mieki256's diary



2014/04/04(金) [n年前の日記]

#2 [anime] 聖闘士星矢Ωとは何だったのか

_「聖闘士星矢Ωは芯が通っていない」 という感想が大変興味深かったり。

たしかにその通りだ…。どれも思い当たる…。

そういや属性ってどうなっちゃったんだ…? 自分、すっかり忘れてましたよ…。まあ、アレはゲーム商品を売るために要求されたソレなのかなと邪推してましたけど。ゲーム・玩具業界は業が深い。ということにしておきたいです。

SFアニメにはSF考証の人が参加するし。パズルアニメにはパズル作家さんが参加するし。属性がどうとかの設定のアニメには、ゲームデザイナーさんが参加するとグッドだったりしないのかな…?

カードゲームアニメはどうなってるんだろうとググってみたら…。例えば _ヴァンガード は、「カードファイト構成」なる職種が用意されてるようで。

むむ。これはゲームデザイナーさんの就職先(?)を増やすチャンスですぞ! 売り込みをかけないと!

と思ったけど、 _その手のアニメのスタッフに「ゲームデザイナー」の肩書がある事例 も見かけて、なんかもう今時のアニメにはフツーに参加してるっぽいなーと思えてきました。

「星矢Ω」のスタッフリストを眺めると、そういう肩書も見当たらないので、スタッフ構成の時点でそのあたりの本気度が既に足りてなかったのかも。道理で、途中で無かったことになるわけで…。

しかし…そうか…。TVアニメにも、ゲームデザイナーさんが必要な時代なんだなあ…。

ゲームデザイナーさんを呼べそうな見込みがないのに、迂闊に属性云々なんて設定を盛り込んではいかんよ、ということかもしれませんな。現場にソレを扱える人材が居なければ、美味しい設定も腐ってしまう。

なんでもそうだろうけど、どんな人材が揃えられるか、スタッフにどんな能力があるか、そこを把握して企画内容を固めるのが勝利の鍵、なのでしょう…。「星矢Ω」の属性云々は、そういう面での教材として有効かもしれないと思えてきました。

なんだか色々考えてしまったのでメモ。 :

件の記事を読んでるうちに色々思い出して考えちゃったことをメモ。ただの思考メモというか、「星矢Ω」に対する自分なりの感想・印象・思い込みを、忘れないうちにメモっておこうというか。元記事とは関係ない話です。

考えてみれば…。「聖闘士星矢Ω」って、迷い続ける作品、だったような気もしてきたり。

前半、主人公達は沙織さんを探して旅を続けるわけだけど。「あっちに居るらしいぞ」「いや、こっちに居るらしいぞ」とひたすらウロウロしていて。フツー、旅をする設定ってのは目的地が決まってるもんで。目的地が分からないままウロウロしてる様子を見せ続ける作品って、なんだかちょっと珍しい。

それはひょっとすると、「聖闘士星矢ってどうやって作ればいいの?」「こうすれば星矢になるかな?」「いや、こうすればなるのかも」と迷ってたスタッフの姿そのもの、だったりしないかと…。

「星矢」アニメ版には、車田先生の漫画原作という指針があったけど。「星矢Ω」はアニメオリジナルなので、全般的にどこを目指せばいいのか今一つ分からない、という点はあったのかもしれないなと。

そういえば最初の頃、主人公は、
「おっさん達はスゲエスゲエって言うけど、聖闘士も、星矢も、俺は知らねえよ」
「…だけどぼんやり覚えてるような気がしないでもない」
みたいなことを言ってたような。

「聖闘士星矢」というコンテンツを知らない子供達の目線まで、主人公を近づけるための台詞とは思うのだけど、そこだってもしかすると、スタッフの現状を含んでしまっていた可能性が、てのは考え過ぎでしょうか。

しかし後半、ちょっと様子が違ってきて。

このまま出ないのかなと思われてた、氷河だの紫龍だの瞬だのが出てくるし。「聖闘士なんか知らねえよ」と言ってた主人公すら、「○○、スゲエ」としょっちゅう言うようになってきて。

そこらへんから、「星矢Ω」は、先輩の背中を追いかけ続ける若い後輩達を描いた作品に変わっていったような気もしたり。

先輩=既存作の「聖闘士星矢」を追いかけてるのは伝わってくる。しかし追いつけそうな予感がしない。話の中では、主人公に花を持たせて「Ωを会得!」「星矢を超えた!」なんてやってましたけど。作品そのものは、追いつけなかったよなと。

つまり、主人公達が追い求めていたらしい「Ω」なるものは、「聖闘士星矢」という作品そのものを示していたのかもしれないなと。

本編中では、後輩達は「Ω」なんて今一つ欲しがってないのですけど。しかし、先輩達は後輩達に向かって、延々と、ネチネチと、「Ωを掴め…!」「Ωを掴め…!」と、まるで呪いのように要求し続ける。とうとう後輩達も 「俺達、Ωってやつを掴まないといけないのかな…?」 と思い込んでいく。

そう考えると…。「Ωを掴め…!」という台詞が、なんだか悲しい台詞に聞こえてくるような気も。周囲から期待され、プレッシャーをかけられて、しかし期待に応えられる見込みもなさそうな、そんなツライ運命を背負わされた作品、だったような。

