2015/02/05(木) [n年前の日記]
#1 [anime][neta] アニメの中の効果線とか集中線とか
とあるサイトで、「アニメは動きを表現できるのに、漫画でよくある効果線や集中線をそのまま画面に出すのはいかがなものか」てな話を見かけて。
「そういえばそうだなあ」と思いながらも、「ホントにそうかなあ」という気もしてきて、なんだかもやもやと考え始めてしまったり。
ということで、そのあたりの思考をメモ。ただの思考メモです。
まとめを先に書いとくと。
以下はダラダラと考えをメモしただけだから読まなくていいです。
「そういえばそうだなあ」と思いながらも、「ホントにそうかなあ」という気もしてきて、なんだかもやもやと考え始めてしまったり。
ということで、そのあたりの思考をメモ。ただの思考メモです。
まとめを先に書いとくと。
- 漫画の効果線はブラーの簡略化。スピードを表現。集中線は動きと視線誘導。
- アニメは24コマ/秒だからブラー無しでは爆速を表現できない。ブラー必須。ブラー使ったら効果線と見た目変わらない。
- 集中線のアニメ風な見せ方はEVAを見るべし。
- 漫画を読んでる時の感覚そのものを再現するために使う場合もある。これはもう、動き云々は関係ない使い方。
以下はダラダラと考えをメモしただけだから読まなくていいです。
◎ こういうことを考えたとメモ。 :
そもそも漫画で効果線 ―― 効果線と言っても色々あるけどおそらく「スピード線」「流線」とか言われるものじゃないかと仮定 ―― を使うのは何故だろうと。どうしてそれが表現として生まれてきたんだろう、それを描くことで一体どんな効果を得たいと思ったのだろう、と、そこから考えてみたりして。効果線とはなんぞや、集中線とはなんぞや、そこから捉えないと使用・非使用の是非も語れんやろと。
おそらくだけど、静止した絵しか描けない漫画において、速さ・スピードをどうにかして見せたいと思ったから、じゃないのかなと。言ってみれば、「ブラーの簡略化した表現」が効果線。
ならば、アニメの場合は動きを表現できるから、ブラーの簡略化としての効果線なんて不要ですね。とは言えない。何故ならアニメは、24コマ/秒のフレームレートしかないから。
例えば、60FPSの2Dゲームの高速スクロール面を作っていた時ですら、ブラー無しのBGをスクロールさせただけでは、「遅い」「もっと速いイメージなんだけどな」「でも、これ以上スクロール速度を上げると、逆方向に進んでるように見えちゃうし」とモヤモヤしたわけで。脳内の理想のゲーム映像ではもっと爆速なのだけど、60FPSのブラー無しでは、理想の映像に到達できない。
ましてや、2Dゲームの半分〜1/3しかフレームレートがないアニメ映像で、ブラー無し・平面的な動きで、圧倒的なスピードを見せようとしても、そんなのたかがしれてる。
ということで、アニメにおいても効果線は必要。「この瞬間、べらぼうにスゴイ速さで動いてるんスよ」と視聴者に思わせたい時、やっぱり効果線を ―― 見た目がブラーに近い何かを使わないと、その感じは伝えられないよなと。
では、集中線はどうだろう。これも漫画においては、効果線と同様に、奥行き方向の動きを表現しようとしている時があるけれど。どちらかというと読者の視線誘導で使ってる場合が多そうだなと。「お客さん、ココですよ、この表情に注目!」みたいな。
アニメの場合、集中線に相当する見せ方が既にあるし、多用されてる気もしたり。例えば、EVAでミサトさんの顔のアップから急速にズームアウトするカットがやたらとあったりするけれど。アレがソレじゃないかと。奥行き方向の動きも表現できてるし、視線誘導だってできてる。漫画の集中線をアニメでやるならコレだろ、コレが正解だろ、漫画が本当にやりたかったのって実はコレじゃないの? とすら自分は思うのですが。
ただ、「効果線」「集中線」は、「速度」「スピード」「動く方向」を表現したいという目的とは全く違う目的で使われてる場合もありそうな気がしてきたり。「自分達の世代は既に漫画の文法に慣れ親しんでいるはずだ」という前提に立って、「漫画のその手のシーンを見た時の感覚をアニメでも呼び起こしたい」という狙いで使ってる場合もあるよなと。
例えば、トリガー作品で集中線が出てきた時は、昔読んだ永井豪作品だの、熱血漫画だの、あのへんのノリでこのカットを受け止めてくれい、という意図が絶対そこにあるだろうと。自分達の世代は、集中線が出てきた瞬間、「そのキャラは熱く叫んでるのだ」「今すごいことが起きたのだ」と思い込む、そんな条件反射ができちゃってる。できちゃってるから、 _こういうアプリ も世に出てくるわけで。そこを期待して使ってるだろうと。これはもう、「漫画は何故その表現を生み出したのか」なんてレベルの話より、次の段階に進んでる使い方、のような気がしたり。
とは言うものの。効果線や集中線を使えば作画作業の省略化にも繋がりそうなので、本来アニメとはグリグリ動かすもの、という思い込みに囚われてしまった人は、「効果線や集中線は手抜き」と言い出しそうでもあるよなと。
別に手抜きと思い続けてもいいけど、「そもそも漫画では、ソレを使って何を得ようとしていたのか?」「読者にどんな感覚を味わってもらおうとしていたのか?」ぐらいは一度考えてみてほしいし、「アニメだったら、どう見せれば同じ効果が得られそうか?」も考えてみてほしいよなと…。そのへん考えてたら、新表現に辿り着いて、「あ、その見せ方のほうが正解じゃね? スゲー伝わってくるぞ?」と思えるものが…出てきたらいいな。きっと、コロンブスの卵的な見せ方なんですよ。何故思いつかなかったと皆で悔しがる見せ方なんですよ。そんな予感。
