mieki256's diary



2017/09/08(金) [n年前の日記]

#2 [web][neta] 個人webサイトって何だろう

思考メモ。

Yahooさんにサイトを消されてしまって、ちょっと困ってしまったわけだけど。考えてみたら、今時個人Webサイトを公開ってのもスタイルとしてなんかアレなんだよなーと思えてきたり。

昔は、個人がWebで何かを公開するとなったら、HTMLを書いてWebサーバにアップロードするしか手段が無かったわけだけど。

「考えてみたら俺達って文章ばかり公開してるよね」「文章を公開するたびに毎回HTMLを書くのって面倒臭いよね」てなことに気づいた人達が、ほぼ文章だけを書けば公開できてしまうWeb日記システムを作ってくれて。それと同時期に海外でもブログシステムが作られて。舶来品をありがたがる日本人は、一気にブログに飛びついて、Web日記代わりに使い始めて。そして、個人が文章を書いて公開するならブログでいいんじゃね、htmlを書くより面倒臭くないし、という時期が存在して。

それはつまり、「何でも公開できるよ。ただしHTMLを覚えろや」的システムで済ませるのではなく、「何を公開したいのか」に着目して、その公開したい何かに合わせて最適化したシステムを作る、という流れがそこにあったと言えるわけで。

同様に、その流れで色々出てきて…。「○○をしたい」という需要に最適化されて、○○が作られる、ということが当たり前になっていった。 まあ、最適化が甘いサービスも混ざってる気もするけど…。それはさておき。

つまり、個人が「公開したい」と思ったそれぞれについては、分類され、細分化され、最適化されて、その需要に特化した専門サービスが登場しているし、多くの人はソレを使って欲求を満たしてる、という状況があって。

となると…。「個人サイトを設置できますよ」と謳う、無料Webスペースサービス・ホームページサービスの類は、一体何を公開できるのでしょうか、という話になってくるなと。

かつて公開していたアレやソレは、商売人が全てバラバラに切り刻んで、専門サービスとして提供してしまったわけだから…。文章を公開したいならブログでいいし、自作画像を公開したいなら pixiv でいいし、時々愚痴りたいなら Twitter でいいし、自作ソフトウェアを公開したいなら GitHub でいい。

すると、何が残ってるのか。何を公開するなら、「やっぱりホームページサービスがないとね…」という話になってくるのか。

これがまだ、CGIが動くから自分好みのWeb関連システムを設置して使えます、てな話なら使い道もあるだろうけど。巷の無料ホームページサービスって、CGIなんか一切動かなくて、HTMLしか置けないわけで。その条件下で一体何が公開できるのか、という気分にも…。

HTML5 の実験ページぐらいしか置けないよな。ってマニアックだな…。JavaScript の実験成果公開は jsdo.it で出来ちゃうし…。

HTMLじゃないと置けないものって何ですか? 何がありますか?

そのあたりが見えてない人ばかりだから、次々にその手のサービスが消滅してるのだろうけど…。

アーカイブとしての役割。 :

妹とこのあたりを少し話してたのだけど。妹から、「ホームページサービスは、アーカイブとしての役割ぐらいしか残ってないんじゃないか」という意見が出て、なるほど、と。

インターネット黎明期に作られたコンテンツは HTML ばかりなのだから、それらをアーカイブとして公開できる場所としては、これはもうホームページサービスしかないよなと。だって、TwitterにHTMLをアップロードなんてできないわけだし。

が、しかし、それら無料ホームページサービスは、数年前〜数十年前のコンテンツを「更新してないから」という理由で削除しちゃったりするわけで…。ダメじゃん。自分達しかできないことを、自分達から「それはやっちゃダメ」と言い出してる。そこは本来逆だよなあ。「貴方の黒歴史を公開できるのは我々だけ!」「他のサービスじゃ無理!」とか言い出すのが正しい、って黒歴史を公開したい奇特な人なんて居るのかよっていう。ていうかその頃HTMLを書いてた人達の数なんて今と比べたらたかが知れてるから、ユーザ数がたいして見込めないっていう…。

