 0°」をクリックして縦向きか横向きを変更 → 「枠書込」をクリックして、印刷枠を書き込む。
- 線を引いたり、矩形を描いたり、円を描く際は、右クリックで、既にある図形の端点や交点に吸着(スナップ)できる。左クリックは、自由な位置指定。
- 左右ボタンを同時押ししてドラッグすれば、拡大・縮小・全体表示等ができる。右上が全体表示、左上が縮小、右下が範囲を選択して拡大。
- 各コマンド(?)を選ぶとステータスバーに操作のヘルプが出てくるので、参考にして操作すればいい。
そういえば、PDFでエクスポートする機能は無いっぽい。「CubePDF のようなPDF出力できる仮想プリンタをインストールしてどうにかしましょう」的な解説記事を多々見かけた。いやまあ、それでも目的は果たせるけれど、AR_CAD のようにPDFエクスポート機能を標準実装してあるほうが助かるわなと。
◎ Jw_cadの感想。 :
思考メモ。というか感想メモ。感想には個人差があります。
Jw_cad を触っているうちに、普段使わせてもらっている AR_CAD の操作仕様が良くできていることを再認識した。
例えば…。2D CAD で、線を引く機能は基本中の基本と言うか、最も多く使われる機能だろうと想像するのだけど…。
Jw_cad の場合、線を引くだけでも、「さて、この場面では左クリックをするべきか、それとも右クリックをするべきか」と一瞬悩んでしまう。しかも直線と言うものは、始点と終点の2ヵ所を指定しなければ引けないので…。線を1本引くだけで2回も悩まされてしまう。 *1
それと比べると AR_CAD は、左クリックだけで線を引くから一切悩まなくていい。また、既に描かれている図形の、端点・交点・中点の近くにマウスカーソルを持っていくだけで、「ここに端点があるよ」「ここに中点があるよ」とマークを表示してくれて、そのマークが表示されているタイミングで左クリックすれば自動でそれらに吸着してくれる。要するに、左クリックだけで、自由な位置も、吸着位置も、どちらも打ててしまう。
2D CADの基本中の基本、「線を一本引く」という操作ですら、このような違いがあるわけで…。AR_CAD は初心者でも悩まずに操作できるけど、Jw_cad は、事あるごとに、「ココは左かな? 右かな?」と悩みながら操作することになってしまう。
もちろん、Jw_cad に慣れた人なら、
「そんなの使っているうちに慣れてきて、無意識レベルで左右クリックを使い分けるようになるよ。たいした問題じゃない」
と言い出すのだろうけど。それって、
「vimを使っていれば自然とhjklでカーソル移動できるようになるよ。カーソルキーなんて要らないだろ」
「vimを使っていれば文字打ち込む前にiやaやcwを無意識で打つようになるよ。ESCキー位置は指が自然と覚えるし」
と言い出しちゃうノリに近いというか…。そこにある理不尽さを「慣れろ」の一言で誤魔化しちゃいけない…。 *2
そんなわけで、Jw_cad は 2D CAD版 vim、かもしれないなと思えてきたりもして。慣れてしまった人はソレが無いと仕事にならない。でも、今からあえて習得するものでもない。他にもっと良い選択肢があるはず。そういう種類の道具じゃないのかなと…。たぶん。vim もそうだろうけど、どこかの職場でずっとソレしか使われてなくて、先輩達もすっかりソレに慣れちゃってて、仕方なく自分も使わざるを得ない状況になりましたトホホ、みたいな流れで渋々使うソフトではないだろうか。あえて今時、自ら選んで使うソフトではないのだろうな…。
これは勝手な想像だけど。Jw_cad は、元々はDOS時代に作られたCADらしいので、ユーザーが「○○の処理をせよ」と指示してくるまでソフト側では何もしないぞ、というのが基本設計としてあって、故に操作がしっくりこないのかもしれないなと。
当時はCPUリソースも描画性能も足りなかったので、例えばマウスカーソルを動かすたびに、「ここが端点」「ここが中点」「ここが交点」なんて逐一調べて結果を画面に出してたら、重くて重くてしょうがなかったのでは。だから、ユーザーがマウスを右クリックして「さあ、これから端点や交点を調べろ。(ちょっとぐらい時間がかかってもいいから処理をしろ)」と明確に指示を出してくるまで勝手な処理は一切しない ―― そういう潔い(?)作りにしておかないと実用にならなかったのではないかと。たぶん。
しかし、今はもう、そういう時代じゃないよな…。例えば Microsoft Visual Studio Code なんて、文字を1文字打ち込むたびに、「貴方がこれから打ち込みたいと思っている単語は、もしかしてこれじゃないでしょうか?」と予想リストをずらりと出してきたりする。
要するに、CPUリソースをガンガン使って、ユーザーが何をしたいのか絶えず推測し続けて、「もしかしてコレ?」と候補を出す。そうすることで作業効率を上げていく。それが今時のソフトの作りではないだろうか。
