mieki256's diary



2023/10/31(火) [n年前の日記]

#4 [anime][neta] 「薬屋のひとりごと」を見ていて考えたこと

「薬屋のひとりごと」というTVアニメを見ているうちに、なんだかちょっと色々考え始めてしまったのでメモ。思考メモ。

少女じゃないと価値はないのか :

「薬屋〜」を見ていて、ヒロインが少女キャラな点がちょっと気になったりもした。と言うのも、チャングムアニメ版は幼女がヒロインだったので…。幼女ヒロインよりは少女ヒロインのほうがまだ見れる感じがするな、みたいなことを考え始めてしまって…。

コレ、お姉さんキャラではウケが悪いんだろうか…? いっそおばさんキャラ、お婆さんキャラではどうか…。お婆さんが名探偵として活躍する作品も世の中にはあった気もするし、ヒロインをそういう年齢設定にするだけでも、右も左も美少女キャラだらけの日本国内に限定すれば、他作品との差別化ができたりしないか。

などと書いたところで「ハウルの動く城」がソレじゃん、と今頃思い出したりもして。

そう考えると、御歳を召した宮崎駿監督のほうが、頭が柔らかいはずの若い作り手達よりも、アニメにおける新規性をはるかに多く提示してきた面がありそうだなと…。いや、ジブリというブランドが確立したからこそ冒険できる面もあるのかな。若い頃の宮崎駿監督が似たような企画を出しても十中八九通らなかっただろうし…。

「スカート」は妥当か否か :

「薬屋〜」を見ていたら「スカート」という単語が出てきて、そこがなんだか気になった。

中国/韓国っぽい世界観からして外来語(?)が使われるのは不自然な感じもしたのだけど、おそらく件の台詞は、読者視聴者の理解のしやすさを考慮して、あえてわざわざ使った可能性が高そうだよなと…。ツッコミを入れるヤツは絶対に居るだろうけど、どう考えてもこのほうが瞬時に話が分かるやろ、ココは分かりやすさを優先じゃい、みたいな。

このあたり、聞いた瞬間に視聴者が「?」になってしまう、考証面で正しい単語/用語を披露するのは、娯楽コンテンツとして本当に正しいことなのでしょうか、という問題があるよなと…。

そこで生活している登場人物達にとっては常識であっても、見ているこちら側には異界の文化や用語なわけで。何の説明もなくポンと出てきても見ている側は「?」としかならない。そんなところで引っ掛かりを作ってみたところで意味はあるのか。とは言え、こちらとは違う世界と感じさせる「香りづけ」は大なり小なり必要でもあろうし。結局はバランス感覚の話になるのかもしれないけれど。

「フォース」は「フォース」で本当にいいのか? 「理力」のほうがまだ通じませんか? いっそ「超能力」と言っちゃったらダメ? さすがにそこまでやっちゃったら色々と台無しですか? 「ジェダイ忍法」は…もちろんダメですよね。そりゃそうだ。みたいな。

昨今、中国で作られた、仙人っぽいキャラが出てくるアニメが放送されていたりするけれど。あちらの人達、あの手のジャンルでは常識であろう専門用語(?)がポンポン出てきて、自分などは設定すら把握できずに困ってるわけで…。「もう中国のアニメは見なくていい。どうせ基本設定すら分からんし、アイツラが一体何の話をしているのかさっぱり分らん」と切って捨ててもいいかもな、とすら思い始めているぐらいで…。アレはなんとかしたほうがいいのでは。あんなに豪勢な映像を作っておいて、実にもったいない…。

でも、このあたり、おそらくガンダムシリーズを初めて見た人も同じ感覚になるのかもしれんと不安になったりもする。そりゃおじさんしか見ないコンテンツになっていくわな、と…。

ガンダムに限った話でもない。日本の学園を舞台にしたアニメは、海外の人達は理解できるのだろうか。「生徒会長」って通じるのか? 「部活動」は分かるのか? どこまで通じるものなんだろう。

もっとも、ある程度はテクニックで解決できるのではないか、とも思うのだよな…。「スカート」と意訳して言わせてもいいし、何か分からない単語を口にした直後にヒロインがスカートを隠す動作を見せて「ああ、スカートのことか」と察してもらってもいい。件のアニメでは両方やってて至れり尽くせりだったけど…。伝わりさえすれば、なんでもOk。どれも正解。花丸二重丸。

ただ、「これ、お客さん分かるかな?」「これ、海外の人は理解できるんだろうか?」と疑問を持ちながら作らないと、テクニックが駆使されることもないわけで。

昔何かの番組で見たけれど。ピクサーに在籍していた頃のジョン・ラセター監督が、若いスタッフに「これ、お客さんは分かるかな?」と“笑顔”で質問していた光景を思い出したりもする。世界中で通用するヒット作を生み出す人達は、常に、その問いを、あらゆるカットにぶつけながら作ってるのだなー、大変だなー、でも、まるでなんでもないことのように笑って優しく後進達に尋ねる風を装って諭していくのだなー、テクニシャンだなー、と感心したわけで…。 *1

閑話休題。まあ、こういうのって、細かいところだけど結構難しい問題だよなと…。そんなことを、「スカート」という単語一つから思ってしまいました。とメモ。思考メモです。

*1: などと書いたけど本当に笑顔だったか自信が無くなってきた。自分、脳内で理想の映像を捏造してないか…? でも、あくまで自然体で尋ねていて、けして高圧的な感じでやり取りしていたわけではなかったはず。そこは間違いない。これがもし宮崎駿監督だったら、若いスタッフを怒鳴りつけてる光景が目に浮かぶ…。実際、「これのどこが鳥に見えるんだ!」と原画マンを怒鳴っていた映像も覚えてるし…。いや、普段はもうちょっと優しく言ってるのかもしれんけど。何にせよ、後世に残るのは、スタッフに優しく接して諭していくラセター監督の映像と、スタッフを怒鳴りつけてる宮崎駿監督の映像という…。ラセター監督の「MIYAZAKI-SANは天才だから僕達一人一人では敵わない。だけどその代わり、僕達は皆でアイデア出し合ってアニメを作っていく。10人20人の知恵を集めればMIYAZAKI-SAN並みになれるんじゃないか」という発言と照らし合わせると、なかなか興味深い違いがそこにあるような気もする。

以上です。

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