2012/07/21(土) [n年前の日記]
#1 [zatta] 学生さんと社会人とお金と時間
考えをまとめるためにメモ。
学生さんと社会人では、時間に対する感覚が違う。
学生さんは、「時間のほうが貴重」と言われてもピンと来ない。自分も学生時代は分からなかったので、これは体験しないと分からない感覚なのだと思う。分かる学生さんが居たら、その人は学生さんらしからぬ体験を、どこかでしているのだろう。
なので、学生さんに近い感覚で娯楽コンテンツを味わってる人に、「プレイ時間が長過ぎる」「ページ数があり過ぎる」「時間のほうが貴重だ」と言っても分かってもらえない気がする。
上記を踏まえると、以下の極論も導き出せなくもない。
ここにパチンコの例を持ち込んで考え始めると、もっと面倒臭いことになりそうな気がしてきた。
学生さんと社会人では、時間に対する感覚が違う。
- 学生さんは、時間に余裕があるけど、お金は余裕が無い。
- 社会人は、お金に余裕があるけど、時間は余裕が無い。
- 学生さんは、時間を消費してお金を節約できるなら、時間を消費する。
- 社会人は、お金を消費して時間を節約できるなら、お金を消費する。
- 学生さんは、娯楽コンテンツは長いほうがいい、と思う。
- 社会人は、娯楽コンテンツは短いほうがいい、と思う。
学生さんは、「時間のほうが貴重」と言われてもピンと来ない。自分も学生時代は分からなかったので、これは体験しないと分からない感覚なのだと思う。分かる学生さんが居たら、その人は学生さんらしからぬ体験を、どこかでしているのだろう。
なので、学生さんに近い感覚で娯楽コンテンツを味わってる人に、「プレイ時間が長過ぎる」「ページ数があり過ぎる」「時間のほうが貴重だ」と言っても分かってもらえない気がする。
上記を踏まえると、以下の極論も導き出せなくもない。
- 学生さん向けにコンテンツを売りたい場合は、長い・量が多いほうが、喜ばれる。かもしれない。
- 社会人向けにコンテンツを売りたい場合は、短い・量が少ないほうが、喜ばれる。かもしれない。密度も関係してくるから、スカスカでいいというわけではないけれど。
ここにパチンコの例を持ち込んで考え始めると、もっと面倒臭いことになりそうな気がしてきた。
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#2 [zatta] 「長い」「作品」「商品」「ハードル」
思考メモ。
◎ まとめ。 :
先に結論を。
「長さ」は、「作品」を否定する要因にはならないし、「商品」として間違いなく売れないと決定するほどの要因でもない。ただし、「長い」と、「商品」としてのハードルは上がる。なぜかというと、お金はあるけど時間に余裕がない人が多いから。世の中、社会人のほうが多いので。
以下は蛇足というか、思考過程のメモ。
「長さ」は、「作品」を否定する要因にはならないし、「商品」として間違いなく売れないと決定するほどの要因でもない。ただし、「長い」と、「商品」としてのハードルは上がる。なぜかというと、お金はあるけど時間に余裕がない人が多いから。世の中、社会人のほうが多いので。
以下は蛇足というか、思考過程のメモ。
◎ 「作品」と「商品」という見方があると思う。 :
ちょっと前に、「その手のゲームは長いと良くない」てな思考メモを書いたのだけど。自分が、何を問題にしているか、今一つ分かってなかった気がしてきたり。
長いから面白い、長いけど面白い、という作品もフツーにあるのだから、「長い」と「作品」としてダメになる、という話じゃ全然ないんだよな…。
おそらく、「長いのはダメ」と言われると、自分が作った/楽しんだ「作品」を否定された気分になってカチンとくる人が居そうだなと思うのだけど。「長いと作品としてダメ」と言われてるわけではなくて、「長い」と「商品」としての売り込む際の「ハードル」が上がっちゃうよね、という話でしかないのだと思う。
社会人のほうがお金を持ってる。だから、売りたい、儲けたいと思うなら、社会人“も”狙ったほうがいい。となると、長いコンテンツより短いコンテンツのほうが手に取ってもらえる可能性が高まる。だから、長いのは良くないよ、短いほうがいいよ、と、そういう話でしかない。
作品の良し悪し、創作云々の話じゃない。商品として売り込みやすいか、お金を持ってる人達を狙いやすくなるか。つまりは、商売の話。「作品」じゃなくて、「商品」としてどうか、という話。
…自分がメモしたソレは、そこが明確ではなかった気がする。読み返してないけど、たぶん「作品」「作品」って書いてたんじゃないかしら。作品じゃなくて商品の話をしてることに、その時点では自分も気付いてなかった可能性が高いなあ、と今頃思えてきたり。