AR_CAD が、マウスカーソルを動かすたびに、既に描かれてる図形の、端点・交点・中点にマークを表示するのもそういうことだろう。AR_CADは、マウスカーソルが動くたびに、常時CPUリソースを割いて、周辺に何が有るのか判別する処理をしている。そして、「マウスカーソルが端点の近くに寄ってきているぞ…。このユーザーは、今この瞬間、その端点から線を引きたいと思っているのではないかな?」と推測して、マークを表示して、「今クリックするとココに吸着できます。貴方がやりたいのはこういうことではないですか?」と、これから行う作業の候補を伝えてくれる。今時のソフトなら、そのような方向でユーザーを手助けするように作るものなのだろうと。 *3
ということで、一応操作方法を勉強してみたものの、これから 2D CAD を触ってみたいという人には Jw_cad より AR_CAD をオススメしたいなと…。Jw_cad は先読みして助けてくれない。設計が古いので、こちらから細かく指示しない限り、本当に何もしてくれない。作業上必要になりそうな機能は実装済みなのだけど、とにかく気が利かない。そんな印象を受けてしまったというか。
もちろん、Jw_cad に慣れてる人は、そのまま Jw_cad を使い続ければいいわけで…。vim に慣れてる人はわざわざ別のエディタを使う必要なんてないのと同じで、各人、慣れてる道具を使うのが一番。そのほうが高い作業効率を得られる。
ただ、初心者相手に「(Jw_cad|vim)は便利だよ」と言って騙しちゃ(?)いかんよなと…。コレはお爺ちゃん達の愛用の道具に過ぎないので新人さん(?)は触らなくていいですよ。もっと今風の道具を選びましょう。みたいな。
もっとも、色々触ってみないと、何が古くて何が今風かも分からないだろうけど…。
思考メモ、というか感想メモです。感想には個人差があります。
Jw_cad を触っているうちに、普段使わせてもらっている AR_CAD の操作仕様が良くできていることを再認識した。
例えば…。2D CAD で、線を引く機能は基本中の基本と言うか、最も多く使われる機能だろうと想像するのだけど…。
Jw_cad の場合、線を引くだけでも、「さて、この場面では左クリックをするべきか、それとも右クリックをするべきか」と一瞬悩んでしまう。しかも直線と言うものは、始点と終点の2ヵ所を指定しなければ引けないので…。線を1本引くだけで2回も悩まされてしまう。 *1
それと比べると AR_CAD は、左クリックだけで線を引くから一切悩まなくていい。また、既に描かれている図形の、端点・交点・中点の近くにマウスカーソルを持っていくだけで、「ここに端点があるよ」「ここに中点があるよ」とマークを表示してくれて、そのマークが表示されているタイミングで左クリックすれば自動でそれらに吸着してくれる。要するに、左クリックだけで、自由な位置も、吸着位置も、どちらも打ててしまう。
2D CADの基本中の基本、「線を一本引く」という操作ですら、このような違いがあるわけで…。AR_CAD は初心者でも悩まずに操作できるけど、Jw_cad は、事あるごとに、「ココは左かな? 右かな?」と悩みながら操作することになってしまう。
もちろん、Jw_cad に慣れた人なら、
「そんなの使っているうちに慣れてきて、無意識レベルで左右クリックを使い分けるようになるよ。たいした問題じゃない」
と言い出すのだろうけど。それって、
「vimを使っていれば自然とhjklでカーソル移動できるようになるよ。カーソルキーなんて要らないだろ」
「vimを使っていれば文字打ち込む前にiやaやcwを無意識で打つようになるよ。ESCキー位置は指が自然と覚えるし」
と言い出しちゃうノリに近いというか…。そこにある理不尽さを「慣れろ」の一言で誤魔化しちゃいけない…。 *2
そんなわけで、Jw_cad は 2D CAD版 vim、かもしれないなと思えてきたりもして。慣れてしまった人はソレが無いと仕事にならない。でも、今からあえて習得するものでもない。他にもっと良い選択肢があるはず。そういう種類の道具じゃないのかなと…。たぶん。vim もそうだろうけど、どこかの職場でずっとソレしか使われてなくて、先輩達もすっかりソレに慣れちゃってて、仕方なく自分も使わざるを得ない状況になりましたトホホ、みたいな流れで渋々使うソフトではないだろうか。あえて今時、自ら選んで使うソフトではないのだろうな…。
これは勝手な想像だけど。Jw_cad は、元々はDOS時代に作られたCADらしいので、ユーザーが「○○の処理をせよ」と指示してくるまでソフト側では何もしないぞ、というのが基本設計としてあって、故に操作がしっくりこないのかもしれないなと。
当時はCPUリソースも描画性能も足りなかったので、例えばマウスカーソルを動かすたびに、「ここが端点」「ここが中点」「ここが交点」なんて逐一調べて結果を画面に出してたら、重くて重くてしょうがなかったのでは。だから、ユーザーがマウスを右クリックして「さあ、これから端点や交点を調べろ。(ちょっとぐらい時間がかかってもいいから処理をしろ)」と明確に指示を出してくるまで勝手な処理は一切しない ―― そういう潔い(?)作りにしておかないと実用にならなかったのではないかと。たぶん。
しかし、今はもう、そういう時代じゃないよな…。例えば Microsoft Visual Studio Code なんて、文字を1文字打ち込むたびに、「貴方がこれから打ち込みたいと思っている単語は、もしかしてこれじゃないでしょうか?」と予想リストをずらりと出してきたりする。
