2009/12/09(水) [n年前の日記]
#1 [pc] 液晶ディスプレイのボタンがなんだか気になってしまった
先日から、MITSUBISHI RDT241WEX(24インチワイド、IPSパネル使用) を常用しているのだが。メニューボタンや、入力切替ボタンが、どうにも押し辛い。
どうして押し辛いのか、少し考えてみた。おそらく以下の理由によるのだろうと思う。
どうしてこんなに小さいボタンなのか、それが不思議だったのだけど。パネル枠を凝視しているうちにピンと来た。ボタンの大きさは、電源LED窓の大きさと、ほぼ一致しているように見える。また、各ボタンの説明単語は長さがまちまちなのに、電源ボタンも含めて全てのボタンは、ほぼ等間隔で並んでいる。つまり、ボタンやLED窓という丸い形状が、均等に整然と並んだデザインを盛り込んでみた ―― 見た目を重視したが故に、このボタンサイズになった、ということなのかもしれない。
他の液晶ディスプレイを使っている時には、これほどまでにボタンの押し辛さを感じたことはなかった。そこで、改めて、部屋にある他の液晶ディスプレイ ―― MITSUBISHI RDT156M と ハンファ VM-TL7 のボタン部分を観察してみた。
それぞれ、格別に押しやすいとは言えないまでも、RDT241WEXに比べれば、はるかにマシな押し具合に感じた。どうも以下の違いが関係しているように思える。
ふと、父が使っている NANAO S2031W (20インチワイド、サムスンVAパネル) を思い出した。あの製品も、ボタン部分は中央に配置されていたような気がする。
気になって、NANAOのサイトで現行機種の写真を観察して、驚いた。どうやらほとんどの製品が、ボタンを中央に配置しているようだ。また、名器と称される NANAO L997 を会社で常用している妹に、ボタンの配置について確認してみたところ、やはり L997 も、ボタンが中央に配置されているらしい。
色々考えてみたわけだが、どうやら RDT241WEX のボタン部分は、見た目ばかりを気にしたが故に、機能性・実用性を損ねてしまった、典型的な「工業デザイン失敗事例」のように思えてきた。
また、近年、パネルの選択に奇妙な偏りがあったことで、なんのかんの言われてしまっていた現在のNANAO製品であっても、こういった目につきにくい部分では、実用性に関してひっそりと、実に細かい気配りをしているのだなとも思えた。非常に言葉は悪いが、腐ってもNANAO、なのかもしれない。
MITSUBISHI製液晶ディスプレイが、代々、パネルの端にボタンを配置しているなら、見た目優先・実用性無視の姿勢が一貫していて、まだ納得もできるのだが。RDT156Mを設計していた時代には、中央に配置していたあたりがどうにも気になる。4:3の15インチ液晶ですら中央に配置しているのに、それより大きくなってぐらつきやすくなった24インチワイド液晶で、端のほうに、人の指が触れる部分・力が加わる部分を配置したら、それはよろしくないだろう。昔は出来ていたことが、今は出来なくなっている。この、RDT241WEX のデザインを担当したデザイナーは、自社の過去の製品デザインから何も学ぼうとしていなかった、と言えるのかもしれぬ。それとも、どうしてもパネル端にボタンを配置しなければならない技術的な制約でもあったのだろうか。だがしかし、NANAOは出来ているわけだから…。NANAOとMITSUBISHIの間には、それほどまでに技術力の差があるのだろうか。なんだか不可解な話ではある。
RDT156M関連の情報を検索しているうちに、RDT156Mを設計した時代は、MITSUBISHIではなく、NEC三菱ビジュアルシステムズだったことを知った。なるほど、こういった気配りは、もしかするとNEC側の技術者の中に蓄積されていたのかもしれぬ。と思ったがそういうわけでもないらしい。NECディスプレイソリューションズのサイトを眺めてみたが、現行のNEC製液晶ディスプレイも、妙なところにボタンが配置されている。NEC側にも、MITSUBISHI側にも、このあたりのノウハウは残ってないらしい。
ノウハウには、会社に溜まるものと、人に溜まるものが存在する、と常々思っているのだが。この、「液晶ディスプレイのどこにボタンを配置するのか」「ボタンをどのようなデザインにするのか」というノウハウは、どうやら人に溜まる種類のノウハウなのだろうと思えてきた。ノウハウを持った人間をリストラしてしまったか、あるいは設計現場から離してしまったか。そんなことを邪推してしまう。
もっとも、ボタンの押しやすさで、客が液晶ディスプレイが選択される場面など皆無であろうし。現に自分も、IPSパネル使用という一点豪華主義に惹かれて、この製品を選択してしまったのだから。
たかだかボタンごとき、些末な話、ではあるのだろうけど。工業製品の、企画、設計、デザインは、本当に難しいものだなと思った。
どうして押し辛いのか、少し考えてみた。おそらく以下の理由によるのだろうと思う。
- ボタン群が、パネルの右下に配置されているため、押そうとすると、パネル全体がぐらついてしまう。
- ボタンの大きさが、爪楊枝の柄の部分ほどの大きさしかないので、力の入れ具合が難しい。