長いから面白い、長いけど面白い、という作品もフツーにあるのだから、「長い」と「作品」としてダメになる、という話じゃ全然ないんだよな…。
おそらく、「長いのはダメ」と言われると、自分が作った/楽しんだ「作品」を否定された気分になってカチンとくる人が居そうだなと思うのだけど。「長いと作品としてダメ」と言われてるわけではなくて、「長い」と「商品」としての売り込む際の「ハードル」が上がっちゃうよね、という話でしかないのだと思う。
社会人のほうがお金を持ってる。だから、売りたい、儲けたいと思うなら、社会人“も”狙ったほうがいい。となると、長いコンテンツより短いコンテンツのほうが手に取ってもらえる可能性が高まる。だから、長いのは良くないよ、短いほうがいいよ、と、そういう話でしかない。
作品の良し悪し、創作云々の話じゃない。商品として売り込みやすいか、お金を持ってる人達を狙いやすくなるか。つまりは、商売の話。「作品」じゃなくて、「商品」としてどうか、という話。
…自分がメモしたソレは、そこが明確ではなかった気がする。読み返してないけど、たぶん「作品」「作品」って書いてたんじゃないかしら。作品じゃなくて商品の話をしてることに、その時点では自分も気付いてなかった可能性が高いなあ、と今頃思えてきたり。
◎ 長いと商品にならない、わけでもない。 :
長いと絶対に商品にならない、というわけでもない。学生さんだけ狙うなら、たぶん長くてもいいし。あるいは、長くすることで作品価値が上がり、商品としてのハードルなんて作品の価値で軽々と飛び越えられると勝算が見出せるなら、長くてもいいのだと思う。
それに、長いモノを短くして売る方法だってある。
例えば、昔、MEGA-CDのゲームで、TVアニメに見立てたADVゲームがあったんだけど。そういう手も使えるんじゃないかしら。クリアまで数十時間かかると言われるより、1話20分で終わるよ、全部で何話だよ、と言われたほうが、20分単位か、だったらプレイできるかな? という気にならないかなと。実際、TVアニメがそういう形で商品になってるから、実績はあると言えるし。
ケータイゲームも、そういうやり方かもしれない。NHKの番組で、1日にピークが3回あると紹介されてたけど。朝、昼、夕に、数分〜数十分のプレイ。そこだけ見ると、プレイ時間は短く見える。でも、トータルのプレイ時間はとても長い。…そもそも、ケータイもスマホも、バッテリーの問題があるから、長いコンテンツも細切れにして提供しないと話にならないのかもしれないけれど。
つまり、構成の仕方を変える、パッケージングの仕方を変える、適切な区切りを入れて短さを強調する…ことでも状況が変わる。かもしれない。
でも、こういう話は、「作品」を作ってるつもりの人や、純粋なユーザ視点で「作品」を楽しんでる人には、ピンとこないかもしれないのか。「商売」「商品」の話でしかないから。
それに、長いモノを短くして売る方法だってある。
- TVアニメは、長いシリーズを、話数で分割して売っている。
- 児童向けの出版物のように、長い小説のダイジェスト版を作って売る、という手もある。
- 1stガンダム劇場版のように、長いTVシリーズを編集して、映画版という短い形にして売ることもできる。
- 小説を、漫画やアニメや舞台等、別の表現手法で作り直すことで、短くして売ることもできる。
例えば、昔、MEGA-CDのゲームで、TVアニメに見立てたADVゲームがあったんだけど。そういう手も使えるんじゃないかしら。クリアまで数十時間かかると言われるより、1話20分で終わるよ、全部で何話だよ、と言われたほうが、20分単位か、だったらプレイできるかな? という気にならないかなと。実際、TVアニメがそういう形で商品になってるから、実績はあると言えるし。
ケータイゲームも、そういうやり方かもしれない。NHKの番組で、1日にピークが3回あると紹介されてたけど。朝、昼、夕に、数分〜数十分のプレイ。そこだけ見ると、プレイ時間は短く見える。でも、トータルのプレイ時間はとても長い。…そもそも、ケータイもスマホも、バッテリーの問題があるから、長いコンテンツも細切れにして提供しないと話にならないのかもしれないけれど。
つまり、構成の仕方を変える、パッケージングの仕方を変える、適切な区切りを入れて短さを強調する…ことでも状況が変わる。かもしれない。
でも、こういう話は、「作品」を作ってるつもりの人や、純粋なユーザ視点で「作品」を楽しんでる人には、ピンとこないかもしれないのか。「商売」「商品」の話でしかないから。
◎ なんでこのへんもやもや考えたかというと。 :
_『2012年春 星海社FICTIONS新人賞 編集者座談会』2012年5月24日@星海社会議室 | 最前線
という記事を読んで、やたらと「長い」「長い」で没になってるなあ、と…。そこだけ見ると、「やっぱり『長い』とダメなんだ」と結論を出しちゃいそうだけど。
