2014/12/29(月) [n年前の日記]
#2 [anime][neta] アニメとセル生産方式
ここ最近、CACANiというアニメ制作ソフトがなんだか気になっていて。
_CACANiお試し - Togetterまとめ
を眺めてると、「ふおおっ…」となんだか鼻息が荒く…。学生の頃にこういうソフトが存在していて、うっかり触りでもしたら、「自分もアニメーターになる!」と身の程知らずなことを言い出してたかも。そのくらい、面白そうなソフトだなと。
さておき、前述のレビューまとめページの中で、
工場と言うと、 _ライン生産方式 をつい思い浮かべてしまうのだけど。ベルトコンベアで製品が流れていくラインに、たくさんの人をずらりと並べて、一人の作業範囲・やるべきことをできるだけ狭めて、次々に製品を流しながら作っていく、てなやり方。「お前はこの作業だけをやれ」「お前はこの作業だけをやれ」「それ以外の作業はしなくていいぞ」と。
ところが、ガラケーの生産をしてた頃、何かのTV番組で、おそらくは _セル生産方式 というのを見かけたことがあって。一人一人が、1台のガラケーを組み立てるための全部品を自分の席まで持っていって、組み立て作業の最初から終わりまで、一人で担当してしまう、みたいな。
おそらく、アニメ業界も、CACANiのようなソフトが導入されていくと、そのセル生産方式に近づくんだろうなと。
さておき、前述のレビューまとめページの中で、
コンピュータの導入は個人の作業能力を高めてくれるけど同時に責任範囲が広がって作業量が増えるのだといった話が出ていて、自分もその予想に同意してしまうのだけど。なんとなく、ガラケー(少し前の日本の携帯電話)の生産工場を連想したりして。
んで、その結果就労時間が増えたりする
一人で作業する範囲が増えて、その人の裁量に委ねられちゃうケースが多くなって、従来可能だった分業ができなくなる事がある
工場と言うと、 _ライン生産方式 をつい思い浮かべてしまうのだけど。ベルトコンベアで製品が流れていくラインに、たくさんの人をずらりと並べて、一人の作業範囲・やるべきことをできるだけ狭めて、次々に製品を流しながら作っていく、てなやり方。「お前はこの作業だけをやれ」「お前はこの作業だけをやれ」「それ以外の作業はしなくていいぞ」と。
ところが、ガラケーの生産をしてた頃、何かのTV番組で、おそらくは _セル生産方式 というのを見かけたことがあって。一人一人が、1台のガラケーを組み立てるための全部品を自分の席まで持っていって、組み立て作業の最初から終わりまで、一人で担当してしまう、みたいな。
おそらく、アニメ業界も、CACANiのようなソフトが導入されていくと、そのセル生産方式に近づくんだろうなと。
◎ 妄想。 :
なんだか色々と妄想。
そういったソフトの導入が進めば、原画の人が、原画・動画・仕上げ・(もしかすると撮影まで)、一人で担当する時代が来るのかもなと。その代り、一人で何カットもやらされたりしない。100カットあったら、100人が、自分の担当してる1カットに最初から終わりまで専念。SHIROBAKOで出てきた、「動画のことを考えて原画を」「動画で溶ける」なんて台詞は過去の話に。それぞれが、自分がやりやすいと思うスタイルで作業すればいい。どんなやり方をしてもいい。動画どころか仕上げまで自分がやるわけだし。責任を持つ範囲が変わって、一人一人が「俺は職人だぞ」という気概をますます持つので、モチベは維持できそうかも。
スタッフロールも変わる。「原画」「動画」「仕上げ」なんて分類されてない。「作画」の文字の後に、何十〜何百人もの名前がずらり。
しかし、原画の人に仕上げまでさせるのだから、人数が足りなくなるはずで。動画や仕上げの人を原画相当に昇格させる手管が無いと破綻する。つまりはアニメーターさんの教育・訓練が、ますます重要に。優秀な先生が居るスタジオが生き残っていく、てなことに。
描き方も変わりそう。モノグサな人は、キャラデザの人が描いた絵から、顔のパーツをコピペして並べていったり。元の絵はパーツ毎にレイヤー分けされてたりして、レイヤーをコピペして位置や角度を変えるだけで顔は出来上がり。40秒で支度しな、じゃなくて40秒で1カット完成、てな場面もちょこちょこありそう。
アニメーターさんの種類が2つに分かれそう。「描いたほうが早いよ」とゴリゴリ描いてく人と、「加工したほうが早いよ」と変形や中割り自動生成を駆使して仕上げていく人と。もしかすると、前者は「原画」と呼ばれ続けて、後者は「動画」と呼ばれるのかしら。
先輩アニメーターがゴミ箱に捨てた原画を後輩アニメーターがこっそり回収、なんてことはできなくなる。そういうのは先輩が使ってるPCのHDDの中にしか入ってないから、不正アクセスでもしないとゲットできない。その代り、スタジオのサーバに先輩が作った最終データは全部入ってるので、勉強する気さえあれば見放題。ゴミ箱から没原画を回収、という風景が、USBメモリを持ち込んでサーバからこっそりコピーして自分の手元にバックアップ、という風景に変わる。PC操作に慣れてない人がソレやって、コピーのつもりが移動しちゃって、ファイルが無くなったぞとスタジオ中で大騒ぎ。ファイルの所有者以外はリードオンリー設定にしておかないとあかん…。
