mieki256's diary



2016/03/05() [n年前の日記]

#5 [anime][neta] カットの切り替えと色について

「ブブキ・ブランキ」のOP映像の「1! 2! 3! 4! 5!」が、個人的にお気に入りなのです。毎回アレを見るたびに「カッケー」「たまんねえ」と思うのです。

あのシーン、「キャラの顔のアップ+数字を示す指」という同じ構図が連続で表示されるので、そのまま見せちゃうとカットを切り替えてる感じが弱くなってしまうはず、なのですけど。そこはさすがプロというか…。 それらの工夫を加えていくことで、気持ち良さを感じる映像にどんどん近づけているのだなあ、などと感心しながら見ているのです。あのシーン、たまんねえッス。

失敗事例について。 :

どうして自分がそのあたりを気にしながら見ているかというと、昔、軽い失敗事例を目にした記憶があるからで。

戦隊シリーズの何かのタイトルで、赤い人が初めて変身する回、だったと思うのですが。赤い人の顔のアップ、胸のアップ、腰の武器のアップをバン!バン!バン!と見せてたのですよ。それを見た時、一瞬「おおっ、カッケー」と思ったものの、なんだかカットが切り替わってる感じが分かりづらいなと。「アレ? ひょっとして今、カットを切り替えていました?」ってぐらいに分かりづらい。どうしてだろう。なんでだろうと。

赤い人は赤いから、なのですよ。赤い人の体のどの部位をアップにしてみても、赤、赤、赤、が画面に映ってしまう。だから、カットを切り替えてることが分かりづらい。

おそらくですけど、人間の目や脳は、明度の違い → 色の違い → 形状の違い、の順番で認知していくんじゃないのかなと。そして、形状の違いを認知するためには、結構そこそこ長い時間凝視しないといけない。短い時間でバッバッバッと見せていく時は、形状の違いはちょっと認知しづらい。

「各カットの絵がそもそも違うんだから、カットが切り替わってることぐらい分かるだろ」なんて思ってたら、それはおそらく甘い。「明度と色以外は認知してもらえないかもしれないよね」ぐらいの予想をして、仮にそうだとしても全然OK、てな構成を、短い時間でパッパッパッと見せていくときは、意識しないといけないのだろうと…。

てなわけで、その赤い人のシーンを目にして以来、それらの見せ方が時々気になって。「おお、やってるやってる」「さて、これは上手くやってるのかな」「どんな手を使ってキレを良くしているのだろう」みたいな。そういうところが、ちょっと気になっているわけなのです。

まあ、昭和アニメの頃から「まずは色で差をつけろ」なんてのは当たり前のテクニックですし。そもそも戦隊シリーズだって、5人が別々の色だから、激しく動いていても見分けやすく、故に子供さんにも人気が出たはずで。「色の使い方がポイント」なんてのは今更な話、ではあるのですけど。

回避策。 :

同じ色調のカットが連続で出てきても、カットが切り替わってることを強調する策はいくつかありそうな気もするわけで。例えば…。
  • 白いコマや黒いコマをカット切り替え時に挿入する。一瞬だけ明度差を盛り込んで、そこに映像としてのトリガーがあることを認知させるというか。
  • フェードイン/フェードアウト/ホワイトフェードを使う。…EVAのTVシリーズのOP映像でやってますよね。ミサトさんや綾波の顔のアップがパッパッパッと出てくるところ。色調が同じというわけではないですが。
  • 高速ズームイン/ズームアウトを挿入する。…宇宙刑事ギャバンの登場シーンで使ってた記憶があるけど、偽記憶かしらん。EVAのTVシリーズの本編でもしょっちゅう使ってましたな。指令室のミサトさんの顔にいつも高速ズームインしてた印象が。もっともEVAのソレは、カットの切り替えの強調ではなく緊迫感を付加するために使ってたと思うのですが、アレは切り替えの強調にも使えるよなと。
  • 縦・横方向に動きをつける。高速スライドというか、高速PANというか。…BLOOD+の最初のOPや、ガンダムOOのOPでやってたはず。そこで動きにブラーをかけるか/かけないかによっても印象が少し変わるな、と当時思った記憶が。
そんな感じで色々思いつくわけで。…それぞれちゃんとした用語があると思うんですけど、そのあたりはよく知らないのですスミマセン。

ただ、ズームインにしろ、PANにしろ、動きを伴う切り替え方には、ちょっと問題があって。

画面の中が激しく動いてる最中は、そこに一体何が写ってるのか見ている人には把握しづらくて。だから、動きが止まってから「ああ、コレが写ってたのか」と認知してもらえる程度には、少々じっくり見せてやる必要が。つまり1カットが若干長目になって、映像のテンポ(?)が少々弱くなるという。その代り、各カットが動きを持っていることで、シーン全体としてダイナミックな印象が得られる利点もあるのですけど。

そう考えると、「ブブキ・ブランキ」の「1! 2! 3! 4! 5!」の僅かな揺らしは、
  • カットの切り替えを強調しつつ、
  • 何が写ってるか認知するまでの時間も短縮しつつ、
  • 動きを加えたことでダイナミックさを付加することもできている
わけでして…。この見せ方は上手いなあ、バランスが取れてる気がする、などと感心したのです。

とかなんとかだらだらと書いてはみたけど、要するにあのOPのあのシーンが個人的にお気に入りッス、ってだけの話なのでした。とっぴんぱらりのぷう。

以上です。

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