てのは考え過ぎかなあ。考え過ぎかも。

などと色々思うところはあるものの。

ファンより子供のほうが大事。 :

個人的には、子供さんが楽しんで見ていたら、それは作りとして正しいし、子供さんが楽しんでなかったら、それは作りとして何か間違っていたのだろう、と思いたいわけで。件の元記事は、ファンの反応を気にしているけれど、自分は、ファンの反応より子供の反応のほうが大事、と思うのです。 *1

とはいっても明らかに、「聖闘士星矢」のファンだった層に向けて商品を売り込みたいという意思は見えていたので、「昔のファンにウケなかったら商売としてもダメだろう?」という意見も至極ごもっともだよなー、とも思えるのですが。

それでも自分は、子供の反応がどうだったのか、やっぱりそこが気になっちゃうのでした。

自分が子供時代に「聖闘士星矢」を見て感じたソレを、今の子供も味わうことができたのだろうか。そこさえクリアしてれば、大人達から見て色々難があったとしても、大体はOKのはずだと。次に繋がるはずだと。さて、そこのところは、実際どうだったんだろうと。

深夜アニメならともかく、日曜の朝に放送されてるアニメに対して、自分が楽しめるかどうかで判断してちゃあかんよなと。子供が楽しめそうかどうかを想像しながら判断すべきで。だってもう、自分達は「子供」じゃなくて「おじさん」なんだから。1stガンダムの一シーンのように、子供が食べようとしてるものを横から掠め取って食べちゃうおじさん、みたいな真似はしたくない。てなことを自分に言い聞かせてたりするわけですけど。

しかし、子供さん自身がネット上に「星矢Ω、面白い」などと書いたりはしませんので、そのへんどうだったのか分からんわけで…。子供さんの数も少ないから、視聴率にも反映されにくいだろうし…。

彼等が大人になった時、また星矢シリーズがリメイクされたら、その時ようやく「どうやらアレってウケてたらしい」と分かるのかもしれず。まあ、その時までは、「子供さんが楽しんでくれてたらいいな…」と祈ることしかできないのですけど。どうだったのかなー。

他に思いついたこと。 :

  • 「聖闘士星矢Ωはファンロード読者が作った聖闘士星矢」
  • 「聖闘士星矢がメタルブラックなら、聖闘士星矢Ωはパロディウス」
とか思ったりもしたのでメモ。

twitter実況も勉強になった気がしたり。 :

twitter実況を眺めてた感じでは、前半はともかく後半は結構楽しまれてたように見えたのですが…。

例えば、一輝が死んだシーンは、画面の中とtwitter上の温度差が凄くて。誰もが「兄さんのことだからどうせ復活するよー」とツッコんでて笑ってしまいました。なるほど、ファンにとっては、「聖闘士星矢」ってそういう作品なんだなあ、と。

しかし実際に復活したら、「いくらなんでもこの復活の仕方は雑すぎるぞ!」と御怒りの声がチラホラ。たぶんそういうところが「芯が通ってない」と言われるソレなのかなと思ったりもします。

でも、オリジナルも、結構雑だった印象もあるし。「この雑なところが、まさしく『星矢』だ!」と力説されちゃうと、「うーん。たしかに一理あるような…」という気にもなってきそうで。

オリジナルは週刊連載の少年漫画だから、〆切に追われてノリと思いつきで突っ走ってるところはあって、雑なところがあるのは否定できないし。そこに「星矢らしさ」を感じてた人も居るかもしれんなと。

いやー、どうだろ。「雑」と、「漢らしさ」「荒々しさ」って違うんじゃない? だけど、そこの違いって、自分もちょっと分かんないなあ…。

それはさておき。プリキュアの放送時間になると、twitterのタイムラインが高速スクロールステージのように猛スピードで流れていって、「ああ…人気のほどが違う…」と痛感しました。プリキュアにはどうしたって勝てねえ。可愛い顔してアイツラ化け物ですぜ。彼女達の宇宙(コスモ)はどうなってんだ。

存在価値はあると思う。 :

まあ、CGアニメ版も作られたし。ゲームも作ったみたいだし。女性聖闘士しか出てこない漫画版も誕生したそうだし。シリーズ復活や商品展開の燃料としては作った意義が十分にあったと思うので、これはこれで、という気も。続編だか外伝だかを作ってくれただけでも御の字というか。「聖闘士星矢」というコンテンツが、誰からも忘れ去られる展開よりは全然マシだよなと…。

個人的に名作と思ってる「イデオン」なんか「リメイク」の「リ」の字もねえですよ! それに比べたら星矢シリーズは全然マシだよコンチクショー。みたいな。

「イデオンをリメイクしてどうすんだよ!」と怒られそう。うん。アレをリメイクしてもな…。シリーズ化も無理だし…。旨味ゼロですなあ…。

*1: もっとも、その論法で行けば、1stガンダムは評価に値しない作品になってしまいますが。本放送当時、子供にはウケてなかったし。そのように、「子供にウケなかったから、これは『絶対に』作りとして間違ってる」と言い切れない作品もあるわけで、判断が難しいのですけど。

以上です。

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