mieki256's diary



2011/03/07(月) [n年前の日記]

#1 [cg_tools] 複数の写真から3Dモデルを生成するツールを試してみたり

どちらも、色んな角度から撮影した複数の写真を開いて、頂点あるいは面の位置をマウスクリックで指定して、3Dモデルを生成する。4枚ほどの画像を用意するのが無難らしい。

今回は、Shade12に同梱されていたサンプル画像を使って試してみた。

頂点あるいは面の指定作業。 :

SurveyFromPhoto は、面ではなくて頂点を指定していく。全画像に対して「ココとココが対応している」と思った点をクリックして、最後にEnter(もしくはキーの1)を押すと頂点が確定される。

頂点に対するID指定は自動でやってくれるので、キーボード操作が必要なのは確定する時だけ。だからどんどん作業をしていくことができる。その代り、頂点1つを設定するために、画像ウインドウを行ったり来たりしなければならない。

また、制限事項として、頂点数は10個以上必要。単純な四角形の箱などでは頂点数が8個なので、どこかしら点として指定できそうなところを探さないといけない。

Shade の場合は、頂点ではなくて四角形の面を指定する。面を指定する際に制限事項があり、頂点の並びが反時計回り、かつ、最初のクリック位置は各画像間で統一されている必要がある。反時計回りはともかく、最初のクリック位置は統一、という制限が厳しい。時々うっかりして、別の点を間違ってクリックしてしまった。

面IDの割り当ては自動でやってくれないので、
  • 面を指定する前にキーボードからIDを打っておいて、それから面を指定する。
  • あるいは、IDを気にせずに、全部の面をひとまず指定した後で、一つ一つIDを指定・打ち込んでいく。
という作業になる。

SurveyFromPhoto に比べると、Shade のソレは結構気を使う。その代り、一つの画像に対してとりあえず面を全部指定してから次の画像に移る、というやり方ができるので、画像ウインドウを行ったり来たりしなくても済む。

Shadeのソレは、操作が猥雑で面倒臭い。SurveyFromPhoto のほうが作業が楽・サクサクと操作できるように感じた。しかし、実はその分、後で苦労することに…。

3Dモデル生成。 :

簡単なモデルであれば、SurveyFromPhoto も、Shade も、それなりのモデルを作ってくれる。だが、ちょっと形がややこしいものになると差が出てくる。

SurveyFromPhoto の場合、頂点情報しか持っていないせいか、3Dモデルの自動生成にかなり失敗する。その場合は手作業で、ポリゴンの削除と貼り直しをしないといけない。また、必ず三角形ポリゴンでモデルが作られるので、テクスチャが上手に貼られない時がある。本来、四角形の部分に長方形のテクスチャをそのまま貼ればよい場合でも、二つの三角形に、別々の画像=コントラスト等が違う画像からテクスチャを拾ってきてしまい、境界がはっきりと分かってしまうモデルになったりする。

Shade の場合、ユーザ側が一つ一つ面を指定しているせいか、モデル生成はほとんど失敗しない印象。また、四角形だけでモデルを構成するため、テクスチャ貼り付けも特に問題があるようには見えなかった。

また、Shade は「基準面」を最初に指定するため、生成したモデルの向きや大きさがそれほどおかしくならない。

生成されるテクスチャ。 :

SurveyFromPhoto は、元画像を極力そのままテクスチャ画像として利用しようとしている印象。生成したモデルを保存する際に、テクスチャを1枚の画像に収める選択肢もあるのだけど、元画像を単にトリミングして各部分を取り出したものが、1枚の画像にずらずらと並んでいる、といった具合のテクスチャ画像になった。

Shade は、元画像の各部分を変形して、長方形だけが並んだ、整然としたテクスチャ画像を生成する。

テクスチャ画像の画質に関しては、元画像をそのまま使う SurveyFromPhoto に分がある。Shade の生成したテクスチャ画像は、変形処理や合成処理がされているせいか、ボケた感じの画像になったり、インターレース映像のようにコーミングノイズが入ってしまったりする。

しかし、後から修正作業をするなら、整然としたテクスチャ画像が生成される Shade のほうが分かりやすい。SurveyFromPhoto は、どのポリゴンがどのテクスチャを使っているのかがパッと見で分からない。また、前述のように、SurveyFromPhoto は四角形も三角形ポリゴン2つで生成してしまう・異なる画像からテクスチャを貼り付けてしまう時があるので、ポリゴンの境界がはっきりしてしまう・無駄なテクスチャを多数持ってしまう、という場面もある。

まとめ。 :

  • 頂点・面の指定作業を簡単にする代わりに、モデル生成時に苦労する時もある SurveyFromPhoto。
  • 頂点・面の指定作業が面倒な代わりに、モデル生成時にはさほど苦労しない Shade。
  • 生成テクスチャの画質は良い・画像情報は失われないが、UV割り当てが理解しにくい SurveyFromPhoto。
  • 生成テクスチャの画質は悪い・画像情報は最低限に減らされるが、UV割り当ては理解しやすい Shade。
どちらの方法が良いかは、ちと判断がつかない。あちらを立てればこちらが立たずで、どちらにもメリット・デメリットがあるように思う。

ただ、フリーソフト故、気楽に試せるという点で、SurveyFromPhoto は好印象。

Shade は、
  • 有償。
  • 本体が正常起動・正常終了しないトラブルに遭遇した。
  • 面指定時の操作が猥雑。
なので、あまり印象は良くない。

ちと気になったこと。 :

どちらのソフトも、テスト用の画像を最初からもうちょっと多く同梱していたら良かったのでは、と思えた。
  • Shade の場合は、インストールしたフォルダの随分深い階層にサンプル画像があったので探すのが面倒。
  • SurveyFromPhoto はプログラムのみを配布しているので、テスト用画像の入手が面倒。


SurveyFromPhoto は、立体モデルの表示時に、奥行きなのか、面の裏表なのか分からないが、何か計算を間違えている気がする。奥のほうが、手前より大きくなっているような…。

Shade のソレは、3Dモデルを表示しようとすると画面がおかしくなる。元画像がまたウインドウ内に表示されてしまう。おそらくOpenGL関係の実装がおかしいのだと思う。

以上です。

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