2016/03/29(火) [n年前の日記]
#4 [anime] 「ハルチカ」最終回を視聴しながら説明シーンのあり方についてもやもやと
BS11で放送されてた「ハルチカ」というアニメの最終回を視聴。どういうアニメかと言えば…。高校の吹奏楽部に所属する主人公達が学園内のミステリーを解明していくという…。大変失礼ながらぶっちゃけて言ってしまうと、京アニ(京都アニメーション)が作った「氷菓」と「響け!ユーフォニアム」を足して3で割ったようなアニメ。足してそのままどころか、2で割れてないあたりが悲しい…。(※ 感想には個人差があります。) 個人的には期待してたんだけど…。いや、「学園ミステリー」と「吹奏楽」はどちらもがっぷり組み合わないと描けないヘビーなネタだから消化しきれないだろう、とも思ってましたが…。
◎ 説明シーンについてもやもや。 :
個人的に、このアニメ、ずっと気になってた部分があって。ミステリー部分の説明シーンで、棒立ち状態のキャラが台詞だけで状況を説明していくのが、なんだか気になって、気になって。それでいいのか? どうなんだ? みたいな。
というのも、「ハルチカ」と同様に、学園ミステリーを主軸にしていた先行作品「氷菓」の場合は、状況を映像面でも説明しようと図解を多用してたというか、いわゆる _インフォグラフィック をガンガン持ち込んで説明を試みてたわけで。それと比べてしまうと「ハルチカ」のソレは…。
小説や漫画の場合、説明内容に対して読者が疑問を持ったら、読み返して確認することができるわけで。しかし、アニメ・映像作品の場合は、即座に巻き戻して確認することなんてできない。目の前の、映像も、展開も、どんどん流れてっちゃう。 *1 それを考えると、丁寧に噛み砕いた説明が必要というか、ちゃんと理解してないとしても、なんだか分かったような気分にだけはなれる説明が必要になってくるはずで。故に、「氷菓」の説明シーンは、「アニメは小説とは違うのだ」と意識できているからこそ、一手間・一工夫を加えてるという点で、自分は高く評価してるのですが。
ただ、「氷菓」のソレが文句なしに上手くいってたかというとソレも微妙で。図解の各記号に凝った動きをつけてモーショングラフィックぽくなってたり、商業アニメでは使いづらい斬新な絵柄で説明映像を作ってたことで、映像の持つ情報量が増えちゃってオーバーフローして肝心要のミステリー状況の解説がぼやけちゃって、何のためにそれらの映像を挿入したのかそもそも分からなくなってたところも。何せ説明映像が…「イヌカレー空間」ライクで…。そりゃ見た目のほうが面白過ぎて説明内容が頭に入ってこないよなと。…まあ、映像として地味になるよりは華やかにしたほうがいい、それでなくても地味な展開をする作品なんだから、と判断したところがあるのかもしれないけど。
対して「ハルチカ」は、よく言えばストイック。情報のオーバーフローは起きようがない。けど、これで本当に視聴者は内容を理解できているのだろうか、てな不安は残るわけで。
「ハルチカ」のスタッフは、「氷菓」のソレを見て、「コレはよくない」「むしろ説明台詞だけのほうが分かりやすいのでは」と判断して抑え気味にしていたのか。それとも、「氷菓」なんて見ていないし、小説とアニメは違うということもよくわかってなくて、「説明台詞さえ置いとけばいいだろ」的に安易に作ってしまってこうなったのか。結果の映像を見ただけでは、どちらのつもりで作ってるのか判断がつかなくて。
てなことを考えながら眺めてたんで、ずっと、これでいいのか? どうなんだ? と、もやもやしていた自分なのでした。
映像の情報量を少なくしたほうが理解しやすいと仮定するなら、画面を真っ暗にして台詞だけ流したほうが分かりやすかったりするのかもしれんけど、別にそういう変わった見せ方をしていたわけでもないし…。いや、見返したらそういう工夫が盛り込まれてるのかもしれんですけど、見て消ししてたから見返しようもなくて。実は工夫してたのかな。どうだったんだろう。
おそらくこのあたり、在りし日のスタジオジブリ内で意識されてたらしい、「映像の持つ情報量」てな話と多少絡んでくるのかもしれない、などと根拠なく邪推したりもするんですけど、どうなんですかね。そこで言われてたらしい「情報量」とは、また違う話なのかな。
でもまあ、ブルーレイを購入した人なら、疑問に思ったら巻き戻して見れるだろうから問題にはならないのか。と思ったけど、回答(ミステリーの謎解き・話のオチ)を知ってるのに、問題文を読み返すのって苦行だったりしないのかな。どうなんだろ。
というのも、「ハルチカ」と同様に、学園ミステリーを主軸にしていた先行作品「氷菓」の場合は、状況を映像面でも説明しようと図解を多用してたというか、いわゆる _インフォグラフィック をガンガン持ち込んで説明を試みてたわけで。それと比べてしまうと「ハルチカ」のソレは…。
小説や漫画の場合、説明内容に対して読者が疑問を持ったら、読み返して確認することができるわけで。しかし、アニメ・映像作品の場合は、即座に巻き戻して確認することなんてできない。目の前の、映像も、展開も、どんどん流れてっちゃう。 *1 それを考えると、丁寧に噛み砕いた説明が必要というか、ちゃんと理解してないとしても、なんだか分かったような気分にだけはなれる説明が必要になってくるはずで。故に、「氷菓」の説明シーンは、「アニメは小説とは違うのだ」と意識できているからこそ、一手間・一工夫を加えてるという点で、自分は高く評価してるのですが。