勝手な想像だけど。編集者は社会人だから、長い小説を読むのが基本的にツラいのではないか。読んでるうちに、「仕事とはいえ、時間がもったいない」と思い始めちゃうんじゃないか。だから、「長い」を理由にして、あっさり没にするのではないか、と邪推したりもして。
でも、 _SAO(ソードアート・オンライン) というラノベの話を見かけて、考え込んでしまったわけで。
なんでも、投稿規定をオーバーしたから自分で没にしてウェブで公開してた作品を、出版したらヒットしたとかなんとか…。いや、大賞応募用に編集し直したとか、出版する際に加筆修正したとか、そういう話も目にしたけど。そこは本筋じゃなくて。
つまり、SAOは、「『長い』という理由で没にされることが確定していた作品を実際出してみたら売れた」という例ではないのかしら、と思えてきたり。 *2
実際どうだったのかは分からんけど、とりあえずそうだと仮定すると。「長いから作品としてダメ」「長いから商品として売れない」が真ならば、SAOはそんなに売れなかったはず。だけどSAOは売れた(らしい)のだから、「長いから作品としてダメ」「長いから商品として売れない」という仮説があったとしても、それは間違っていると断言できる。…もちろん、そこから、「長いから作品として良い」「長いから商品として売れる」と変な結論出されても困るけど。
Fateシリーズもそういう事例なのか。長いけど、売れてる。めちゃくちゃヒットしてる。
そんな感じで、「長いからダメ、と自分は思ったけど、何がダメなんだろう」と、もやもやと。
少なくとも、「長さ」は、「作品」を否定する要因にはならないし、「商品」として間違いなく売れないと決定するほどの要因でもない、とは言えると思う。ただ、「商品」としてのハードルは上がる。なぜかというと、お金はあるけど時間に余裕がない人が多いから。
あくまで、自分の勝手な仮説ですよ。見落とし、間違い、事実誤認がありそうな気がします。
まあ、娯楽コンテンツを作って売ること自体、所詮は博打なので、こういうのって正解なんか無いですわな…。それに「作品」としてダメなら、どんなに工夫しても「商品」にはならんと思うし。
勝手な想像だけど。編集者は社会人だから、長い小説を読むのが基本的にツラいのではないか。読んでるうちに、「仕事とはいえ、時間がもったいない」と思い始めちゃうんじゃないか。だから、「長い」を理由にして、あっさり没にするのではないか、と邪推したりもして。
でも、 _SAO(ソードアート・オンライン) というラノベの話を見かけて、考え込んでしまったわけで。
なんでも、投稿規定をオーバーしたから自分で没にしてウェブで公開してた作品を、出版したらヒットしたとかなんとか…。いや、大賞応募用に編集し直したとか、出版する際に加筆修正したとか、そういう話も目にしたけど。そこは本筋じゃなくて。
つまり、SAOは、「『長い』という理由で没にされることが確定していた作品を実際出してみたら売れた」という例ではないのかしら、と思えてきたり。 *2
実際どうだったのかは分からんけど、とりあえずそうだと仮定すると。「長いから作品としてダメ」「長いから商品として売れない」が真ならば、SAOはそんなに売れなかったはず。だけどSAOは売れた(らしい)のだから、「長いから作品としてダメ」「長いから商品として売れない」という仮説があったとしても、それは間違っていると断言できる。…もちろん、そこから、「長いから作品として良い」「長いから商品として売れる」と変な結論出されても困るけど。
Fateシリーズもそういう事例なのか。長いけど、売れてる。めちゃくちゃヒットしてる。
そんな感じで、「長いからダメ、と自分は思ったけど、何がダメなんだろう」と、もやもやと。
少なくとも、「長さ」は、「作品」を否定する要因にはならないし、「商品」として間違いなく売れないと決定するほどの要因でもない、とは言えると思う。ただ、「商品」としてのハードルは上がる。なぜかというと、お金はあるけど時間に余裕がない人が多いから。
あくまで、自分の勝手な仮説ですよ。見落とし、間違い、事実誤認がありそうな気がします。
まあ、娯楽コンテンツを作って売ること自体、所詮は博打なので、こういうのって正解なんか無いですわな…。それに「作品」としてダメなら、どんなに工夫しても「商品」にはならんと思うし。
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#3 [zatta] 小説も細切れにできるのかな
例えば、挿絵の枚数を増やして、文章のページを少なくして、1冊分の内容を、2〜3冊に分割したら、手を付けやすくなるのだろうか。
アレ? それ、ラノベじゃないのか。
実はラノベこそが、社会人でも手を付けやすくした、工夫の産物?
