mieki256's diary



2023/08/24(木) [n年前の日記]

#1 [anime] 「MEMORIES」を視聴

BS12で放送されていたソレを録画していたので視聴。漫画家・映画監督の大友克洋先生が総監督をしている、短編アニメ3編からなるアニメ映画。という説明でいいのだろうか。まあ、Wikipedia を眺めるほうが分かりやすいか…。

_MEMORIES (映画) - Wikipedia

おそらく自分は初見だと思うのだけど…。なんというか、凄かった。正直なところ、話に関しては面白いのかどうかよく分からないのだけど、映像面はどの作品もとんでもないレベルで…。1995年の作品なので、一部のカットはCGも使ってるらしいけど、大半は従来のセルとフィルムで作られた映像で、あの時期にここまでの映像を作っていたことに驚愕してしまった。

「彼女の想いで」は森本晃司監督作品ということになっているけれど、脚本と設計を担当した今敏監督の、現実と非現実の境界が分からなくなっていく作風が強く出ている気がした。設計という役職が分からなかったけど、ググった感じではレイアウト作業も含んでいた模様。また、キャラデザ原案も担当していたらしい。この作品での活躍ぶりから、今敏監督は「劇場版パトレイバー2」にもレイアウト担当の一人として参加することになったそうで。

「大砲の街」はアートアニメに近い印象。てっきりCGで撮影してるのかと思ったら、ほとんどのカットが光学合成(オプティカル合成)と知って驚いた。無茶をする…。大友克洋監督作品となっているし、原作・脚本・キャラクター原案・美術も大友克洋先生が担当しているけれど、後に「この世界の片隅に」を作る、片渕須直監督が技術設計という役職で参加したことで実現できた映像なのだろうなと。技術設計と言っているけれど、どんな素材が必要になるか、どこをフィルム単位で分けて合成していくか検討して指示を出していく作業のようで、つまりはアニメ制作で一般的に演出と呼ばれる作業に相当するのかなと…。いやまあ、デジタル撮影が当たり前になった今の時代に眺めると、どのカットもフツーに見えてしまうのだろうなと思うのだけど…。いや、今、「どのカットも」とうっかり書いてしまったけれど、このアニメ、全編がワンカットということになってるのだよな…。片渕監督の発言では、数十分割した映像素材を光学合成で繋いでいくことでワンカットになっているように見せているらしいけれど、その手間暇を考えたら…。只々感服。

「最臭兵器」は、この設定でよくここまで作り込んだものだなと…。他の2作品がスタジオ4℃、この作品だけはマッドハウス担当で、そのせいか撮影面で大変そうな部分は感じられず、ひたすら作画が頑張ればなんとか作れそうな映像になっていた印象。もっとも、作画レベルがこれまたとんでもなくて…。

とにかく映像面が凄かったけど、これで脚本面もアレだったらなあ、もったいないなあ、という印象も…。いやまあ、大友克洋先生の作品にそういうのを望んじゃいけないけど。映像を堪能できればそれで良しの作風だよな…。

以上、1 日分です。

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