2020/12/06(日) [n年前の日記]
#2 [anime] 「茄子 アンダルシアの夏」を視聴
BS12で、「茄子 アンダルシアの夏」「茄子 スーツケースの渡り鳥」が放送されてたので視聴。自転車レースをテーマにした劇場アニメ。漫画原作。1作目は2003年公開、2作目は2007年公開、らしい。制作はマッドハウス。ジブリじゃない。マッドハウス。
画面が4:3で、「アレ? 劇場アニメじゃなかったの?」と首を捻ったけど、ネットで見かけた話によると元々はOVAとして作っていたものを劇場公開したらしく。ちなみに2作目は16:9になっていた。2003年から2007年の間に16:9のTVが普及した、ということなのだろうな…。
監督は、スタジオジブリ作品、特に宮崎アニメをずっと支えてきた実力派アニメーターの高坂希太郎さん。何せ、「風の谷のナウシカ」の頃から原画で参加してたぐらいの実力派。 *1 また、「YAWARA!」「MASTERキートン」など浦沢直樹原作のアニメにも参加してた方なので…。「茄子」シリーズの1作目は、キャラデザに加えて作画監督もしていたせいか、宮崎アニメ的なキャラデザと浦沢直樹的なキャラデザが入り混じる不思議な映像で、見てるだけでもクラクラしてきて面白いなと。ちなみに、2作目はこれまたジブリ出身の吉田健一さんが作画監督だそうで、ほぼ宮崎アニメっぽい見た目で統一されていた印象。というか、なんだかテレコムっぽいような。ルパンと次元に見える…。
手描きアニメで自転車を描くのは難しいと言われているのだけど、さすが実力派アニメーター、しかも当人が自転車を趣味にしてるだけあって、見ていて全く不自然なところがなく。いやはや、この作画はスゴイ…。それでも1作目は、できるだけ選手の上半身だけを映して自転車は描かない構図を多用してた印象も。作画出身の演出家さんは現場の苦労を知っているから、こういうところで工夫しようと考えることができるのだなと…。
背景動画の代わりに、手描きの背景(BOOK?)をCGで動かすカットがたくさんあって、見ていて大変勉強になった。こういうカットは素材をこう並べてこう動かせばいいんだなあ、みたいな。2003年の作品なのにここまでやっていたのかと一瞬感心したけれど、考えてみたら2001年の「千と千尋の神隠し」でもCGを使ってBOOKを奥行きに沿ってガンガン動かしていたし、1997年の「もののけ姫」でも奥に向かって進むカットをCGで処理していたのだから、そのあたりの技法の更なる活用、みたいなものなのかなと。何にせよ、2003年の時点ですらここまでやれているのに、今現在の深夜TVアニメで、フィルム撮影時代の貧しい動かし方しかできてない作品は、ちょっと恥ずかしいなと。 *2
自転車の大群が並んで走るカットなどは、デジタル撮影の恩恵で作れたカットかもしれないなと思えてきたり。本物のセルを重ねすぎるとセル自体が完全に透明ではないので奥のほうがぼやけるそうで、セル+フィルム撮影だったらここまで大量に素材を重ねることはできなかったから、たくさんの自転車も、大人数の選手も、一枚の用紙の中に描き込んで動かすしかなかったはずで…。そう考えると、昨今は物理的な制約のない理想的なセルとカメラがデジタル撮影によって手に入ったのだなと。そしてこの作品は、それら新しい道具、新しい武器をしっかり活用してみせた作品、ということでもあるのだろう…。
とにかく勉強になるアニメだった気がする。デジタルを活用すればこういう映像を作れるんだよ、ここまではやれるよ、てな見本というか。もちろん、どのカットもワンクリックで瞬時に作れるわけじゃないけれど。魔法は無いけど道具なら揃ってる、後は使う人次第だよねー、みたいな。
そういえば、主人公を大泉洋さんが演じてたそうで、特に2作目は「水曜どうでしょう」のディレクター陣も中の人として参加していて、声だけ聴いてると完全に「水曜どうでしょう - 自転車レース編」状態。そこもまた面白い。ていうか大泉洋さんは声優としても全然OKな感じだよなあ…。