作監さんの仕事はトレス台にかじりつくスタイルから、アニメーターさんの後ろをうろうろする仕事になる。「できましたー」「どれどれ。その顎の線は、もうちょっと丸みを。左目の位置はもうちょっと下」「こうスか?」「ハイ。オッケー」。作監作業終了。それとも、作監さんのPCからアニメーターさんのPCをリモート操作できたほうが楽なのだろうか。
長年やってる人はMyライブラリが充実してるから作業が早い時は早い。「あのファイルが流用できるな」と探し出して、少し変形・描き直して終わり。しかし今まで描いたことがない構図だと時間がかかる。でも、その新規データは、別のどこかで使えるかもしれない。ますますライブラリが充実。
手描き世代が、「今の若いアニメーターさんは恵まれてないよ」「一人一人がQAR使ってるようなもんだ。アレじゃ育たない」「完成映像はどうなるのかなと想像しながら描けなくなってる。描いてる時から色ついちゃってるもん」と苦言を。だけど、色の変化で動きをつけたり、グラデショーン塗りで動きのタイミングを見せる世代が登場してくる効能も。
などと妄想してしまいますが。さて、どうなっていくんだろう…。
そういったソフトの導入が進めば、原画の人が、原画・動画・仕上げ・(もしかすると撮影まで)、一人で担当する時代が来るのかもなと。その代り、一人で何カットもやらされたりしない。100カットあったら、100人が、自分の担当してる1カットに最初から終わりまで専念。SHIROBAKOで出てきた、「動画のことを考えて原画を」「動画で溶ける」なんて台詞は過去の話に。それぞれが、自分がやりやすいと思うスタイルで作業すればいい。どんなやり方をしてもいい。動画どころか仕上げまで自分がやるわけだし。責任を持つ範囲が変わって、一人一人が「俺は職人だぞ」という気概をますます持つので、モチベは維持できそうかも。
スタッフロールも変わる。「原画」「動画」「仕上げ」なんて分類されてない。「作画」の文字の後に、何十〜何百人もの名前がずらり。
しかし、原画の人に仕上げまでさせるのだから、人数が足りなくなるはずで。動画や仕上げの人を原画相当に昇格させる手管が無いと破綻する。つまりはアニメーターさんの教育・訓練が、ますます重要に。優秀な先生が居るスタジオが生き残っていく、てなことに。
描き方も変わりそう。モノグサな人は、キャラデザの人が描いた絵から、顔のパーツをコピペして並べていったり。元の絵はパーツ毎にレイヤー分けされてたりして、レイヤーをコピペして位置や角度を変えるだけで顔は出来上がり。40秒で支度しな、じゃなくて40秒で1カット完成、てな場面もちょこちょこありそう。
アニメーターさんの種類が2つに分かれそう。「描いたほうが早いよ」とゴリゴリ描いてく人と、「加工したほうが早いよ」と変形や中割り自動生成を駆使して仕上げていく人と。もしかすると、前者は「原画」と呼ばれ続けて、後者は「動画」と呼ばれるのかしら。
先輩アニメーターがゴミ箱に捨てた原画を後輩アニメーターがこっそり回収、なんてことはできなくなる。そういうのは先輩が使ってるPCのHDDの中にしか入ってないから、不正アクセスでもしないとゲットできない。その代り、スタジオのサーバに先輩が作った最終データは全部入ってるので、勉強する気さえあれば見放題。ゴミ箱から没原画を回収、という風景が、USBメモリを持ち込んでサーバからこっそりコピーして自分の手元にバックアップ、という風景に変わる。PC操作に慣れてない人がソレやって、コピーのつもりが移動しちゃって、ファイルが無くなったぞとスタジオ中で大騒ぎ。ファイルの所有者以外はリードオンリー設定にしておかないとあかん…。
作監さんの仕事はトレス台にかじりつくスタイルから、アニメーターさんの後ろをうろうろする仕事になる。「できましたー」「どれどれ。その顎の線は、もうちょっと丸みを。左目の位置はもうちょっと下」「こうスか?」「ハイ。オッケー」。作監作業終了。それとも、作監さんのPCからアニメーターさんのPCをリモート操作できたほうが楽なのだろうか。
長年やってる人はMyライブラリが充実してるから作業が早い時は早い。「あのファイルが流用できるな」と探し出して、少し変形・描き直して終わり。しかし今まで描いたことがない構図だと時間がかかる。でも、その新規データは、別のどこかで使えるかもしれない。ますますライブラリが充実。
手描き世代が、「今の若いアニメーターさんは恵まれてないよ」「一人一人がQAR使ってるようなもんだ。アレじゃ育たない」「完成映像はどうなるのかなと想像しながら描けなくなってる。描いてる時から色ついちゃってるもん」と苦言を。だけど、色の変化で動きをつけたり、グラデショーン塗りで動きのタイミングを見せる世代が登場してくる効能も。
などと妄想してしまいますが。さて、どうなっていくんだろう…。
この記事へのツッコミ
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以上です。
SHIROBAKOというアニメを24話まで見ました、おそらく現在はあのように作られているのだと思います。
私がいた会社でうる星やつらのアニメを作っていたのですが当時はセル画が使われていました。
当時はCGはほとんど使われていなかったですね。
ゴルゴ13みたいにマイコンを128台つないで絵をつくったケースもあるにはありましたが。
現在は趣味でIclone5やクレイジートークで動画を作って遊んでいます。