2012/08/08(水) [n年前の日記]
#3 [anime] 未来少年コナン劇場版を視聴
NHK-BSで流れていたので見てみたり。
凄い作品だった…。
とはいえ、どうしてそうなったか、分からないでもないような。
以下、まったく根拠のない勝手な想像。
監督は、実写畑の佐藤肇監督。モノクロ実写版の悪魔くんや、キャプテンウルトラ等も監督してた人らしいので、子供向け作品が初めてというわけではない。となると、「子供向けの映画はこうでなければいけない」等の持論や信念が、そこにあったのではないかと。
それに、もしかすると、TVアニメ制作時のスタッフの間で流れてた「未来少年コナン=情動アニメ」というキーワードを耳にしていた可能性も。そういう話を聞いてしまったら、「情動か…。とにかくムードが大事なアニメなんだな。なら、ムードたっぷりのBGMをどんどん流して雰囲気を作らないとなあ」なんて考えた可能性も。ないかな。どうかな。
また、実写畑の人だから、映画は編集でどうとでもなることを熟知してたのかなあ、とも。アニメ畑は、ゼロからフィルムを作っていくから、フィルムをバンバン切り刻むことを無意識に避けるだろうけど。 *1 実写畑は、そのあたり客観的に、潔い編集ができる傾向があるような感も。だから、あんな豪快な編集を成し遂げたのではないか。
…まあ、実際の監督作業を、佐藤監督がやってたかどうか怪しい気もするのだけど。アニメスタッフの誰かがやってることを、時々眺めて、少しアドバイスする、ぐらいだった可能性もありそうな。根拠のない勝手な想像だけど。
そもそも、宮崎駿監督自身が、原作小説をガンガン改変してTVアニメ版を作った、と聞いているわけで。だったら、そのTVアニメ版をガンガン改変して劇場版を作られても文句は言えないよな、先にそういうことやったのは宮崎監督なんだし、とも思ったり。…そのあたりを考えれば、これはまだ、TVアニメ版をそれなりに尊重している誠実な作り、だったような気もする。少なくとも、原作本に対して、宮崎監督が行った所業と比べたら…。そして、その宮崎監督が行った改変の目的は、佐藤監督が目指したものと、実は重なっている。ような気がしてくる。どちらも、「子供を楽しませるなら、もっとこうしなきゃダメだ」と思いながら作ったはずで。
とりあえず。実に興味深い映画でした。とメモ。
凄い作品だった…。
- 豪快な編集。TVシリーズ序盤 → 終盤 → 中盤と流れるあたり無茶苦茶なのだけど、細部はともかく、一応大まかに話が繋がってるように見えなくもない気がしてくるあたりが凄い。構成レベルのサーカスを見た気分。
- 強烈な「コレジャナイ」感のBGM。いや、単体で聴くとそんなに悪くないんだけど、映像と一緒に流すと…。
- 鳴り止まないBGM。あらゆる場面で必ずBGMが流れてる。まるでTVゲーム。
- 珍妙な効果音。コナンがジャンプして「ピュー」。ラナが銃を突きつけられて「ピコッ」。コナンがビルの窓に頭突きをして「ボヨヨーン」。…TVアニメ版もそういう音だっけ? 自信がなくなってきた。
- 衝撃的な台詞の数々。コナンが、「よし! これでインダストリアをやっつけてやる!」と叫んだときは、どうしようかと思った。
とはいえ、どうしてそうなったか、分からないでもないような。
以下、まったく根拠のない勝手な想像。
監督は、実写畑の佐藤肇監督。モノクロ実写版の悪魔くんや、キャプテンウルトラ等も監督してた人らしいので、子供向け作品が初めてというわけではない。となると、「子供向けの映画はこうでなければいけない」等の持論や信念が、そこにあったのではないかと。
- 子供向け作品なのだから、とにかく明るく楽しい映画にしないといけない。
- 映像では、まるでトムとジェリーのような、ありえないドタバタアクションが続くのだから、それに合わせて、他の表現もコミカルにすべき。(コナンとジムシーが張り合うシーンが残ってるあたり、たぶん「こういうのがこのアニメの肝」と思ってしまった可能性が。)
- 効果音も、子供が喜びそうなキャッチーな音をどんどん入れていかないと。子供を飽きさせてはいけない。
- 少年主人公は、好戦的であるべきだ。そのほうが子供はワクワクする。(実際、映像中のコナンは、次から次へと雑魚を打ちのめしているのだし。)
それに、もしかすると、TVアニメ制作時のスタッフの間で流れてた「未来少年コナン=情動アニメ」というキーワードを耳にしていた可能性も。そういう話を聞いてしまったら、「情動か…。とにかくムードが大事なアニメなんだな。なら、ムードたっぷりのBGMをどんどん流して雰囲気を作らないとなあ」なんて考えた可能性も。ないかな。どうかな。
また、実写畑の人だから、映画は編集でどうとでもなることを熟知してたのかなあ、とも。アニメ畑は、ゼロからフィルムを作っていくから、フィルムをバンバン切り刻むことを無意識に避けるだろうけど。 *1 実写畑は、そのあたり客観的に、潔い編集ができる傾向があるような感も。だから、あんな豪快な編集を成し遂げたのではないか。
…まあ、実際の監督作業を、佐藤監督がやってたかどうか怪しい気もするのだけど。アニメスタッフの誰かがやってることを、時々眺めて、少しアドバイスする、ぐらいだった可能性もありそうな。根拠のない勝手な想像だけど。
そもそも、宮崎駿監督自身が、原作小説をガンガン改変してTVアニメ版を作った、と聞いているわけで。だったら、そのTVアニメ版をガンガン改変して劇場版を作られても文句は言えないよな、先にそういうことやったのは宮崎監督なんだし、とも思ったり。…そのあたりを考えれば、これはまだ、TVアニメ版をそれなりに尊重している誠実な作り、だったような気もする。少なくとも、原作本に対して、宮崎監督が行った所業と比べたら…。そして、その宮崎監督が行った改変の目的は、佐藤監督が目指したものと、実は重なっている。ような気がしてくる。どちらも、「子供を楽しませるなら、もっとこうしなきゃダメだ」と思いながら作ったはずで。
とりあえず。実に興味深い映画でした。とメモ。
*1: たしか安彦良和監督の何かの映画で、尺を間違えて没にするカットが出てきてしまったときに、原画を描いたアニメーターさん一人一人に、安彦監督が謝罪して回った、という話を聞いた記憶があり。その話から察するに、アニメーター出身、原画出身の監督さんは、各カットを作る苦労を、自身の体験を通じてよく知っているから、無残(?)な編集はしたくない、と無意識に思うんじゃないかなあ、と勝手な想像をしてるのだけど。
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以上です。