要するに、CPUリソースをガンガン使って、ユーザーが何をしたいのか絶えず推測し続けて、「もしかしてコレ?」と候補を出す。そうすることで作業効率を上げていく。それが今時のソフトの作りではないだろうか。
AR_CAD が、マウスカーソルを動かすたびに、既に描かれてる図形の、端点・交点・中点にマークを表示するのもそういうことだろう。AR_CADは、マウスカーソルが動くたびに、常時CPUリソースを割いて、周辺に何が有るのか判別する処理をしている。そして、「マウスカーソルが端点の近くに寄ってきているぞ…。このユーザーは、今この瞬間、その端点から線を引きたいと思っているのではないかな?」と推測して、マークを表示して、「今クリックするとココに吸着できます。貴方がやりたいのはこういうことではないですか?」と、これから行う作業の候補を伝えてくれる。今時のソフトなら、そのような方向でユーザーを手助けするように作るものなのだろうと。 *3
ということで、一応操作方法を勉強してみたものの、これから 2D CAD を触ってみたいという人には Jw_cad より AR_CAD をオススメしたいなと…。Jw_cad は先読みして助けてくれない。設計が古いので、こちらから細かく指示しない限り、本当に何もしてくれない。作業上必要になりそうな機能は実装済みなのだけど、とにかく気が利かない。そんな印象を受けてしまったというか。
もちろん、Jw_cad に慣れてる人は、そのまま Jw_cad を使い続ければいいわけで…。vim に慣れてる人はわざわざ別のエディタを使う必要なんてないのと同じで、各人、慣れてる道具を使うのが一番。そのほうが高い作業効率を得られる。
ただ、初心者相手に「(Jw_cad|vim)は便利だよ」と言って騙しちゃ(?)いかんよなと…。コレはお爺ちゃん達の愛用の道具に過ぎないので新人さん(?)は触らなくていいですよ。もっと今風の道具を選びましょう。みたいな。
もっとも、色々触ってみないと、何が古くて何が今風かも分からないだろうけど…。
思考メモ、というか感想メモです。感想には個人差があります。
◎ 図形は豊富。 :
Jw_cad の良いところも書いておきたいなと…。元々建築用途で使われていたCADだそうで、そのせいか建物関係の図形がめちゃくちゃたくさん標準添付されているので、その手の図面を作る際はおそらくペタペタと図形を貼っていくだけでサクサクと作れそうだなと。作業に必要な図形が揃ってさえいれば、まるでスタンプ感覚で図面を作れてしまうのではないかと。状況によっては線を一本も引かずに図面を作れそう。
もっとも、自分は建築関係の図面を引いたりはしないので、そういったメリットは享受できないのだけど。トホ。
ざっと見た感じ、トイレの図形が山のように用意されていて…。いやはや、トイレってこんなに種類があるのか、などと変な方向で感心を…。
もっとも、自分は建築関係の図面を引いたりはしないので、そういったメリットは享受できないのだけど。トホ。
ざっと見た感じ、トイレの図形が山のように用意されていて…。いやはや、トイレってこんなに種類があるのか、などと変な方向で感心を…。
*1: 慣れた人なら「基本的に右クリックしか使わないだろ」と言い出すのかもしれない。作図という作業をする上では、自由な位置に点を打つより、吸着して点を打つ瞬間のほうが圧倒的に多いはずなので。しかし、それはそれで、「だったらどうして左クリックをデフォルトで吸着にしなかったの?」「なぜそうまでして右クリック多用を強制してくるの?」という疑問が生じてしまう。頻繁に使う機能は左クリックに割り振っておくのが妥当ではないか。もっとも、例えば昔のblenderも右クリックが選択だったわけで…。ひょっとして、昔は右クリックをメインにするUI文化が一部に根強く存在していたのだろうか?
*2: いやまあ、自分もサーバの設定ファイルを書き換える際には nanoエディタより vim をつい立ち上げちゃうようになったので、vim が便利に使える場面もあると知ってますけど。でも、初心者相手にオススメしちゃいけないエディタだよなあ…。まだ nano か gedit のほうが直感的に使えるだろうと…。
*3: ただ、AR_CAD も結構前からあるCADで、今風と呼べるほど新しいわけでもないのだけど…。このあたり、DOS時代とWindows時代の感覚の違いでしかないのかもしれず。
*2: いやまあ、自分もサーバの設定ファイルを書き換える際には nanoエディタより vim をつい立ち上げちゃうようになったので、vim が便利に使える場面もあると知ってますけど。でも、初心者相手にオススメしちゃいけないエディタだよなあ…。まだ nano か gedit のほうが直感的に使えるだろうと…。
*3: ただ、AR_CAD も結構前からあるCADで、今風と呼べるほど新しいわけでもないのだけど…。このあたり、DOS時代とWindows時代の感覚の違いでしかないのかもしれず。
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以上です。