2007/06/18(月) [n年前の日記]
#4 [zatta] 「月の哲学者」の記事が消えてるな…
_Internet Archive
で探した。消えないうちにメモしておこう。
2003/08/11 (Mon)
月の哲学者
GeekPress 経由で知った月の哲学者の話。アメリカ版「月をなめるな」というところでしょうか。
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たぶん6,7年くらい前のことかな、ぼくはウィスコンシン大学(理系の大学としてはなかなかいいところだ)で哲学のクラスを受けていた。そこではティーチング・アシスタントがデカルトについて説明をしていたのだけど、彼はものごとが必ずしも思った通りにはいかないということを示そうとして、次のように言ったのだ。「ペンを放せば地球ではいつもそれは下へ落ちるけれど、月では漂いだしてしまうだけだ」と。
ぼくは顎を落として、つい「なんだって?」と叫んでしまった。教室を見渡してみると、どうやらTAのその発言に驚いているのは友人のマークともう1人ほかの学生だけらしい。その他の17人はみんなぼくを「どうしたんだ、お前は」っていう顔で見ている。
「でも月でもペンは下に落ちるでしょ、ゆっくりとだけど。」ぼくは言ってみた。
「いーや、違うね」TAは落ち着き払って言う。「だって地球の重力からは離れすぎてるから。」
えーと、えーと...あっ、そうだ!「でも月でアポロの宇宙飛行士たちが歩き回るのは見たことあるでしょ? どうして彼らは漂いだしてしまわないのさ。」これにTAが答えて、「そりゃー、重いブーツを履いていたからだよ。」まったく理にかなっているかのようにそんなことを言う。(これが論理学のクラスをたくさん取ったはずの哲学のTAが言うことなんだから!)
どうやら彼とぼくとはまったく違った世界に住んでいるらしい。そして決してお互いの言葉がわかることはないのだ。初めてそう気づいたぼくは、そこで諦めることにした。教室を出るとき、マークは憤慨していた。「なんてこった! どうしたらあんなに大馬鹿になれるんだ?」
ぼくは努めて理解的にふるまった。「マーク、彼らもかつてはわかっていたんだよ。ただそれは彼らの世界の見方の一部ではなくなって、忘れてしまったのさ。たぶん多くの人間はおなじような間違いをしてしまうんだと思う。」そしてそのことを証明するために、ぼくらは寮に戻るとキャンパスの電話帳から適当に名前を選んで、30人に電話で以下の質問をしてみることにした。
1. あなたは月にいます。そこで握っているペンを放せば、それは a) 漂いだす b) そこで浮かんだまま c) 地面へ落ちる のどれでしょうか?
正解したのは約47%。間違えたひとたちにまた次の質問をしてみる。
2. アポロの宇宙飛行士が月を歩くのを見たことがあるでしょう。さて、どうして彼らは月面を歩けるのでしょうか?
~この質問を聞いたとき、約20%がここで最初の答えを変えた。でもいちばん驚いたのは、それでも半分のひとが自信たっぷりにこう答えたときだった。「だって、重たいブーツを履いていたんでしょ?」
◎ _Diana Mertz Hsieh: NoodleFood :
オリジナルの英語版は残ってた。
_(via せち日記 2nd − 2003年09月)
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以上です。