画面が4:3で、「アレ? 劇場アニメじゃなかったの?」と首を捻ったけど、ネットで見かけた話によると元々はOVAとして作っていたものを劇場公開したらしく。ちなみに2作目は16:9になっていた。2003年から2007年の間に16:9のTVが普及した、ということなのだろうな…。
監督は、スタジオジブリ作品、特に宮崎アニメをずっと支えてきた実力派アニメーターの高坂希太郎さん。何せ、「風の谷のナウシカ」の頃から原画で参加してたぐらいの実力派。 *1 また、「YAWARA!」「MASTERキートン」など浦沢直樹原作のアニメにも参加してた方なので…。「茄子」シリーズの1作目は、キャラデザに加えて作画監督もしていたせいか、宮崎アニメ的なキャラデザと浦沢直樹的なキャラデザが入り混じる不思議な映像で、見てるだけでもクラクラしてきて面白いなと。ちなみに、2作目はこれまたジブリ出身の吉田健一さんが作画監督だそうで、ほぼ宮崎アニメっぽい見た目で統一されていた印象。というか、なんだかテレコムっぽいような。ルパンと次元に見える…。
手描きアニメで自転車を描くのは難しいと言われているのだけど、さすが実力派アニメーター、しかも当人が自転車を趣味にしてるだけあって、見ていて全く不自然なところがなく。いやはや、この作画はスゴイ…。それでも1作目は、できるだけ選手の上半身だけを映して自転車は描かない構図を多用してた印象も。作画出身の演出家さんは現場の苦労を知っているから、こういうところで工夫しようと考えることができるのだなと…。
背景動画の代わりに、手描きの背景(BOOK?)をCGで動かすカットがたくさんあって、見ていて大変勉強になった。こういうカットは素材をこう並べてこう動かせばいいんだなあ、みたいな。2003年の作品なのにここまでやっていたのかと一瞬感心したけれど、考えてみたら2001年の「千と千尋の神隠し」でもCGを使ってBOOKを奥行きに沿ってガンガン動かしていたし、1997年の「もののけ姫」でも奥に向かって進むカットをCGで処理していたのだから、そのあたりの技法の更なる活用、みたいなものなのかなと。何にせよ、2003年の時点ですらここまでやれているのに、今現在の深夜TVアニメで、フィルム撮影時代の貧しい動かし方しかできてない作品は、ちょっと恥ずかしいなと。 *2
自転車の大群が並んで走るカットなどは、デジタル撮影の恩恵で作れたカットかもしれないなと思えてきたり。本物のセルを重ねすぎるとセル自体が完全に透明ではないので奥のほうがぼやけるそうで、セル+フィルム撮影だったらここまで大量に素材を重ねることはできなかったから、たくさんの自転車も、大人数の選手も、一枚の用紙の中に描き込んで動かすしかなかったはずで…。そう考えると、昨今は物理的な制約のない理想的なセルとカメラがデジタル撮影によって手に入ったのだなと。そしてこの作品は、それら新しい道具、新しい武器をしっかり活用してみせた作品、ということでもあるのだろう…。
とにかく勉強になるアニメだった気がする。デジタルを活用すればこういう映像を作れるんだよ、ここまではやれるよ、てな見本というか。もちろん、どのカットもワンクリックで瞬時に作れるわけじゃないけれど。魔法は無いけど道具なら揃ってる、後は使う人次第だよねー、みたいな。
そういえば、主人公を大泉洋さんが演じてたそうで、特に2作目は「水曜どうでしょう」のディレクター陣も中の人として参加していて、声だけ聴いてると完全に「水曜どうでしょう - 自転車レース編」状態。そこもまた面白い。ていうか大泉洋さんは声優としても全然OKな感じだよなあ…。
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以上です。