2013/11/14(木) [n年前の日記]
#3 [anime] 「境界の彼方」屋上回を視聴
屋上回というか…
ラブライブ回?でしょうか。いやはや、面白かった。笑わせてもらいました。
見終わった後、「この回、作りとして完璧だったんじゃないのか…?」と思えてきたりして。
もしかすると原作にこの話もあったのかもしれないので、もしそうだったら「脚本」を「原作」に置き換えてもらえたら、と思いつつ。自分が「スゲーな」と思った点をメモ。
まず、屋上とシャワールームが繰り返し出てくるあたり、「技だなあ…」と。繰り返しによって生まれる笑いを熟知してる方じゃないとできない構成なのだろうなと。「いやいや、それ定番の構成でしょ」と言い出す人もたくさん居そうだけど。意外に、そういうのを上手に使いこなしてる人って多くない印象もあって。もちろん、ベテランの脚本家さんなら手管としてフツーは身に着けてるもの、という気もしますが。平成ライダーの井上脚本でも、そういう構成を見た記憶もありますし。何にせよ、「まるでお手本のようだなあ」と感心させられました。
さらに、シャワーシーンに必然性があった点も、「考えたもんだなあ…」と。昨今のアニメって、えてして、「君達なんでこのタイミングで風呂に入り始めるんや…」と首を捻るものが ―― 「どうせお前等、こういうシーンが好きなんだろ? ストーリー上はこれっぽっちも必要ないけどサービスで入れてやるよ。ホレホレ、さっさとハァハァしやがれ」みたいなちょっとぞんざいなノリで入ってるものが多い印象があって。でも、この話、敵の属性からして、絶対にシャワーを浴びなきゃいかんわけですよ。「ストーリー上、絶対にこのシーンは必要だ! だからこのシーンを挿入するのだ!」という作りに、「これ、近年のアニメでは結構珍しい、生真面目で真摯な脚本じゃないの…?」と。や。作り方が生真面目、って話ですよ。
しかも、それらのシーンは、例の謎の白い光が一切出てこない見せ方で。だけど、カメラの角度がほんのちょっとでも変わったらコレ見えちゃうよなー、てな感じのギリギリ絶妙のレイアウト。職人達のこだわりに感銘を受けました。って何の職人だか分からないけど。「Free!」の人工呼吸シーンでも感じたのですけど、「寸止めのほうが絶対クルよね! 妄想トリガー入るよね! モロはむしろ萎えるよね!」てなあたりを、スタッフはよく分かってるのでは…てなことも思ったり。
にしても…。あの敵の属性、どう考えてもコッチ側のソレ…。悪意で描かれてるのか、冗談で描かれてるのか、どっちなのか分からなくてビミョーに複雑な気分に。いや、面白かったので全然OKですけど。
さておき。特に感心したのは、Aパートでヒロインが、口に手を押しつけて 「ブー」をやったあたり。「ああ、ソレ、子供の頃にやったやった。懐かしいー」と笑った直後、「…オイ…ちょっと待て。このシーン、凄いことやってないか…」と。
件のシーンのその仕草は、日常生活の中で自分達が何気なくやっていた、誰もが気にも留めないであろう、なんてことのない仕草ですけど。その、誰もがスルーしちゃう、ちょっとした仕草の「存在」に創作側が気づき、ソレを作劇に盛り込んでみせたシーン、と言えるわけで。要するに、このスタッフ、「となりのトトロ」レベルの事を、TVアニメで、こんな場面で、さりげなくやってるんじゃね…? と。
「またまた。そんな大げさな」と言い出す人が出てきそうですが。…例に挙げて申し訳ないけど、これがもし、スタジオディーン作品やサンライズ作品だったら、そういう仕草を描写するシーンってありますかね? 十中八九、出てこないですよ。ほとんどのTVアニメは、会話だけでやり取りを終わらせちゃうか、漫画やアニメでよくあるお約束の記号的描写で終わるわけで。せいぜい、劇場作品でその手の描写が時々あるかどうか、ぐらいなもんで。そりゃ宮崎駿監督も「オマエラもっと『観察』しろ!」って檄を飛ばすわけですよ。
そう考えると、このスタッフ、意識レベル高いわ…と。TVアニメで、しかも、ちょっと笑いを取ろうとするだけのこんなシーンで、こういう動作を入れてきますか…。なんと丁寧な仕事ぶり…。なんという観察眼…。
などと思ってたら。CM明けたら ガスマスクですよ。どんだけ飛躍すんだよ! 一体どこの世界に、ヒロインが ガスマスク姿で画面に映って会話してるアニメがあるんだよ! いやゴメン。既にあった。でも、下手するとナウシカ以来なのかな…。コッペリオンですらヒロイン達はつけてないですし…。
日常生活の中のちょっとした仕草に気付いてしっかり丁寧に拾ってくる細やかさがあるかと思えば、「ねえよ! それ絶対にねえよ!」とツッコミたくなるリアルではありえない奇抜な光景もポーンと出してくるあたり、この回、ちょっととんでもねえなと。世界名作劇場で言えば、ペリーヌがCM明けたら地面に魔方陣描いてました、みたいなもんで。振り幅でけえー! 守備範囲広ーい! …まあ、比率で言えば、この作品は魔方陣のソレのほうがはるかに多いのですけど。
そんなこんなで、なんだか色々と凄い回だったなと。とても面白かったです。眼福に与らせていただきました…。
