mieki256's diary - Web Board

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Subject: Re: H2A打ち上げ失敗
Date: 2006/03/14 11:41
From: 中井

日本初の人工衛星「おおすみ」は1970年2月11日にL-4Sロケット5号機で打ち上げに成功しました。このロケットは政治的事情などからかなり厳しい打ち上げを余儀なくされたのです。大体固体ロケットで衛星打ち上げをするのは日本だけです。(ちなみにH-IIAロケット、スペースシャトル、アリアン、タイタン、長征、ソユーズ、プロトン、アトラスなどはもちろん全て液体ロケットです。)固体ロケットはただでさえ誘導制御が難しいというのにL-4Sには誘導装置すら付けられていなかったのです。(つまりどこに飛んでいくかわからない。この打ち上げ方は重力ターン方式といい、このような奇跡的な打ち上げを成功させたのは日本だけ。)予算も厳しく(当時は東京大学の1研究所にすぎなかった)、一部の政治家、マスコミからの激しいバッシングや嫌がらせを受けながらの打ち上げが技術的にも精神的にもどれだけ難しかったのかは容易に想像できる。それに引き換え中国などは国家の大事業として考えられていたのに日本よりも衛星打ち上げが遅かった。この事実を見てどうして大きな技術格差がないと言い切れるのか。
結果だけにとらわれ、その裏側を見ようとしないマスコミの思考回路と全く同じである。大体失敗を隠す中国、その後どれだけ失敗を隠しているのかわからないだろう。(ちなみに打ち上げ失敗後の爆発で村人500人を死亡させるという世界最大のロケット事故による死者を出したのは中国。しかも中国政府はこのことを必死に隠そうとしていた。だが、あまりのすごさにバレてしまった。このことから昔小さな事故が頻繁に起こっていたことは容易に想像できる。)日本はロケット打ち上げによる死亡者は一人もいない。中国に作れないかといえばそうでもないだろう?
確かに神舟シリーズを打ち上げる長征2Fは打ち上げ能力を落としている。だが最高レベルである長征3号ですら日本のH-IIAにはるかに及ばない。(中国最強長征3号が低軌道9t、日本のH-IIAは最低でも10t。最高で16tほどといわれている。)あなたもご存知のとおり日本のロケットは技術的にも難しく環境にやさしい(H-IIA8号機にはエコマークまでついている。)一方神舟シリーズを打ち上げる長征シリーズは技術的には簡単だが環境にも悪く、人にも猛毒の四酸化二窒素と非対称ジメヒドラジンを全段に用いている。事故を起こせば大惨事になる。このような歴史を振り返ってみても技術的な差は明らかで中国のロケットが危険極まりないということがわかるだろう。では、本題の日本ロケットの成功率に話題を移したい。H-IIAは9号機まで打ち上げ、失敗したのは6号機ただ一機のみ。極めて高い信頼性といえる。10号機までで一度も失敗していない無人ロケットはアメリカ、ヨーロッパといえどもなかなかないのが現実である。現に商業打ち上げ最強を誇る、ヨーロッパのアリアン5でさえ最初の10号機中3機も失敗しているのである。日本は技術開発を進めているにも関わらず、この信頼性なのである。中国は枯れた技術で何度も打ち上げやっと安定してきたので国家の威信をかけて有人飛行を成功させたというだけのことである。金さえあれば日本でも真似できるが、中国で日本の技術は真似できない。(技術を盗まない場合)ちなみに日本は有人飛行開発を行えないのではない。行わないのである。アメリカ、ロシア、ヨーロッパでは宇宙開発には必ずリスクが伴い、10回未満の段階で1回くらい失敗しても仕方がない、次に生かせればそれでよいと考えている。しかし日本は残念ながらそうではない。1回しか失敗していないのに日本の宇宙開発は失敗ばかりなどと書きたて、いくら金が無駄になったのかしか頭にない。(ちなみに開発に関わった事で事故に影響していない箇所で技術を習得することもあるわけだから、そもそも単純に費用が全てパーなどといっている時点で技術開発には全く疎い人間の戯言として相手にしなくて良い。)日本は技術開発でも成功率でも十分すぎる効果をあげている。今の日本の宇宙開発で一番問題なのは、成功率(成功率は何回も打ち上げれば上がるわけだから、そもそも分母の小さすぎる日本のロケットの成功率を議論するというのはあまり意味がない。H-IIAは一回しか失敗していないのに成功率は88.9%。アリアン4は100回以上打ち上げているのであと10回打ち上げて全て失敗したとしても成功率ではH-IIAを余裕で上回る。まあアリアン4は運用を終了しているので、あくまでも仮定の話だが)などではなく、日本や世界のロケット事情をしっかり勉強し、正しく国民に伝えるマスコミの存在である。だが多少改善傾向は見られるもののまだまだ不十分だといわざるをえない。そこで、インターネットなどでぜひ勉強していただきたい。このような現状はインターネットなどで探せばいくらでものっている。あなたは多少なりとも知識があるようだから、ぜひしっかり勉強していただきたい。そして周りにも正しい情報を広めていっていただきたいと願うばかりである。長い文章で申し訳ないが、日本の宇宙開発はペンシルから50年もある。簡単にはあらわせないのでこのような長い文章になったことをお許しいただきたい。

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