mieki256's diary



2015/11/14() [n年前の日記]

#1 [zatta][pc] Excel方眼紙と自動中割り生成技術

ジャギ消しアルゴリズムの検討をする際、マス目内の背景色を指定できて、かつ、文字・記号を書き込める何かがあれば便利かなと思ったわけで。何が使えるものはないか…。むっ。そんな時は、Excel方眼紙の出番か? と。

そこから何故か、Excel方眼紙についてもやもや考え始めてしまったり。

どうして、世間一般では、本来使ったら困る場面ですら Excel方眼紙を使ってしまうのか。それはおそらく、世間の皆様には、「あらゆる作業を一つの道具・ルールで片づけたい」という欲求が根強くあるからではないかと。

もしかすると、 _ジェラルド・ワインバーグ が語ったらしい「金槌の法則」のようなものだろうか。「クリスマスプレゼントに金槌をもらった子どもは、何でも叩きたがる。」 ―― Excelの使い方を覚えたユーザは、何でもExcelで済ませようとする。みたいな。

そこでふと、アニメ業界で実験してたけど全没にされてしまった _自動中割り生成技術 のことを思い出したり。立体を意識した中割りができないから没にしたぜ、アレは話にならない技術だぜ、と、そういう認識らしいけど。

素人考えでは、とりあえず各ツールにつけるだけつけといて、使えそうなカットが来たら使えばいいし、荷が重いカットなら今まで通り手描きで済ませりゃええやん、なんで全没にしてんの、と思ったわけで。例えば今時は3DCG使ってアニメを作る場面も増えてるけど、3DCGではちょっと無理かなって時は手描きで済ませてるし。そういうノリで全然OKだったのではないかと。 *1 でも、自動中割りは、使えない技術として没になってしまった。もったいない話。

おそらく、アニメーターさん・アニメ業界は、自動中割り生成技術に、めちゃくちゃ夢を見ていたのだろうなと。それさえあれば、あらゆるカットが、自動で中割りできちゃうぞ、イエッフー! みたいな。ところが、全カットに使えないことが見えてきたら、期待がそのまま反転して、技術を全否定してしまったのだろうと。

おそらくそこにも、「あらゆる作業を一つの道具・ルールで片づけたい」という、無意識下での根強い欲求があって、その欲求が満たされないと分かったから否定されたのだろう、と思うわけですよ。 *2

てなことを思ってしまったのでなんとなくメモ。話のオチはないです。
*1: 例としては…。3DCGスタジオのサンジゲンが、「蒼き鋼のアルペジオ」という作品内で、次々に着替えをしていくキャラの図、というシーンを作ったとき。そのカットでしか使わない服装モデルを一つ一つ作ってたら時間もコストもかかり過ぎるので、その一連のカットは手描きで済ませていたわけで。
*2: もっとも、自動中割りに関しては、導入されたら「Excel方眼紙」「金槌」扱いになってた予感も。そのカットを自動中割りで片づけるのは無理だよ、って場面でも使われてひどいことになっただろうなと。何せ今の時点でも、タップ割りを駆使してどうにかしちゃう達人が出現して動画検査の人が「こんなの使えねえ」って泣いてるらしいし。

以上です。

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