mieki256's diary



2015/03/06(金) [n年前の日記]

#1 [anime] SHIROBAKOの喧嘩シーン

HDDレコーダから消す前にBGVとして流しながらチラ見してたのだけど、喧嘩シーンの見せ方に感心。

パーティションを殴る手。蹴飛ばされて吹っ飛ぶ椅子。断片的な情報を一瞬連続で提示した後、カメラは演出家ルームの外に出て、もう喧嘩してる当人達を直接見せることはしない。部屋の中から聞こえてくる怒鳴り声。入口でおろおろしてる監督。何事かと集まってくる制作進行。

カメラが部屋の外に出たあたりから、見る側は、たまたま同じフロアに居合わせてしまった一人、みたいな状況に置かれるのだなと。一番激しくやり合ってるところは音声のみを提示することで、「中で一体何が起きてるんだろう…」と想像せずには居られない状態に。

事態を収拾させるために投入されるKYな制作進行、フライングタップ、達人技を見せる社長秘書。このあたりはファンタジーだけど、リアルにした後にファンタジーを見せて後味を調整するのがこの作品の秀逸さ。業界モノはリアルばかりを追求するとギスギスして見る側がゲンナリしちゃうので、どうやってマイルドにするか、そこに結構気を使ってる印象。バランス感覚が必須と言うか。

Web上の感想を眺めたら、ほとんどの人が「喧嘩のシーンがリアルだ…」と書いていて。喧嘩してる当人達を直接描いていないのにリアルと感じさせるあたりが娯楽映像作品の面白さ、かもしれず。おそらく視聴者が思った「リアル」は、喧嘩をしてる当人達にとっての「リアル」じゃなくて、周囲で喧嘩が発生した時、その場に遭遇してしまった者にとっての「リアル」、かもしれんなと。もちろん、声優さん達の演技がリアルだし、台詞の内容がリアルだからそう感じた、てな部分もあるわけで、脚本や演技が重なってシーンが生まれてくるあたり、総合芸術ってこういうことなのかなあ、とも思ったり。

個人的に、想像力を掻き立てる見せ方が好きなので、「上手いわー」「やっぱりこういうのが効果的だわー」とニンマリ。いや、もちろんよくある見せ方ではあるけれど、最近は直接見せちゃう系の作品が多い印象があったもので。

カリ城で、ルパンがクラリスに「見るな!」と言った直後に聞こえてくる悲鳴とか。ナウシカが、ペジテの娘の服の胸元を開け始めた直後、何かに気付いて苦悶の表情を見せてまたそっと閉じてしまうシーンとか。直接見せずに想像させるやり方、個人的に好きなのです。カリ城やナウシカのソレが謎の白い光で隠されてたらなんかもう色々と台無しやん。

以上です。

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