mieki256's diary



2014/06/30(月) [n年前の日記]

#1 [cg_tools] えもふりを試用

この手のツールは触ってみないと何とも言えないところがあるので、試しにインストールして、少し触ってみたり。

同梱のサンプルファイルを読みこんでちょっと動かしてみたけれど。なるほど、これは面白いなあ…。静止画がぬるぬる動き始めるあたりに、純粋な驚きが。いやまあ、仕組みは別に新しいわけではないのですけど。既存技術のまとめ方、あるいは見せ方が上手い、と思ったわけで。

可愛い女の子をぬるぬる動かせるという点を前面に押し出しているあたりはグッドのような気がしたり。同じ仕組みでも、狼、スライム、実写取り込みの外国人の顔が動くデモ映像より、人目を引くよなと。

全パーツを1つのpsdファイルでインポートするあたり、賢いなと感心。これがもし…。 そういった、他のインポートの仕方を想像すれば、psdファイル1つで済ませられる仕様は素晴らしい。

ただ、Adobeのクローズドなフォーマットであるpsdファイルを頼ってしまって大丈夫なのかな…。と思ったけど、ググってみたら今時は _Adobe Photoshop File Formats Specification で仕様が公開されてるの? 知らなかった! だったら問題無いか…。レイヤーを内包できて、そこそこ普及しちゃってるメジャーな画像フォーマットと言うとpsdしか無いわけで。今後もその手の用途では、psd一択になりそうな。それにしても何時公開したんだろう…。ググってみても、ニュースになってないみたいだけど…。

各パーツの可動範囲を、レイヤー上の矩形領域で指定するあたりも、これは頭がいいなと。富豪的プログラミングに近い発想を感じたり。リソースをたくさん使うことで利便性が増すなら、今時ソレをやらない理由はないですな。

何より、 _E-mote/えもふりが元々は多関節キャラエディタだった という話を目にして、なんだか目頭が熱く…。メガドラのタイトルを作ってた頃、先輩が、「本当は多関節キャラエディタを作って、プログラマー以外も多関節キャラを作れるようにしたいんだけど、そこまで手が回らないんだ」と悔やんでたことを思い出したりして。やっぱりエディタが存在する・エディタを作っておくのが正解だよなと。どう考えてもM2さんは正しい。それにしても、あの頃どうにかその手のエディタを作っておけば、3Dときメモを作り始める前に、2Dでぬるぬる動くときメモを出せて、展開が違っていたのかも、などと妄想したりもして。 *1

仕組みについて。 :

仕組み自体は、失礼ながら、別に新しくもないよなと。 _Live2D も似たような仕組みだろうし。

また、Flashアニメが流行ってた頃の、 _なつみSTEP! でも、こういう仕組みで動かしてるカットが多数あるし。あの作品って、何年頃に制作されたんでしたっけか。少なくとも10年以上前だと思うけど…。

そもそも、宮崎駿監督が絶賛したと言われる、 _霧につつまれたハリネズミ(霧の中のハリネズミ) も同じ仕組みだし。1975年のフィルム作品でもやってるわけで。

なので、「技術の進歩ってスゲー」等の感想を見かけると、なんだかもやもやしちゃったり。やってる人達は随分前からやってたわけで。ここに来て突然出現したものでもないよなと。

しかし…。
  • 専用ツールをちゃんと作って結構な部分を自動化できた点。
  • やれることを制限した代わりに操作手順量を激減させて、誰でもできそうな雰囲気にした点。
  • 昔のフィルム作品でやってたソレを、現代のデジタル機器の上でリアルタイムにやってみせるという点。
そのあたりが素晴らしいと個人的には思うのでした。パッと見た瞬間に、「ああ、こんな風に動かせるんだ」「こういう使い方ができるんだ」と分かるのは、これは間違いなく意義があることじゃないのかと。

Flash、After Effects、 _Anime Studio _(Anime Creator) 等で、似たようなことはやれなくもないけど。それらは汎用性がある代わりに手間が増えて、「なんだか大変そう」「これは自分には無理じゃないか」と思えてくるわけで。

「このくらいなら自分もできるんじゃないか」と思ってもらえそうか、そこは大事だよなと。えもふりは、そこらへんがイイ感じだよなと。…考えてみたら、iPhone等のタッチパネル端末がウケたのもソレなのかな。既存の技術を上手に組み合わせて、「自分もできそう」と思わせられるところまで持っていけるかどうか、みたいな。

更に、Twitter や pixiv で、アニメgif相当を貼れるようになったタイミングで、無料版を発表できたあたりも上手いなと。とにかく、無料版の存在・出現は大きい。 _年間契約は最低でも30万円 てな状態では、個人で少し遊んでみるなんて無理なのでスルーするしか無く。

同じ技術も、周囲の状況をどう整えるかで、注目されたりされなかったりしてしまうのだなと再認識、でした。良い製品を作っていても、上手に宣伝できなかったら埋もれちゃうよなと。

妄想。 :

触っているうちに少し妄想。

自分は絵描きじゃないので、元画像を用意するのがちと大変というか、若干くじけてしまったので、サンプルpsdを少し多目にどこかで公開しておいたほうがいいような気もしたり。「絵描きさんしか使えないツールなのだ」と思い込まれたら、それはよろしくないよなと。

MMDと似たような感じで、色んな絵描きさんが「俺の描いたpsdを動かしてみてくれ」と公開する流れができたら、もう少し盛り上がりそうだけど。そこまで行くかどうかは、ちとよく分からず。

どこかのアニメ番組で、えもふりで動かすこと前提のpsdファイルを公式サイトで配布をしたら、宣伝効果が期待できないかなと思ったり。
  • プリキュアのように3DCGモデルを用意して配布、とかになってしまうと作業が大変過ぎるし、何に使われるか分からんという不安も出てくるので、とても無理だけど。
  • これがもし、手描きでパーツ分けしたpsdを用意するだけなら、アニメーターさんにお願いすればどうにかなるし。決まった角度内で動かすことしかできないから、使われる範囲にも自ずと制限を与えられるし。
壁紙と一緒に、パーツ分けしたpsdを置いておくだけなら、マイナーなアニメの公式サイトでも十分実現できるのではないかなと。

いや、考えてみたら、アニメじゃなくてもいいのか。実写ドラマの俳優さんをレタッチしてパーツ分けpsdにして番組の公式サイトで公開、てのも宣伝になるかもしれない。おそらくキモイ動きになるあたり、少しは喜ばれそう。

でもまあ、わざわざpsdをDLさせなくても、公式サイトに JavaScript か Flash で貼っとけばいいだけの話なのかな。…そういう形にすると、ライセンス料が高くなりそうだし、インパクトも弱まりそうだけど。

Webサイト上のソレと、ローカルにDLするソレ。やれることは同じだとしても、ローカルにDLして好き勝手やれる、とユーザに思い込んでもらえるかどうかが結構大事だったりしないのかな。それとも、そのあたりの感覚を持ってるのはおじさんだけで、スマホでWebサービス・クラウドを使いこなす若い世代には、もう無かったりするのかな。どうなんだろう。

*1: けれど、あの頃はそういうツールを動かせそうなハードが無かった・PCのハードウェアスペックが低かったから、やっぱり実現性は低かったかもしれない。いや、PC-9801じゃなくて、X68Kが開発機材として渡されてたら、違ったのかな。

以上です。

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