mieki256's diary



2019/07/05(金) [n年前の日記]

#1 [movie] 「スパイダーマン:ホームカミング」を視聴

TVで放送されていたので視聴してみたり。初見。

開始早々、見ていて「アレッ」と思った。コレ、アベンジャーズシリーズの中の一作だったのか。知らなかった…。

「スパイダーマン」実写版というとサムライミ版をまず思い出してしまうけど。それと比べると、とにかく全てが軽いというか、ひたすら軽快なノリだなと。一説によると、原作のノリに近いのはこちら、という評もあるようで。台詞の一つ一つがコミカルというか。それでいて、ちゃんとヒーローとして成長する流れも描いていて感心したり。

とにかくテンポが早いあたりは好印象。例えば、会話の相手が「誰かは知らない」と発言した直後、カットが切り替わったら、間の動作は描かずに、既に車に寄りかかって「なんだよそれー」的にガックリして天を見上げたポーズになっちゃってるスパイダーマンを映していたりとか。一目で状態が分かるポーズを、カットの切り替えで、止め絵的に次々に見せて、短時間で一連のやりとりを伝達する見せ方に唸ったり。実写では役者の動きをダラダラ見せちゃう傾向があるけれど、この映画は、映像作品ならではの見せ方・伝え方を各所で活用していた印象。

かと思いきや、じっくり時間をとって笑いに繋げる見せ方も入っていて。例えば、トイレで主人公達が少しシリアスな話をし始めた途端に大を流す音がして、個室から出たモブが丁寧に手を洗って、主人公達を怪訝な顔でチラ見しながらようやく外に出ていく流れをずーっと映してたりもして。見てるこちらにも、気まずさがじわじわと伝わってきて、つい笑ってしまう。もう早く行ってくれよ、いや、そんなに丁寧に手を洗わなくてもいいよ、頼むよ、みたいな。間の取り方がシーンによって様々。一辺倒では終わらない。

アイアンマンの人がもっともらしいことを言った直後に、「ということにしようか」と言っちゃうのもいい。その一言でそこまでの発言が台無し。かつ、アイアンマンの人のテキトーさが伝わるというか。そうかと思えば、説教した直後に、「親父みたいなこと言ってるな」とポツリと呟くのもいい。その一言があるだけで、見ている側は「あっ…」という気分になれるわけで。たった一言、それも本当に何気ない一言なのに、それがあるのとないのとでは大違い。

演出も優秀だけど、とにかく脚本が優秀。日本の特撮ヒーローモノでこんな脚本書けるかなあ…。無理だよな。日本じゃ無理。大体は真面目一辺倒になるよなと。そこが悔しい。脚本家に能力が無いのか、それとも、各企画の方向性で、書ける機会が与えられないのかは分からないけれど、日本では、こんな脚本は出てこないだろうと。残念だなと。

以上です。

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