ただ、「氷菓」のソレが文句なしに上手くいってたかというとソレも微妙で。図解の各記号に凝った動きをつけてモーショングラフィックぽくなってたり、商業アニメでは使いづらい斬新な絵柄で説明映像を作ってたことで、映像の持つ情報量が増えちゃってオーバーフローして肝心要のミステリー状況の解説がぼやけちゃって、何のためにそれらの映像を挿入したのかそもそも分からなくなってたところも。何せ説明映像が…「イヌカレー空間」ライクで…。そりゃ見た目のほうが面白過ぎて説明内容が頭に入ってこないよなと。…まあ、映像として地味になるよりは華やかにしたほうがいい、それでなくても地味な展開をする作品なんだから、と判断したところがあるのかもしれないけど。
対して「ハルチカ」は、よく言えばストイック。情報のオーバーフローは起きようがない。けど、これで本当に視聴者は内容を理解できているのだろうか、てな不安は残るわけで。
「ハルチカ」のスタッフは、「氷菓」のソレを見て、「コレはよくない」「むしろ説明台詞だけのほうが分かりやすいのでは」と判断して抑え気味にしていたのか。それとも、「氷菓」なんて見ていないし、小説とアニメは違うということもよくわかってなくて、「説明台詞さえ置いとけばいいだろ」的に安易に作ってしまってこうなったのか。結果の映像を見ただけでは、どちらのつもりで作ってるのか判断がつかなくて。
てなことを考えながら眺めてたんで、ずっと、これでいいのか? どうなんだ? と、もやもやしていた自分なのでした。
映像の情報量を少なくしたほうが理解しやすいと仮定するなら、画面を真っ暗にして台詞だけ流したほうが分かりやすかったりするのかもしれんけど、別にそういう変わった見せ方をしていたわけでもないし…。いや、見返したらそういう工夫が盛り込まれてるのかもしれんですけど、見て消ししてたから見返しようもなくて。実は工夫してたのかな。どうだったんだろう。
おそらくこのあたり、在りし日のスタジオジブリ内で意識されてたらしい、「映像の持つ情報量」てな話と多少絡んでくるのかもしれない、などと根拠なく邪推したりもするんですけど、どうなんですかね。そこで言われてたらしい「情報量」とは、また違う話なのかな。
でもまあ、ブルーレイを購入した人なら、疑問に思ったら巻き戻して見れるだろうから問題にはならないのか。と思ったけど、回答(ミステリーの謎解き・話のオチ)を知ってるのに、問題文を読み返すのって苦行だったりしないのかな。どうなんだろ。
◎ 保険のかけ過ぎにもやもや。 :
それとは別に。「吹奏楽部」と「学園ミステリー」の両方を盛り込んだのは、失敗だったのだろうなと。原作小説がそうなってるから仕方ないのでしょうけど…。京アニですら、「学園ミステリー」は「『やる気のない』文芸部」にやらせてたのに…。「吹奏楽」はそれだけに絞って見せてたのに…。
美味しそうなネタだからと安易に両方盛り込んだら、そりゃ内容が薄まって当然だよなと…。ゲーム制作ネタを盛り込んだ「少女たちは荒野を目指す」に対しても思ったけれど、目に入った面白そうなネタをとにかくぶっこんどいてアレコレ保険かけとくってのは止めといたほうがいいんじゃないかと。「無理して欲張ってアレもコレもと手を出さない」代わりに「これだけはしっかり描く」的に絞ったほうがいいんじゃないか、などと思わないでもないです。
でも、そんなことを言ったら「おニャン子クラブ」も「AKB48」も出てこなかったよな…。ぶっこんでみたどれかしらの要素が引っ掛かるだろ、てな商売の仕方もあるんだろうし。なんとも難しい…。
結局は博打なのかも。賭けられる総額は決まってて、アレもコレもと賭けたら一つ当たりの賭け金は少なくなるからどれか当たってもリターンは少なくて。一つに全部賭ければリターンは大きいけど外した時は大損。みたいなことなのかしらん。いや、そんな単純な話ではないか…。
美味しそうなネタだからと安易に両方盛り込んだら、そりゃ内容が薄まって当然だよなと…。ゲーム制作ネタを盛り込んだ「少女たちは荒野を目指す」に対しても思ったけれど、目に入った面白そうなネタをとにかくぶっこんどいてアレコレ保険かけとくってのは止めといたほうがいいんじゃないかと。「無理して欲張ってアレもコレもと手を出さない」代わりに「これだけはしっかり描く」的に絞ったほうがいいんじゃないか、などと思わないでもないです。
でも、そんなことを言ったら「おニャン子クラブ」も「AKB48」も出てこなかったよな…。ぶっこんでみたどれかしらの要素が引っ掛かるだろ、てな商売の仕方もあるんだろうし。なんとも難しい…。
結局は博打なのかも。賭けられる総額は決まってて、アレもコレもと賭けたら一つ当たりの賭け金は少なくなるからどれか当たってもリターンは少なくて。一つに全部賭ければリターンは大きいけど外した時は大損。みたいなことなのかしらん。いや、そんな単純な話ではないか…。
*1: HDDレコードで録画したモノを見てるならできるけど、リアルタイムで視聴してる時は無理。
[ ツッコむ ]
以上です。