見終わった後、「この回、作りとして完璧だったんじゃないのか…?」と思えてきたりして。
もしかすると原作にこの話もあったのかもしれないので、もしそうだったら「脚本」を「原作」に置き換えてもらえたら、と思いつつ。自分が「スゲーな」と思った点をメモ。
まず、屋上とシャワールームが繰り返し出てくるあたり、「技だなあ…」と。繰り返しによって生まれる笑いを熟知してる方じゃないとできない構成なのだろうなと。「いやいや、それ定番の構成でしょ」と言い出す人もたくさん居そうだけど。意外に、そういうのを上手に使いこなしてる人って多くない印象もあって。もちろん、ベテランの脚本家さんなら手管としてフツーは身に着けてるもの、という気もしますが。平成ライダーの井上脚本でも、そういう構成を見た記憶もありますし。何にせよ、「まるでお手本のようだなあ」と感心させられました。
さらに、シャワーシーンに必然性があった点も、「考えたもんだなあ…」と。昨今のアニメって、えてして、「君達なんでこのタイミングで風呂に入り始めるんや…」と首を捻るものが ―― 「どうせお前等、こういうシーンが好きなんだろ? ストーリー上はこれっぽっちも必要ないけどサービスで入れてやるよ。ホレホレ、さっさとハァハァしやがれ」みたいなちょっとぞんざいなノリで入ってるものが多い印象があって。でも、この話、敵の属性からして、絶対にシャワーを浴びなきゃいかんわけですよ。「ストーリー上、絶対にこのシーンは必要だ! だからこのシーンを挿入するのだ!」という作りに、「これ、近年のアニメでは結構珍しい、生真面目で真摯な脚本じゃないの…?」と。や。作り方が生真面目、って話ですよ。
しかも、それらのシーンは、例の謎の白い光が一切出てこない見せ方で。だけど、カメラの角度がほんのちょっとでも変わったらコレ見えちゃうよなー、てな感じのギリギリ絶妙のレイアウト。職人達のこだわりに感銘を受けました。って何の職人だか分からないけど。「Free!」の人工呼吸シーンでも感じたのですけど、「寸止めのほうが絶対クルよね! 妄想トリガー入るよね! モロはむしろ萎えるよね!」てなあたりを、スタッフはよく分かってるのでは…てなことも思ったり。
にしても…。あの敵の属性、どう考えてもコッチ側のソレ…。悪意で描かれてるのか、冗談で描かれてるのか、どっちなのか分からなくてビミョーに複雑な気分に。いや、面白かったので全然OKですけど。
さておき。特に感心したのは、Aパートでヒロインが、口に手を押しつけて 「ブー」をやったあたり。「ああ、ソレ、子供の頃にやったやった。懐かしいー」と笑った直後、「…オイ…ちょっと待て。このシーン、凄いことやってないか…」と。
件のシーンのその仕草は、日常生活の中で自分達が何気なくやっていた、誰もが気にも留めないであろう、なんてことのない仕草ですけど。その、誰もがスルーしちゃう、ちょっとした仕草の「存在」に創作側が気づき、ソレを作劇に盛り込んでみせたシーン、と言えるわけで。要するに、このスタッフ、「となりのトトロ」レベルの事を、TVアニメで、こんな場面で、さりげなくやってるんじゃね…? と。
「またまた。そんな大げさな」と言い出す人が出てきそうですが。…例に挙げて申し訳ないけど、これがもし、スタジオディーン作品やサンライズ作品だったら、そういう仕草を描写するシーンってありますかね? 十中八九、出てこないですよ。ほとんどのTVアニメは、会話だけでやり取りを終わらせちゃうか、漫画やアニメでよくあるお約束の記号的描写で終わるわけで。せいぜい、劇場作品でその手の描写が時々あるかどうか、ぐらいなもんで。そりゃ宮崎駿監督も「オマエラもっと『観察』しろ!」って檄を飛ばすわけですよ。
そう考えると、このスタッフ、意識レベル高いわ…と。TVアニメで、しかも、ちょっと笑いを取ろうとするだけのこんなシーンで、こういう動作を入れてきますか…。なんと丁寧な仕事ぶり…。なんという観察眼…。
などと思ってたら。CM明けたら ガスマスクですよ。どんだけ飛躍すんだよ! 一体どこの世界に、ヒロインが ガスマスク姿で画面に映って会話してるアニメがあるんだよ! いやゴメン。既にあった。でも、下手するとナウシカ以来なのかな…。コッペリオンですらヒロイン達はつけてないですし…。
日常生活の中のちょっとした仕草に気付いてしっかり丁寧に拾ってくる細やかさがあるかと思えば、「ねえよ! それ絶対にねえよ!」とツッコミたくなるリアルではありえない奇抜な光景もポーンと出してくるあたり、この回、ちょっととんでもねえなと。世界名作劇場で言えば、ペリーヌがCM明けたら地面に魔方陣描いてました、みたいなもんで。振り幅でけえー! 守備範囲広ーい! …まあ、比率で言えば、この作品は魔方陣のソレのほうがはるかに多いのですけど。
そんなこんなで、なんだか色々と凄い回だったなと。とても面白かったです。眼福に与らせていただきました…。
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以上です。