mieki256's diary



2015/08/05(水) [n年前の日記]

#1 [anime] 「GOD EATER」特番を視聴

3話の放送が終わった時点で、一旦特番が入ったようで。

アニメ評論家の藤津亮太氏が映像面について色々解説してくれて、内容面で美味しかった気がしたり。この特番はありがたい。

GOD EATERの映像、マジで凄いよなあ…。あんな映像で毎週放送できるわけがない…。手塗りのイラストっぽく見せる、てのは、要するに「かぐや姫の物語」と方向性が同じなわけだから…。「かぐや姫の〜」をTVアニメでやってみるぞ! って話だから、そりゃ間に合わんでしょう…。凄い決断をしたもんだよなと。

スタジオの社長さんが、「特番を入れることで、ちゃんと作らせたい」と言っていて。そういう手を使うことも前提にすることで、こういった作りもアリにしようという試みなのかとなんだか感心したり。

ということは、今後の特番内容も期待できるのかなと…。時間が無くて「なんでもいいからとにかく埋めろ!」じゃなくて、「どうせ特番作るなら、こういう内容はどうだろう」と考えながら作れるとしたら、それはそれでヨサゲだなと。

考えてみれば、「アニメ作品はアニメ映像だけで楽しませないといかん」と思い込む必要は無いよなと思えてきたりもして。付随する情報を提示することでもそれなりに楽しんでもらえるなら、そっちも一緒にチラチラ見せてくのは全然アリだなと。視聴者が知らない何かを提示することで楽しませる、という点では、アニメ本編も特番も同じだし。

ガルパンもそうだし、血界戦線もそうだろうけど、もう、TVアニメは放送に間に合わせることが最優先、という時代ではないのだろうなと。間に合わなくても、その分クオリティの高いモノを作って、その内容だったら円盤を買うよ、と思ってくれる人を増やすことで商売として成立させるというか。まあ、TVアニメと呼ばれるOVAが放送されてるのが実状なのかな、と思っているのですけど。

絵の情報量云々。 :

只の思考メモです。

「塗りの手間を増やすことで絵の情報量を増やして、他のエンターテイメント作品の映像レベルに近づける試み」という話が出ていて、そのあたり興味深かったり。たしかにそういう方向で売りを作っていくのもアリだよな、と思うのだけど。その方向って「アニメ」にとっては正しいのだろうかと、個人的には疑問を持ってる状態で。

アニメ映像は、元々は作業量の都合で、線とベタ塗りという情報量の少ない画作りをしてたわけだけど。ある意味、怪我の功名で、実写映像に比べると視聴者が1コマ1コマを認識しやすくなってた気がするわけで。それにより、動きについての情報量の補完を、視聴者の脳内でしやすかったあたりがアニメ映像の魅力だったのではなかっただろうか、などと自分は邪推(?)していたりするわけで。例えば、金田パースとか板野サーカスとか、そんなところがあったのではないかと。

昨今、3DCGでロボット等が描かれて、つまりは手描きで実現しづらいほどの情報量が各コマに込められていて、しかもそれらが今までのアニメ映像の文脈に沿った、誇張された動きをしていたりするのだけど。ぶっちゃけ、各カットでどんな動きをしているのか分からないというか ―― 下手すると、ストーリー上伝達しておかなければいけないアクションすら、見ていて理解できない・認識できない時があって。1コマ1コマの視覚情報が多過ぎて、各コマの間にどんなコマが存在しているのか、脳の補完処理能力を超えてしまってるというか。 *1

要は、動いた時に魅力を感じる絵と、静止画で魅力を感じる絵は違う、という話なのでしょうけど。

とは言え、昔のアニメのような絵の情報量にしてしまうと、映像中から1コマ抜き出して静止画を提示した時、他作品よりみすぼらしく見えてしまって商売上はよろしくないだろうな、とも。Webにしろ、印刷媒体にしろ、静止画を見せて宣伝する場面が大半だから…。そんな状況を踏まえると、各コマの情報量を増やす方向性は商品訴求力が高い、という話になるのかな、てなところも。

それとはまた別に。絵の情報量を増やすという点では、最終的には3DCGに敵わないだろうという問題もあるよなと。例えば各ポリゴンに、手塗り感があるテクスチャを割り当てて動かせば、それだけでもパッと見は(あくまでパッと見は、ですけど)手塗りっぽい見た目になっちゃうし。それを各コマ、手描き・手作業で作ってみても、果たして勝負になるのかな、てな不安も。人件費が安い国ならそういう作りもアリだろうけど、日本はそうではないわけで。 *2 いやまあ、現時点では、他作品でそういうことをしてないから、今なら商品のアピールポイントになるんだけど。将来的には、さてどうかな、みたいな話で。

でも、他スタジオ・他作品がやってないことにチャレンジしてみる姿勢は称賛されてしかるべき、だよなと。

おそらく、作り終った時に、「やってはみたけど、これは現実的じゃなかった…無理があった…」と悟ることもできそうだし。動画や仕上げの人に意見を聞けば、作業する上で改善すべきポイントが見出せそうだし。「ここをコンピュータで自動化できれば現実的な作業になる」てなところも見えてくるんじゃないのか、そしてそれは、実際にやってみたからこそ見えてきた、てな展開もあるんだろう、などと素人考えで妄想(?)を。

まあ、見ていてそんなことをアレコレ考えてしまったので、面白いというか、興味深い特番でした。

評論家さんに、作品の特徴について語ってもらうのって、大変グーですな…。声優さん達のたわいもないお喋りを流すよりは、個人的にグーです。ただ、できれば、絶賛だけではなく、問題点も語ってほしかった気もしたり。いや、番宣相当の特番でソレやってどうするって言われそうだけど、長所と短所を両方語ると、見てる人の思考を刺激できるわけで、それはそれで作品について考える面白さを提供することに繋がるかも、てな気もするのだけど甘いかな。

*1: 「それはアンタがおじさんだからだよ!」とか言われちゃう可能性も高そうだけど。若い頃からそういう映像を見ていれば、問題なく認識できちゃうのかもしれない、てな予感も。実際どうなのかは分からんけど。
*2: そういや昔、フランスから北朝鮮に発注して作らせたアート系アニメがあった気が…。タイトル忘れたけど…。手間がめちゃくちゃかかるアニメだったけど、北朝鮮の人件費が安いから実現できた、とか監督が言ってたような…。

以上です。

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