mieki256's diary



2019/07/14() [n年前の日記]

#1 [tv][anime] 別々の人物が繋がった台詞を発するアレ

大河ドラマ「いだてん」を見ていたら、ちょっと気になったシーンが。

おそらくは現代に近い時間軸に居る、ビートたけし氏が演じる落語家のキャラと、戦前の時間軸に居る、阿部サダヲ氏が演じる河童野郎(?)のキャラが、交互に、繋がった台詞を喋る、というシーンで。

河童「俺は」
たけし「認めているんだよ」
河童「元祖ってのはやっぱり」
たけし「偉いっ!と」
河童「思うんだ」

…みたいな感じのソレ。カットがパッパッと切り替わって、二つの時代、異なる場所を交互に映しているけれど、台詞はずっと繋がってる、みたいな。

大河ドラマなのに、随分凝った見せ方をするなあ、脚本家さんは技巧派(?)なんだろうな、と感心したり。

コレ、映像作品(もしくは漫画)じゃないとできない見せ方で。小説、あるいは舞台等で、これをやろうとすると、不可能ではないけどかなり難しい。おそらくは映像作品におけるモンタージュ技法の応用・発展かもしれないと想像するのだけど、「カット」という概念が存在するメディアじゃないと披露できないわけで。

自分、大河ドラマは、今までほとんど見ていなかった人種なのだけど。この「いだてん」については珍しく、たまにちょこちょこ見ていたりして。とにかく脚本が凝っているというか…。映像作品ならではの見せ方が、脚本段階で、「これでもか!」「これでもかっ!」とやたらめったら盛り込まれている。そこが興味深い。

基本的には、ビートたけしが演じる落語家+その弟子が、オリンピック関係について寄席で話をしている、という設定なのだろうけど。結果、「現代に近い時代」「日本がオリンピックに初参加した時代」「東京オリンピック前後の時代」、その3つの時代を一瞬で飛び回る、そんな見せ方が多用されていて。…その飛翔感が面白い。

ただ、視聴率は、かなり振るわないようで…。まあ、それも当然というか。

一般的に、映像作品内で時間が飛ぶと、それだけでも脱落者が出てくるわけで。特に、過去と現代を、これといった前振りもなく行ったり来たりすると、もうヤバイ。かなりヤバイ。ウチの親父さん、お袋さんも、一応は今回の大河ドラマを見ているそうだけど、感想を尋ねると、「今回の大河はわけがわからない」「たけしが邪魔」「たけしは一体何なの」と、もはや基本構成すら理解できてなかったり。そのくらい、時間が飛ぶ見せ方は、一般的にはヤバイのです。

かといって、そのあたりをフツーの作りにしていたら、自分のような視聴者は今回の大河も視聴しなかっただろうと容易に予想できるわけで。

なんにせよ、「いだてん」は、かなり天邪鬼な人達が作ってるなーと妙な感心(?)をしながら、たまに眺めてます。とメモ。

考えてみたら、タイトルが「いだてん」なんだから…。もしかすると脚本の構成面でも、韋駄天らしいスピード感を意識しているのだろうか…。それでピョンピョン飛びまくるのかなあ…。

アニメ作品内のソレ。 :

違う場所に居る、別々の人物が、繋がった台詞を発するソレというと、やはり「コードギアス」を思い出したりして。…これを書くのは3回目ぐらいだと思うけど。

ルルーシュとスザクが、別々の場所で、延々と繋がった台詞を発していて。しかし、最後の最後で意見が真っ二つに割れる、てなシーンで。

こういう見せ方をすることで、二人の人物が基本的には同じ現状認識をしていることが伝わるけれど、事態を解決するための方法論がどうしても相容れない、その点で二人は明確に対立しているのだ、と強調されるわけで。あのシーンの見せ方は、神懸かっていたなと…。見せ方と、それによって得られる効果が、パズルのピースのようにパチッと噛み合っていて、見ていて身震いするシーンになっていたというか。

もっと短い使い方だと、「ふしぎの海のナディア」の、ガーゴイルとネモ船長のソレを思い出したり。「バリアーか!?」「その通りだ!」…だったっけ。そんな感じ。

なんで会話が通じてるんだよ! とアニメオタクがツッコミを入れるシーンだけど、編集が上手いから子供さんあたりが見ていたら素直に受け入れるシーンになっているだろうなと予想するわけで。あのシーンは上手い。不自然極まりないのに極めて自然。上手い。 *1

個人的に、そういう見せ方、大好きなのでした。まあ、使える場面はほとんど無いんだけど、故に、たまに目にすると、「おっ! ここで使いますか…」と喜んでしまうというか。

ただ、上記のソレは、場所は飛び越えてるけど、時間軸までは飛び越えてないわけで…。

時間・時代すら飛び越えて見せていた「いだてん」は、なんだか凄いなと。そりゃ振り落とされる人も続出だわなと…。

*1: 元々は既存の映像作品でそういう見せ方が多々あって、庵野監督率いるスタッフは、ある種のオマージュでそういう見せ方をしていた、という話をどこかで目にした記憶もあるけれど。

以上、1 日分です。

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