mieki256's diary



2019/08/19(月) [n年前の日記]

#1 [anime] 「トムとジェリー ショー 2」を視聴

NHK-BSで放送されていた「ハイキュー!」シリーズを録画してたはずが、どうやら放送が終わっていたようで。おそらくは後番組の「トムとジェリー ショー 2」なるものが録画されてたので、一応視聴。

デジタルなフラット感の気持ち悪さ。 :

今時の「トムとジェリー」も、デジタル制作なのだな…。恥ずかしながら、このシリーズ、全く見てなかったので、こんな映像になっていたとは知らなかった。

完全に塗りムラも無く、フィルム撮影のボケもなく、どこまでも、クリアで、シャープで、フラットな映像。一応、線にペンタッチっぽいものを入れてはあるけど…。いやはや、実に…。失礼ながら、ぶっちゃけ、かなり安っぽい…。

カットアウトアニメの気持ち悪さ。 :

おそらくはカットアウトアニメに近い動かし方も気になった。顔や腕、目鼻口を極力パーツ化して、位置や角度を変えて大まかに動かしながら、必要最低限の部分だけ新規に描く、みたいな。手描きアニメで言うところのタップ割をさらに細かくしてみた感じに近いのかな…。まあ、分類としては、これもまたリミテッドアニメに入るのだろうけど。

手で描いた場合、元絵を正確にトレースしてるつもりでも、微妙に線がずれているので、偶然ではあるけれど、そこにはかすかに動いてる感が付加される。しかしデジタルの場合、元絵をコピペで、寸分違わず、一切の劣化なく、コピーできるわけで…。 *1 アナログ制作のアニメ映像と比べると、完璧過ぎて、逆に気持ち悪い…。

理想が実現すると気持ち悪い場合もある。 :

アナログ制作時代は、塗りムラを無くそうとしたり、正確無比なトレスを目指したり、つまりは、まるで機械が作ったかのような、ミスの無い素材制作が理想とされていたわけだけど。今はPCとCGソフトが普及して、理想的な素材や映像が作れるようになったわけで。

しかし、当時からすれば理想的としか思えないアニメ映像を見ていて、当時より気持ち良くなったかと言うと、むしろ気持ち悪いという…。

初期の東映動画作品を作っていた方々が、手塚治虫と虫プロが提示した「鉄腕アトム」を目にして、「あんなものアニメじゃない」と言い出した気持ちも、なんだかよくわかるというか…。それまでは一々全身を描いて動かしていたのに、口だけパクパクと動いてるのでは、そりゃ気持ち悪いよな…。ソレに近い感覚を、自分は、このカットアウトアニメもどきにも感じたのかもしれない。

しかし、手塚治虫の提唱した、なんちゃってリミテッドアニメも、結局は普及して視聴者に受け入れられたわけで。ソレを考えると、この「トムとジェリー」的なカットアウトアニメもどきも、フツーに普及するし、受け入れられるのだろうなと…。

大体にして、昔のTVゲームの映像だって、そういうアレだったし。枚数の少ないドット絵をスプライトを使って位置を変えて動かしてるだけ。リミテッドアニメの極致とも言える。しかし、そんな映像を見て、子供だった自分達が気持ち悪いと感じたかと言えば、そういうわけでもなく。

そう考えると、今回感じた気持ち悪さは、単に慣れの問題だろうと思えるわけで。ずっとこういうアニメ映像を目にしていれば、全然気にならなくなるのではないかなあ。

「PEANUTS スヌーピーショートアニメ」を視聴。 :

「トムとジェリー ショー 2」の後ろに、「PEANUTS スヌーピーショートアニメ」なる番組も入ってた。

こちらも、カットアウトアニメに見える。しかし、「トムとジェリー」とは全く印象が違った。

あえて手描き感があるよれよれの線にしていたり、塗りの上に紙のテクスチャを付加したり、背景を水彩風の塗りにしたり、つまりはアナログ感を各所でひたすら追求していて。動きのフレームレートは高く、おそらくフルアニメに近いだろうに、見ていて気持ち悪さを全く感じない。

カットアウトアニメも、結局は工夫次第で印象が全く変わるのだな…。

*1: 線や塗りがベクターデータの場合は、という条件付きだけど。ビットマップデータの場合は、拡大・縮小・回転をすると情報劣化が発生する。

以上、1 日分です。

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