mieki256's diary



2018/11/11() [n年前の日記]

#1 [anime] 砂嵐ノイズとベリノイズ

プリキュアを見ていたら、 _ベリノイズ(ドロップノイズ) だか _ブロックノイズ だか _グリッチアート だか、そういう感じの映像が演出として使われていて、なんだか感心してしまったり。幼児向けアニメでもこういう見せ方をする時代になったか…。いや、逆か。むしろ子供向け・幼児向けだからこそ、今現在、実際に見かける映像ノイズを出さないといかんのか。

そういえば、先日までNHKで放送されてた進撃の巨人3期でも、ベリノイズ・ブロックノイズを使ってたな…。一瞬アンテナがおかしくなった・放送信号が途切れたのかと驚いた直後に演出と気付いて、これまた感心してしまったわけで。

映像ノイズはリトマス試験紙、かもしれない。 :

考えてみれば、昭和世代にとって映像ノイズと言えば砂嵐ノイズだけど、デジタル放送に移行してしまった現在において、そんなノイズはもうこの世に存在しないのだよな…。

つまり、アニメ演出家さんが、現代もしくは未来設定の作品内で砂嵐ノイズを平気で出してきたら、その方は知識をアップデートできてないし、自分の周囲の光景の変化もさっぱり観察していない、ちょっとアレな演出家さんであると ―― そんなリトマス試験紙になりそうだなと思えてきたりもして。

もちろん、例えば昭和を舞台にした作品内で、劇中のTV画面の中でデジタル系の映像ノイズを出してしまったらそれもそれでおかしいわけで。そういうミスは、若い演出家さんがうっかりやってしまいそう。「えっ? 映像ノイズってこういうのでしょ? 一体何がおかしいんですか?」などとキョトンとしたりして。

さらに遡って、TVが普及してなかった時代を想像すると、当時は砂嵐ノイズも存在しないわけで。その頃の映像ノイズと言えば、フィルムの同期(?)が取れてないとか、糸くずが画面に映るとか、縦線が入りっぱなしになるとか、そんな感じだろう…。そのあたりも、子供の頃からTVを見て育った世代の作り手がうっかりやりそうなミス、だったりして。

と思ったけれど、さすがに映像作家を志す人達がそういうミスをしちゃう場面なんて見かけないわな。色々な過去の作品を眺めていれば、その当時の映像ノイズはどういうものか、フツーに把握できるし。

もし、そういううっかりミスをやってしまう演出家が居たら、その人は既存の映像作品をほとんど見ていない、とんでもなく不勉強な人なのだと発覚してしまう…。

映像ノイズを使った表現って、ちょっと油断できないところがありそうだな、と。

未来の映像ノイズ。 :

将来、デジタル的な映像圧縮技術が更に進歩していくと、CD等と同様に、データが壊れてることが分かりづらくなるエラー訂正技術がそれなりに盛り込まれて、ベリノイズ、ドロップノイズ、ブロックノイズなんてまず見かけない状態になるのかもしれない。壊れた部分を、周囲の正常な画素を利用して、あるいは前後のフレームを利用して、とてもイイ感じに補間してしまう、とか。

となると、見た目では、壊れた部分だけかすかに解像度が下がってるとか、不自然なぼかしが入ってるように見えるとか、フレーム補間を頑張り過ぎてモーフィングっぽい不自然な動きになる瞬間がある、てな感じの映像ノイズになるのだろうか。もはやノイズと呼べるのか疑問だけど…。ひょっとすると、未来世界を舞台にしたアニメの中では、そんな映像だって使えるかもしれないなと。

もっとも、未来世界を舞台にしたアニメの中でも、素直にブロックノイズを出したほうが視聴者には分かりやすいのかな。大半の視聴者は、未来世界で使われている映像圧縮技術について想像を巡らせたりしないし。現代の視聴者に、映像データが壊れてる状況を伝えたいなら、現代の壊れ方をそのまま見せたほうが伝わりそうな気がする。だけどSFモノが好きな視聴者からは、「未来世界でもmpeg圧縮かよ。SF考証サボり過ぎ」とツッコまれたりして…。

未来は未来でも、例えばスチームパンクっぽい世界では、映像ノイズはどうなるのだろう。その場合、やはりフィルムのソレになるのかな。あるいは…。どういうノイズなら、それっぽく感じられるのだろうか。そもそも、スチームパンクな世界で使われている映像記録媒体が想像できないな…。何を使って記録してたらスチームパンクっぽいのか…。

以上です。

過去ログ表示

Prev - 2018/11 - Next
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

カテゴリで表示

検索機能は Namazu for hns で提供されています。(詳細指定/ヘルプ


注意: 現在使用の日記自動生成システムは Version 2.19.6 です。
公開されている日記自動生成システムは Version 2.19.5 です。

Powered by hns-2.19.6, HyperNikkiSystem Project