「インターネットの神保町」になるのは無理かな無理だろうな。 :

東京神田神保町には古本屋さんが軒を連ね、昔の珍しい情報を探しにきたお客さんの姿がチラホラ見える、てな話があるけれど。Web上でもそういうソレを作れないか。ホームページスペースが目指すのはそこじゃないか。

無理か。古本屋さんってどういう形で商売になってるのかちょっと分からんけど…収集したものを「売ってる」から商売になってるわけで。無料で、誰でも見れる状態で成立してるわけではないのだよな。

誰でも見れる状態で、となると、図書館や博物館のような存在になりそうだけど、それはもう商売じゃないし。

とは言え、歴史を残す、記録を残すという需要に最適化すれば、それはそれで専門サービスとして成立する…可能性はあるのかな。どうかな。ソースコード管理ツールの Subverson や git は履歴を残せるけど、公開されたHTMLだって履歴を残してみてもいいんやで、みたいな。

「そんなの既に Internet Archiveがあるじゃん」という気にもなったけど、Internet Archive は、HTMLの形で公開されたものを収集・再閲覧することは可能だけど、Internet Archive で自分が書いたHTMLをアップロードして公開できるわけじゃないから、ちょっと違う気がする。一旦どこかのWebサーバで公開しないと Internet Archive に取り込まれないという…。

あ。そうか。ホームページサービスを、マイInternet Archiveに変化させちゃう、という道もあるか…。他人様のサイトの魚拓を自分専用で残すサービスというか。これで万が一リンク先が消えても(自分だけは)閲覧できる、みたいな。って無料ホームページサービスは「倉庫として使ったら消すぞ」と言ってるわけだからソレもダメなんだけど。

リソースを共有できないのかな。 :

どうも不思議なんだけど、ホームページスペースだの、ブログだの、メールだの、画像アップロードだの、その手のサービスで使うファイルの保存場所・リソースを全部同じところにするのは難しいのかな…。いや、Googleはソレをやってる気配があるけど、日本のWeb関連企業ってソレをやらないよなと。

「無料でブログが使えます。容量は10GB!」とか言いながら、系列グループが提供する無料ホームページスペースは数十MBのままだったりして、なんでコレ一緒にせんのやろと。一緒にすれば、「ホームページサービスは流行らないのでやめます…」「なんだかブログもオワコンっぽいのでやめます…」なんて展開にはならんよなと。「ブログだろうと共有フォルダだろうと何に使ってもいいですよ。ただし全部で10GBまで!」のほうがいいよなと。まあ、Google はソレをやってるわけだけど、Google は Googleで、いきなりHTMLを置いたりできないし…。

そもそもサービスを提供してる会社が違うとか、部署が違うとかで、無理なんだろうな。ほとんどは、他所のサービスを買収して、てな展開だし…。技術的にも、それまで運用してたアレコレを統合するなんて結構難しい、てなところもあるのかな。分からんけど。

そういや、昔のシャープなんて、3つの部署からそれぞれ別系列の8bit PCを出してたっけ。 *1 日本って、そういうところがあるよなあ。太平洋戦争中の、陸軍と海軍の乖離・敵対状態とか…。と思ったけど日本に限らないか。Microsoftも部署同士の足の引っ張り合い、潰し合い、社内政治が酷いらしいし。

ある意味、まだ全然余裕があるんだろうな。共闘して事態を乗り越えるぞ、おー、みたいなことをしなくてもなんとかなるさ、大丈夫大丈夫、てな見込みがあるから、それぞれが、てんでバラバラなことをしてるのだろう…。

まあ、そんなことをぼんやり考えました。只の思考メモです。

*1: さすがにある時期「これはアホだ」とようやく気が付いて、同じ部署にまとめたらしいけど…。

以上です。

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