てな感じのどうでもいいことをふわふわ考えてしまったのでメモ。
おそらくだけど、静止した絵しか描けない漫画において、速さ・スピードをどうにかして見せたいと思ったから、じゃないのかなと。言ってみれば、「ブラーの簡略化した表現」が効果線。
ならば、アニメの場合は動きを表現できるから、ブラーの簡略化としての効果線なんて不要ですね。とは言えない。何故ならアニメは、24コマ/秒のフレームレートしかないから。
例えば、60FPSの2Dゲームの高速スクロール面を作っていた時ですら、ブラー無しのBGをスクロールさせただけでは、「遅い」「もっと速いイメージなんだけどな」「でも、これ以上スクロール速度を上げると、逆方向に進んでるように見えちゃうし」とモヤモヤしたわけで。脳内の理想のゲーム映像ではもっと爆速なのだけど、60FPSのブラー無しでは、理想の映像に到達できない。
ましてや、2Dゲームの半分〜1/3しかフレームレートがないアニメ映像で、ブラー無し・平面的な動きで、圧倒的なスピードを見せようとしても、そんなのたかがしれてる。
ということで、アニメにおいても効果線は必要。「この瞬間、べらぼうにスゴイ速さで動いてるんスよ」と視聴者に思わせたい時、やっぱり効果線を ―― 見た目がブラーに近い何かを使わないと、その感じは伝えられないよなと。
では、集中線はどうだろう。これも漫画においては、効果線と同様に、奥行き方向の動きを表現しようとしている時があるけれど。どちらかというと読者の視線誘導で使ってる場合が多そうだなと。「お客さん、ココですよ、この表情に注目!」みたいな。
アニメの場合、集中線に相当する見せ方が既にあるし、多用されてる気もしたり。例えば、EVAでミサトさんの顔のアップから急速にズームアウトするカットがやたらとあったりするけれど。アレがソレじゃないかと。奥行き方向の動きも表現できてるし、視線誘導だってできてる。漫画の集中線をアニメでやるならコレだろ、コレが正解だろ、漫画が本当にやりたかったのって実はコレじゃないの? とすら自分は思うのですが。
ただ、「効果線」「集中線」は、「速度」「スピード」「動く方向」を表現したいという目的とは全く違う目的で使われてる場合もありそうな気がしてきたり。「自分達の世代は既に漫画の文法に慣れ親しんでいるはずだ」という前提に立って、「漫画のその手のシーンを見た時の感覚をアニメでも呼び起こしたい」という狙いで使ってる場合もあるよなと。
例えば、トリガー作品で集中線が出てきた時は、昔読んだ永井豪作品だの、熱血漫画だの、あのへんのノリでこのカットを受け止めてくれい、という意図が絶対そこにあるだろうと。自分達の世代は、集中線が出てきた瞬間、「そのキャラは熱く叫んでるのだ」「今すごいことが起きたのだ」と思い込む、そんな条件反射ができちゃってる。できちゃってるから、 _こういうアプリ も世に出てくるわけで。そこを期待して使ってるだろうと。これはもう、「漫画は何故その表現を生み出したのか」なんてレベルの話より、次の段階に進んでる使い方、のような気がしたり。
とは言うものの。効果線や集中線を使えば作画作業の省略化にも繋がりそうなので、本来アニメとはグリグリ動かすもの、という思い込みに囚われてしまった人は、「効果線や集中線は手抜き」と言い出しそうでもあるよなと。
別に手抜きと思い続けてもいいけど、「そもそも漫画では、ソレを使って何を得ようとしていたのか?」「読者にどんな感覚を味わってもらおうとしていたのか?」ぐらいは一度考えてみてほしいし、「アニメだったら、どう見せれば同じ効果が得られそうか?」も考えてみてほしいよなと…。そのへん考えてたら、新表現に辿り着いて、「あ、その見せ方のほうが正解じゃね? スゲー伝わってくるぞ?」と思えるものが…出てきたらいいな。きっと、コロンブスの卵的な見せ方なんですよ。何故思いつかなかったと皆で悔しがる見せ方なんですよ。そんな予感。
てな感じのどうでもいいことをふわふわ考えてしまったのでメモ。
◎ 余談。 :
EVAのアレって、特撮ヒーロー番組からの引用だったりしないのかな。戦隊シリーズで急速なズームイン・ズームアウトとかやってなかったっけ…。宇宙刑事シリーズとかも、3回ヒュッヒュッヒュッ、とかあったような。偽記憶かな。
3回ヒュッ、ってなんだか出崎演出っぽいな…。特撮ヒーロー番組のソレも、実は出崎演出が始祖…? でも、当時の実写畑の人がアニメを見てるとは思えないし。もっと昔の、時代劇ヒーロー映画あたりで、3回ヒュッ、があったりして?
「EVA(のアレ)の先祖は○○天狗・○○童子だった!」というタイトルで、誰かブログ記事でも書かないかしら。アクセス数稼げそうだけど。もっとも、昔の映画・手法によほど詳しい人じゃないと書けない気もするけど。
3回ヒュッ、ってなんだか出崎演出っぽいな…。特撮ヒーロー番組のソレも、実は出崎演出が始祖…? でも、当時の実写畑の人がアニメを見てるとは思えないし。もっと昔の、時代劇ヒーロー映画あたりで、3回ヒュッ、があったりして?
「EVA(のアレ)の先祖は○○天狗・○○童子だった!」というタイトルで、誰かブログ記事でも書かないかしら。アクセス数稼げそうだけど。もっとも、昔の映画・手法によほど詳しい人じゃないと書けない気もするけど。
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以上です。