mieki256's diary



2018/12/16() [n年前の日記]

#1 [movie] 「シン・ゴジラ」を視聴

TV放映されるということで視聴してみたり。以前も放映されたけど、その際は一部を見損ねてたので、今度はちゃんと最初から終わりまでしっかり見ようと。

改めて眺めてみると、実にハイコンテクストな映画だなと。

例えば、政治家さんが、「この国はスクラップアンドビルドで」という台詞を言うけれど、ソレ、日本人しか分からないよなと…。日本人でも、小中学生はまず分からないだろうし、下手すると高校生や大学生ですら分からないかもしれない。

「半減期」云々の台詞も、原発事故を起こしてしまった現在の日本人ぐらいしか、何を言ってるか分からないはず。海外で分かるとしたら、チェルノブイリ原発事故で酷い目にあったウクライナの人達ぐらいだろうと。アメリカ人なら、まず分からない。何せ核爆発をバックにキスしちゃう映画を作る人種だし。今現在の日本人だって、原発を再稼働しちゃった西日本の人達などは、ちょっと分からない台詞だったりするのかもしれない。あるいは、原発事故を起こす前の日本人も、まず分からない台詞だよなと。例えば、事故前に製作・公開された実写版宇宙戦艦ヤマトの中で、キムタク演じる古代進が放射能に苦しむシーンがあるけれど、今見ると失笑しちゃう描写なわけで。当時の日本人の知識状態は全般的にそんなものだったから、あの頃に「半減期が」という台詞があっても、おそらく意味が分からないよなと。昔だったら、「この女性、なんでここでこういう表情するの?」と、Yahoo!知恵袋に質問が書き込まれてたかも。

在来線無人ナンタラも、東京に住んでる人しか、たぶん分からないよなと…。いや、鉄オタさんならバッチリわかるか。「シンカリオン」の主人公みたいな人なら、あのシーンで大変なことになるわな。

そんな感じで、あらゆるシーンが、日本人、それも今現在の日本人に最適化しまくった映画だなと改めて認識。故に海外で大爆死したのも納得で。こんな映画、日本人以外に分かるわけない…。海外の観客には全てが意味不明な映画だったのではあるまいか。

なんとなく思い出すのは、松本人志監督の「大日本人」。カンヌで流した際に、観客が途中退席するわ、関係者しか拍手してないわで、さっぱりウケなかったらしいけど。アレも、そりゃ設定からして何をしようとしてるのか、日本人、それもウルトラマンを見ていた層しか分からないだろうなと…。

だからと言って、その手の映画がダメ映画というわけでもなく。分からない人には分からないけど、分かる人には最適化されてる分、かなり刺さる映画なはずで。実際、「シン・ゴジラ」も多数の日本人に刺さってみせたわけで。ただ、「日本でこんなにヒットしたのだから海外でも」と考えるのは、あまりに安易過ぎるなと…。

何にせよ、この映画は、日本人の、日本人による、日本人のための映画だなあ、と思いながら眺めたり。

以上、1 日分です。

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