- 液晶ディスプレイを、PCデスクから少し奥まったところに置いているので、押す時の姿勢が不自然になる。
どうしてこんなに小さいボタンなのか、それが不思議だったのだけど。パネル枠を凝視しているうちにピンと来た。ボタンの大きさは、電源LED窓の大きさと、ほぼ一致しているように見える。また、各ボタンの説明単語は長さがまちまちなのに、電源ボタンも含めて全てのボタンは、ほぼ等間隔で並んでいる。つまり、ボタンやLED窓という丸い形状が、均等に整然と並んだデザインを盛り込んでみた ―― 見た目を重視したが故に、このボタンサイズになった、ということなのかもしれない。
他の液晶ディスプレイを使っている時には、これほどまでにボタンの押し辛さを感じたことはなかった。そこで、改めて、部屋にある他の液晶ディスプレイ ―― MITSUBISHI RDT156M と ハンファ VM-TL7 のボタン部分を観察してみた。
それぞれ、格別に押しやすいとは言えないまでも、RDT241WEXに比べれば、はるかにマシな押し具合に感じた。どうも以下の違いが関係しているように思える。
- ボタンが横長形状のため、縦幅はともかく横幅については、親指の大きさとほぼ同じか、若干小さい程度の大きさになっている。そのため、力を入れやすい。
- RDT156Mに至っては、ボタン部分がパネル中央に配置されている。(そもそもパネルサイズが小さいことが大きく関係しているものの)、ボタン部分とパネルの固定部分との距離が短くなるような配置がされているため、ぐらつきが少なくなっている。
ふと、父が使っている NANAO S2031W (20インチワイド、サムスンVAパネル) を思い出した。あの製品も、ボタン部分は中央に配置されていたような気がする。
気になって、NANAOのサイトで現行機種の写真を観察して、驚いた。どうやらほとんどの製品が、ボタンを中央に配置しているようだ。また、名器と称される NANAO L997 を会社で常用している妹に、ボタンの配置について確認してみたところ、やはり L997 も、ボタンが中央に配置されているらしい。
色々考えてみたわけだが、どうやら RDT241WEX のボタン部分は、見た目ばかりを気にしたが故に、機能性・実用性を損ねてしまった、典型的な「工業デザイン失敗事例」のように思えてきた。
また、近年、パネルの選択に奇妙な偏りがあったことで、なんのかんの言われてしまっていた現在のNANAO製品であっても、こういった目につきにくい部分では、実用性に関してひっそりと、実に細かい気配りをしているのだなとも思えた。非常に言葉は悪いが、腐ってもNANAO、なのかもしれない。
MITSUBISHI製液晶ディスプレイが、代々、パネルの端にボタンを配置しているなら、見た目優先・実用性無視の姿勢が一貫していて、まだ納得もできるのだが。RDT156Mを設計していた時代には、中央に配置していたあたりがどうにも気になる。4:3の15インチ液晶ですら中央に配置しているのに、それより大きくなってぐらつきやすくなった24インチワイド液晶で、端のほうに、人の指が触れる部分・力が加わる部分を配置したら、それはよろしくないだろう。昔は出来ていたことが、今は出来なくなっている。この、RDT241WEX のデザインを担当したデザイナーは、自社の過去の製品デザインから何も学ぼうとしていなかった、と言えるのかもしれぬ。それとも、どうしてもパネル端にボタンを配置しなければならない技術的な制約でもあったのだろうか。だがしかし、NANAOは出来ているわけだから…。NANAOとMITSUBISHIの間には、それほどまでに技術力の差があるのだろうか。なんだか不可解な話ではある。
RDT156M関連の情報を検索しているうちに、RDT156Mを設計した時代は、MITSUBISHIではなく、NEC三菱ビジュアルシステムズだったことを知った。なるほど、こういった気配りは、もしかするとNEC側の技術者の中に蓄積されていたのかもしれぬ。と思ったがそういうわけでもないらしい。NECディスプレイソリューションズのサイトを眺めてみたが、現行のNEC製液晶ディスプレイも、妙なところにボタンが配置されている。NEC側にも、MITSUBISHI側にも、このあたりのノウハウは残ってないらしい。
ノウハウには、会社に溜まるものと、人に溜まるものが存在する、と常々思っているのだが。この、「液晶ディスプレイのどこにボタンを配置するのか」「ボタンをどのようなデザインにするのか」というノウハウは、どうやら人に溜まる種類のノウハウなのだろうと思えてきた。ノウハウを持った人間をリストラしてしまったか、あるいは設計現場から離してしまったか。そんなことを邪推してしまう。
もっとも、ボタンの押しやすさで、客が液晶ディスプレイが選択される場面など皆無であろうし。現に自分も、IPSパネル使用という一点豪華主義に惹かれて、この製品を選択してしまったのだから。
たかだかボタンごとき、些末な話、ではあるのだろうけど。工業製品の、企画、設計、デザインは、本当に難しいものだなと思った。
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以上です。