mieki256's diary



2012/12/08() [n年前の日記]

#1 [zatta][comic] 漫画家さんの仕事場ってパーティションはないのだろうか

NHK教育で放送中の、バクマンというアニメを見ていて、なんとなく気になったのだけど。漫画家さんの仕事場って、パーティション(= _衝立 )は無いんですかね…? 仕事場にアシスタントさんが数人居たりするのだろうけど、視界を遮ってあるほうが作業に集中できたりしないのかなと。IT関係のオサレな職場では、そういうのを導入してることが多いけど。

ヘッドフォンつけて音楽聞きながら作業するアシさんが居たり、先生だけ別の部屋で描いたりするらしいけど。それってつまり、自分の世界に没頭できたほうが作業効率が高まる、という前提でやってることだろうし。ならば、アシさんの作業机もパーティションで区切ったほうが効率が上がりそうな。実際はどうなんだろう。

でも、部屋が狭過ぎるから、会社などで使うパーティションは導入できないよな…。アレってゴツイし。もし、やるのであれば、屏風のような日本古来の何かを復権・有効活用するほうがいいのだろうか。

せっかくだから、そこにも漫画業界らしさを…。 どれも鬱陶しいかな…。

皆で一丸となって作ってるんだ、という雰囲気にするためには、区切らないほうがいいのかもしれないか。あるいは、仲間同士で会話しやすい状態にすることも、精神安定、アイデア出し、技術共有や切磋琢磨には有効だ ―― 故にあえて区切らない、という理由付けも全然アリな気がする。

ある程度ベテランになった漫画家さんは、作家であると同時に、そういった、職場の雰囲気や、若手育成等、漫画以外のことも色々考えなきゃいけないから、大変そうだなあ…。いや、そのあたりも、全ては漫画のため、仕事のため、だろうから、「漫画以外のこと」ではなく、それもまた「漫画関係のこと」と捉えるべきかもしれないのか。ちょっと繋がりが見えにくいけど、結局は漫画と繋がってることだから、おろそかにはできない、みたいな話になるのかな。わかりませんが。

パーティションで区切るなら、会社のフロアでも良さそうな。 :

会社向けのパーティションを使って区切るような、そんな漫画家の仕事場を夢想。

出版社の1フロア。机がズラリと並んでて、パーティションで区切られていて。作品毎に、先生+アシスタント数人+もしかすると担当編集さん、で島を作り。その島がフロア内にいくつも点在してる。そんな制作現場とか。

壁には本棚がズラリと並んでいて、書籍やビデオ等、資料がびっしり。どのチームも、どの資料を持ち出して構わない。時々「○○って本はどこー?」「あ、俺が今使ってるッス」と別チーム間で会話が。ボロボロの資料をたまたま開いたら、あっ! あの偉大な○○先生が描いたエッチな落書き発見! とか。

DVDで映画を見ながら何かメモってる文芸部(原作者集団)の姿も。毎日何時から映画タイムと決まってて、原作者達数人がソレを見ながら雑談してる間にネタが出てきたり。

もしかすると、作品毎にチーム分けしてないのかもしれないか。アシさんは、背景部、仕上げ部、特殊効果部、CG部のどこかに所属してる。そもそも、メインキャラを描く作画担当の先生は…先生と呼んではいるけど原画部所属扱い。ネーム・コンテだけ描く人も居るんだろうけど、ソレは文芸部に含まれそう。

日本じゃ、ありえないだろうな…。

フロアを借りて漫画家を集めて作業させるとなると、フロアの賃貸料やら光熱費やらが会社持ちになるから、会社側が嫌がりそう。それでなくても出版業界は右肩下がり。漫画家個人が賃貸で住んでる部屋が既にあるわけだから、そこを仕事場にさせるほうが安く済みそう。

いっそ、出版社が不動産にも手を出すとか。要するに、平成のトキワ荘。ただし出版社直轄。マンションの全室に漫画家もしくはアシスタントが住んでいる。…ソレって会社側にとって何かメリットあるのかな。漫画家やアシスタントの召集時間は最短で済みそう、ぐらいしか思いつかないけど。家賃さえ払ってくれれば会社側には最低限の利益は出るだろうから、ライバル誌に連載してる作家さんも住んでたり。…今時、ライバル誌なんて扱いは無さそうな気もするけど。

まあ、ありえないな…。

いや待てよ。漫画制作のスタイルが固まってない発展途上国だったら、そういうスタイルも出来たりするのかな、と思えてきた。

皆で集まって一つの漫画を作ることについて。 :

前述の、フロアに漫画家がずらりと居るという妄想制作風景は、今のバクマンアニメ版でやってる、何十人もブレインを集めて一つの漫画を作る、みたいなスタイルに近づくのだろうなと。

