mieki256's diary



2016/01/17() [n年前の日記]

#3 [anime] 昭和元禄落語心中を視聴

落語家を主人公にした漫画原作のアニメ化作品、という説明でいいのだろうか。

BS-TBSの放送では、1話目は1時間放送してたのだけど。Wikipediaを確認したらOVA版2話分が存在していたようで。もしかするとTV放送の1話=OVA版2話分、だったのだろうか。よくわかりません。

たしか1話の、若手落語家が落語を演じてたシーンで、熱気を帯びてきた体から湯気が立ち昇ったり、尻や膝のあたりが汗でびっしょりになってたり、そういう見せ方をしていたあたりで唸ってしまったり。漫画原作にそういうコマがあったのか、それとも落語をテーマにしたドラマや映画でそういうカットがあって取り込んだのか分からんけど…。

演者の背中から薄暗い観客席を捉えてるからこそ、かろうじてうっすら見えてくる空気のゆらめき。観客席側からは分からないけど、楽屋裏から見ることで気づくことができる汗のかき具合。裏にカメラを置いたことで可能になる伝え方、なのだなと。こんな見せ方によく気づいたなと感心。考えてみたら、落語家の喋りや台詞は落語を演じることで既に使ってるのだから、後は視覚情報で伝えていくしかないんだよな…。「首から上さえ描けてればいいだろ」と業界人自身が言っちゃうぐらいにアレな作りが多いアニメ業界の中で、ちゃんとこういう描写を試みるあたり、真摯に作られてる作品なのだろうと感じてしまったり。

1話では、師匠キャラを演じる石田彰氏が、師匠と呼ばれるに相応しい上手な落語を演じて見せてたのだけど。2話目・過去の回想編になると、若い頃の師匠が無残な前座を披露していて。惚れ惚れする落語と、聞くに堪えない落語の両方を、一人で見事に演じ切っているあたりに、なんだかゾクゾクしてしまった。昔、若手声優さんの中には石田氏の演技を見て衝撃を受けて声優を目指した人も居るとどこかで聞いた記憶もあるけど、たしかにコレは…凄い…。

そして直後に、師匠キャラのライバルを演じる山寺宏一氏が、豪快、大胆、天賦の才を感じさせる落語の演技を披露するわけだから…。これはとんでもないアニメだなと。声優さん達の技の凄さを再認識させられるというか。

そもそも落語は、一人の話者が、複数のキャラを演じることで成り立つわけで。そこに上乗せする形で、ベテラン時代の上手い演技と、駆け出し時代の下手な演技を、声優さんが披露しなければならないという…。2進数で考えれば、上位ビットが1ビット増えちゃった状態。単純に、演じるキャラの数が2倍になったも同然で。しかもこの後、おそらくは徐々に上達していく様子も見せていくのだろうから…。

音楽と落語の違いはあれど、「坂道のアポロン」「響け!ユーフォニアム」等がチャレンジしてた、「本物を見せれば、それだけで視聴者に十分伝わるはず」てな姿勢を感じたというか。これはかなり高度なことをしてる作品ではあるまいか。

さておき。1話も2話も熊谷脚本だったので、個人的にちょっとビックリ。SFっぽい作品が得意な脚本家さんとばかり勝手に思い込んでいたので、こういうジャンルもイケるなんて幅広く書ける方なんだなと…。この調子でゆくゆくはプリキュアを…いや、なんでもないです。

以上です。

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