自分の中の、ラノベの定義が、そもそも間違ってないか。ラノベって何だろ?
アレ? それ、ラノベじゃないのか。
実はラノベこそが、社会人でも手を付けやすくした、工夫の産物?
自分の中の、ラノベの定義が、そもそも間違ってないか。ラノベって何だろ?
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#4 [zatta] 小説と漫画とアニメと負担と消費時間
小説と漫画とアニメを比較して、送り手にかかる負担は、小説<漫画<アニメ、のような気がしてる。小説家に漫画を描かせたら「小説書くほうが楽」と言うだろうし、漫画家にアニメを作らせたら「漫画描くほうが楽」と言うだろう、と思うわけで。
そして、受け手にかかる負担は、小説>漫画>アニメ、のような気がしている。
負担は、そこにかかる時間と考えてもいい。送り手にとっては、制作時間。受け手にとっては、消費時間。
紙芝居ゲームは、どのあたりに相当するのだろう…?
漫画とアニメは、消費時間が逆かな? 漫画のほうが、アニメより、短い時間で消費できるのだろうか。漫画単行本1冊分をTVアニメにすると、数話分になったりするから…。例えば、1冊分を、TVアニメ3話に分けたと仮定したら、20分x3=60分か。単行本1冊を、1時間で読むのは遅い? 早い? そもそも、単行本1冊分を、アニメでは何話ぐらいに分けるものなんだろうか。
受け手が、最も早く消費できるメディアって、何だろうな…。
コストという負担もあるか。…コストは、送り手も、受け手も、小説<漫画<アニメの順で同じかなあ。
コストパフォーマンスが一番良いメディアって、何だろう? 小説かな? 1冊読むのに、結構時間をかけられるもんな。でも、時間が貴重な社会人にとっては、時間がかかること自体がツライだろうし。その場合、消費時間が短いほうが、コストパフォーマンスが良い、という話にならないか?
送り手にとって、あるいは受け手にとって、一番バランスが取れているメディアって、何だろう…?
そして、受け手にかかる負担は、小説>漫画>アニメ、のような気がしている。
負担は、そこにかかる時間と考えてもいい。送り手にとっては、制作時間。受け手にとっては、消費時間。
紙芝居ゲームは、どのあたりに相当するのだろう…?
漫画とアニメは、消費時間が逆かな? 漫画のほうが、アニメより、短い時間で消費できるのだろうか。漫画単行本1冊分をTVアニメにすると、数話分になったりするから…。例えば、1冊分を、TVアニメ3話に分けたと仮定したら、20分x3=60分か。単行本1冊を、1時間で読むのは遅い? 早い? そもそも、単行本1冊分を、アニメでは何話ぐらいに分けるものなんだろうか。
受け手が、最も早く消費できるメディアって、何だろうな…。
コストという負担もあるか。…コストは、送り手も、受け手も、小説<漫画<アニメの順で同じかなあ。
コストパフォーマンスが一番良いメディアって、何だろう? 小説かな? 1冊読むのに、結構時間をかけられるもんな。でも、時間が貴重な社会人にとっては、時間がかかること自体がツライだろうし。その場合、消費時間が短いほうが、コストパフォーマンスが良い、という話にならないか?
送り手にとって、あるいは受け手にとって、一番バランスが取れているメディアって、何だろう…?
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以上、1 日分です。