バクマンのアレって、要するにアニメ制作のスタイルで漫画を作る、という話だよなあ…。

実際は、漫画一本の稼ぎで何十人も食べさせるのは無理がありそうなので、経済的に破綻して成立しないと思うけど。逆に考えると、漫画が一本ヒットすれば何十人でも食べさせられることができそうな、そんな物価だか市場だかがある国ならば、そういう制作スタイルも可能なのかなと。つまり、日本ではできなくても、外国なら可能になるのかもしれないと。

バクマンで主人公達が叫んだ主張 ―― 「たくさんの人の手を借りて作る、そんな娯楽作品は悪だ!」「そんなやり方は、いつか崩壊する!」という話が通るなら、たくさんの人間が集まって作っている、アニメやゲームなんて悪ということになるし、何人もの脚本家がどんどん手を入れていくハリウッド映画は、脚本だけを見ても既に悪の存在、という話にもなる。そして、アニメもゲームも映画も、いつか崩壊する、お前達は滅びるぞ、と言ってることにもなってしまう。

でも実際はそうじゃない。それらの作品・商品を、悪と断言するのはちょっと無理がある。たくさんの人が力を集めると、少人数では作れない、凄いモノができる(ことが多い)ので、それはちゃんとお客さんを楽しませることに繋がり、お客さんが楽しめるからお金も落としてくれて。つまりは商売として成立する。このあたり、たぶんDBの、「オラにhogeを分けてくれ」みたいな状態なんだろうと思うけど。つまりバクマンの主人公達は、「悟空は負けるべき! あんな戦い方は認められない! 悪だ!」と叫んでるも同然…なのかな。DB読んだことないから知らないけど。

ただ、問題は、集めた人達を食べさせていけるほどのリターンが期待できるかどうかで。漫画じゃそこまで行かないだろう、そこまで儲からないだろう、と日本国内では一応思われている節があるので、漫画でソレはやれない。アニメやら映画やらゲームであれば、一応そのくらい儲けることも可能ということになっているので、人を集めて作れる。…まあ、ゲームは、ちとソレが無理な雰囲気に…どうなんだろ。

つまり、善とか悪とかそういう話じゃなくて、漫画でソレやっても赤字になるから誰もやらないよね、という話に過ぎないのだけど。そこで、バクマンの主人公達が「悪だ!」「そんなの許せない!」と叫んでしまい、話がおかしくなっていく。

何せ、あの主人公達は、原作と作画に別れていて、しかもアシスタントを数人使ってる状態。話も絵も一人で描いて、しかもアシさん使わず背景も自分で描く、そんな拘りを持った漫画家さんから見たら、彼等は完全に「多人数制作スタイル」。そんな彼等が、より効率を上げた多人数制作スタイルを全否定してるのだから、そこには見事なダブルスタンダードが ―― 「お前が言うな」状態があるわけで。

あのエピソードがアニメオリジナルなのか、原作内にも存在するのか分からないけれど。もし、原作にあるなら…。あのあたり、もしかすると、原作者の、「ズルイ! そんなことができるなら俺だってやりたいです!」という、同業の誰かさんに向けた嫉妬(?)の声、だったりするんじゃないかなー、と勝手に思いながら見ています。

それはそれとして。多少懐具合にまだ余裕のある出版社が、発展途上国でビルのフロアだかアパートだかを買い上げて、現地の漫画家の卵、小説家の卵を掻き集めて、皆でアイデア出しをさせて、よってたかってゴリゴリと原稿を上げさせる…そんな制作スタイルを実験的にやらないものかなあ、と無責任に妄想したり。

場合によってはアシスタント部隊だけ構成して使うのもアリなのかな。こういうの描いてとチャットでお願いすると、デジタルデータであちらから背景画等が送られてくる。みたいな。

でも、そういう発注は、細かいやり取りやら、担当者の技量の信頼性が関係してくるから、国内でアシさん呼んでお願いしたほうが間違いないよな…。それに、業界としては、アシスタントとして現場に参加してもらうことで次代の漫画家を育成してる面も大きいのだろうし。迂闊にこのへん国外にアウトソーシングしたら、作家群を養成する仕組みの瓦解に繋がり、空洞化は避けられない。みたいな感じですか? わからないけど。

それと、アニメのように膨大な枚数を相手にする作業ならともかく、漫画制作は人海戦術が今一つ効きにくい気もするし。海外で大量に漫画家さんを集めたところで、どれほど有効活用できるのかという感も。そもそも漫画という商品は、量ではなく、作家性でユーザに選ばれるわけだし…。

というわけで、漫画家さんをたくさん集めて作業するのは、どう考えても無理がある気がしてきました。「悪」扱いするほどの話ではないけれど、単純に、漫画には、それは「合わない」。ということで、とっぴんぱらりのぷぅ。

以上、1 日分です。

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