mieki256's diary



2016/12/26(月) [n年前の日記]

#1 [anime][neta] 女性向けアニメのカット数ってもっと減らせないのかな

バカ妄想です。

何かの作業をしながら男性アイドルキャラが踊りまくる系の女性向けアニメをBGVで流してチラ見することがあるのですけど。ふと、なんとなく。

女性向けアニメって、もっとカット数を大胆に減らせないのかなと。例えば今の半分ぐらいに…。

カット数をドカッと減らす代わりに、各カットをアニメ雑誌に印刷されてる版権イラスト並みの仕上りにしたほうが女性アニメファンは喜んだりしないだろうかと。いやまあ、それじゃますます作るのが大変になるよ、元が取れねえよと怒られてしまうかもしれないけど。

おそらくだけど、映像のテンポというか、リズミカルなカット切替なんて、女性アニメファンはちっとも望んでないんじゃないか。まずはとにかく一切崩れてなくてモビルスーツ以上にやたらめったら線が多い端正なイケメンキャラの止め絵がバーンと画面にアップで映ることを期待してたりするんじゃないかと。極端な話、アニメタッチ風美麗カラーイラストがオマケでたくさんついてるドラマCD、みたいな商品を求められてたりしないか、などと邪推したりもするわけで。

てなことを思ったけれど、カット数を減らすのは無理なんじゃないかと思えてきたり。

会話シーンが癌になりそう。 :

カット数を減らすと、そもそも会話シーンが成立しないのではあるまいか。

と言うのも、例えば韓国ドラマを眺めていても感じるのだけど…。どうも女性向けの映像作品って、イケメンキャラが台詞を喋ってる時はそのイケメンキャラの顔が必ずアップになること、みたいな不文律があるよなと。

例えば、A,B,Cの3人のキャラが会話してたら、Aが喋るとAのアップ、Bが喋るとBのアップ、Cが喋れば…というカット割りにしないといけない。こんな制約があるのでは、カット数を減らしようがない…。

バンクを活用できないか。 :

いや待て。それならそれで手があるのでは。いわゆる _バンク を活用できないか。

コンテ段階で1カット分を描いたら、その1カットは最低限もう1回はどこかで使い回すこと、できれば3〜4回は使い回すこと、みたいな制約を与えてコンテを描いてもらうのはどうか。TVアニメは1話あたり平均300カットと言われてるけど、この制約を守れば単純計算で150カット分作画すれば1本作れるはず。もちろん、あくまで原画・動画レベルで使い回しを意識してくれ、という話で、背景を別にしたり、撮影段階で極端なエフェクトかけて、パッと見は違うカットにしていくのは全然アリ、ということでなんとかならんかと。

「そんな制約出されたらコンテなんて描けねえよ」と怒られるだろうか。でも、宮崎駿監督だって「ナウシカ」で王蟲の大群のカットをガンガン使い回してるし、庵野監督だってTV版EVAで零号機の暴走カットの作画を使い回したりしているし。宮崎駿監督や庵野監督だってやってみせているのに、君はできないと言うのか。「フッ。あの二人よりもっと鮮やかな手管を見せつけてやるぜ!」と吠えてみせる猛者は居ないのかと。

と言っても、おそらくそんなコンテを描こうとしたら悩む時間がより増えて上がりが遅くなって、制作進行さんから文句言われたり、監督から嫌味言われたり、Pから「アイツ使えねえな。とにかく仕事が遅過ぎる」と悪評を立てられちゃうよな…。となると、「ああ、分かったよ! とにかく早く上げればいいんだろ!」的にヤケクソ気味で描き飛ばす展開に。しかしそんなコンテでは、カット数が節約できてなかったり、カット制作の難易度について無頓着だったりで、後工程が地獄を見る…。

昔は、スケジュールを節約するためにコンテ段階で知恵を絞ってたけど、今はもうそんな余裕すら無くて、ますます全工程の負荷が増える流れになって、スケジュールがますます苦しくなって…。そんな悪循環があったりするのかなと。

なんでもそうだけど、評価システムがそもそも狂ってると全てが確実に狂っていく。「あの人、コンテ上げるの遅いけど、その代わり実質的なカット数めちゃくちゃ減らしてくれるから後工程がスゲー助かるんだよなあ」ぐらいの評価を下してくれる人が居れば…。などと妄想を。

構図で工夫できないか。 :

そのキャラが喋ってる時は、そのキャラの顔をアップにしないといけない、という制約があったとして。構図を工夫することでカット数を減らせないか…。

例えば、Aのイケメンキャラの肩のあたりに、Bのイケメンキャラがコテンと頭を預けていたら、AとBの顔のアップさえ描いとけばA・Bが会話をしていてもカット切替しなくて済むなと。やった。これでカット数を減らせる。しかも「キャー。○○くんの仕草、カワイイー」と女性ファンも喜んでくれそうな。

アレ? そういえば女性向けアニメって、妙にそういう不自然な構図が多いような気が…。そうか、なるほど、既に各スタッフはそういう工夫を盛り込んで作っていたのですな。今頃気づきましたスミマセン。なかなかやりますなあ。

もしかすると、その手の制約 ―― とにかくカット数を少なくしろ、という制約は、マイナス方向にばかり働くとは限らないかもなと。制約をクリアするために様々な構図・表現を無理矢理捻り出していくことで、そのジャンル独特の映像表現を身に着けていく、特異性を入手できる、そんな可能性があったりしないか。江戸時代に「歌舞伎に女を出すな!」とお上が制限を出してきたことで、歌舞伎の女形という表現が生まれたように…。

もっとも、スケジュールが無ければそれら工夫を考えてる時間的余裕も無いわけで。現状では何もかもが絵に描いた餅、なのだろうな…。

カット数を減らす以前に、そもそも本数、減らせないのかな…。

まあ、どれもこれも所詮はバカ妄想です。

以上です。

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